事件の前触れ?
#7
辞めっかな。。。
俺はそんなことを考えながら帰る。
アオイの言葉にショックを受け、加志須先生から禁断の恋をした時の恐ろしさを聞かされた。
不気味に風が吹き、なにかが先生という、教師という職業から自分を遠のけていっている気がする。このまま教師をやっていてはいけないような気がする。。。
俺は明くる日、とぼとぼ学校へ行った。そう、とぼとぼ。本当は行きたくなんかない。いつ変なことを言われるか、先生方とも、生徒とも接するのが恐かった。アオイに話しかけられたらどうしよう。そう変な思いでいっぱいだった。
学校へ付くと、、
「おはようございます」
元気のない声で職員室へ入る
聞こえなかったのだろう。誰も返事はしてくれない。
何気なくそう思った。でもそれは・・・・
「アオイ?」
「あっ。。ユメ」
「なにボーッっとしてんの?」
「あ、、昨日先生にキツイこといっちゃって」
「そうヵ。。まぁ詳しくは聞かないや!
ところでさ?アタシブログつけてんじゃん」
そう。由愛はケータイをもっているためにケータイで
『ユメの夢ある日記』
という題名のブログをつけている。ちなみにワタシはまだケータイを買ってもらえない。。
「あ、うんうんあたしPCでみてるよ」
「そこにさ、アオイのこと紹介したいんだ!名前だけ!!」
「え、、、べつにいいよ。。住所とか写真とか電話番号とか載せないでね」
「あたりまえじゃん!それでね?アオイの名前の由来教えてほしいんだ!」
由来。ワタシがアオイという名前になったわけ。
「いいよ!」
「ありがと!」
ワタシは由愛に瑠璃という名前の由来を話した。
『アタシのパパとママねめっちゃくちゃ海好きなの。ママサーファーで、パパはダイバーの資格もってて。それで子供が生まれたら海に関係ある名前にしたかったんだって。
それでママは、男の子なら<爽> 女の子なら<瑠璃>
にしたかったんだって。
でねパパは男の子なら<海>女の子なら<アオイ>
にしたかったんだって。で私が生まれた。
パパとママはすんごい喧嘩して、、、、
それであいだをとって<瑠璃>にしたんだって』
「ありがと!そういう由来だったんだぁ」
「なんかショボクテごめんね」
「ショボイ?そんなことないよぉ!」
「・・・」
私は少し照れながら笑った。
「加志須先生おはようございます」
「・・・」
俺が先生に挨拶すると加志須先生はコーヒーを取りに立ち去ってしまった。
でもなにも感じなかった。俺はどうかしてたから。
俺が一時間目から数学を教えにいくのは木曜日のみ。今日は火曜日であるため朝はコーヒーを
飲んでゆっくりする。
ところが・・・
かたっかたっ
カップにコーヒーの缶をたたきつけるがカスしかでてこない。
「あの。。コーヒーの買い置きってありましたっけ?」
俺がたずねても返事をする先生は一人もいない。
「あの。。。」
「これでいいですか?」
「え、、、」
体育の先生、藤野先生がインスタントコーヒーの入れ物を持ってきてくれた。
「あ、ありがとうございます」
かたっかたっ
俺がコーヒーをカップに入れると、、そのコーヒーは妙にに黒い。
腐ったのかな?カビはえてるのかな?そうおもいにおいを嗅いだ。
すると・・・・
「あのこれ・・・」
そう。。そこに入っていたのは、、コーヒーではない。炭だった。
そう。。。コーヒーと炭を間違える大人はいない。第一インスタントコーヒーの入れ物に
わざとらしく粉々に砕かれた炭が入っているはずはない。
そう。。これはイジメである。。。
続く