幼馴染が大変なことに⁉︎
友達に借りた本を返しに行こうと、自転車にまたがった。
「え…どこにいくの?」
幼馴染の加世の声がどこからともなく聞こえてきた。
振り向くと…
「あ、加世。今から宇佐美に本返して…くる…」
あれ?
なんか様子がおかしい?
「やだよ…行かないで。」
「え?」
…
なんだか青白い顔の加世にとめられたので、これはなにかあったのだろうと、宇佐美にすぐさま連絡して、本の延長をお願いした。
すると、いつでも全然いいよーって返事が来たから、すぐさま加世に
「オレの部屋行こう」
と、来てもらった。
部屋には、二人掛けのソファがある。
そこに二人で座った。
「で、加世…どうした?」
オレが加世を覗き込むと、加世がいきなりオレに抱きついてきた。
⁉︎
いつもは、オレのことキライだのなんだのっていうのに…
加世…
よっぽど弱ってんのか⁉︎
そっと加世を抱きしめながら、
「どうした?」
と、優しくきいた。
すると、
「どこにもいかないでほしい。わたし…ショウタが好き」
と、声を震わせた。
やっぱりおかしい…
なにがあったっていうんだ?
「加世…オレはどこにもいかないよ。だから、安心して?」
「うん…うん。ごめんね、いきなり。でも、わたし…ついに、焦げちゃって…病気なの。だから…」
え…
焦げた?
病気?
まさか?
まさかなのか⁉︎
だからあれほど言ったのに…
「いつ、それいつ知ったの⁉︎」
「…さっき」
…
そうか。
どうやら加世は、病気になってしまったらしい。
だから、あれほどいつも焦げたやつ食うなって言ったのに…
病状がよほどよくないのだろう。
だから、こんなに素直に…
「加世、オレも加世が大好きだ。だから、一緒に治そう?」
「うん…でも、治ったらどうなるの?」
「どうなるって…そうだな。いずれ結婚しよう」
「えっ、結婚…」
「うん。」
「でも…わたしが勝手に焦がしたのに…許してくれるの?今まで散々キライとか言ってたのに…」
「わかってたよ。キライならそんなにいっつも一緒にいないだろ」
…
「そっか。よかった、手遅れになる前で」
「うん、そうだな」
「わたし、きちんと謝る」
「ん?」
謝る?
治すじゃなくて?
「うさぎさんに謝るよ」
「うさぎ…さん?」
「うん。ショウタを奪ってごめんなさいってさ。」
…
えと、え?
「それは…どういう…」
「え、だから奪ってごめんなさいっていうよ?」
言い方じゃないんだよな…
「その、うさぎさんって…どこにいるの?」
「知らない。ショウタが知ってるんでしょ?さっき行こうとしてたよね?」
「え?オレが行こうとしてたのは、うさぎじゃなくて宇佐美な?」
「へ?宇佐美くん⁈」
加世が驚いた顔をした。
「どうしたんだよ、加世?」
これも病気のせいなのか?
「わたし、てっきり…うさぎさんだとばっかり…」
「てか、そもそもうさぎさんってだれ?」
「知らないよ…でも、ボクのかわいいうさぴょんってなってるんだって…勘違いした」
「へぇ…」
うさぴょんって…
ぼくのかわいい子猫ちゃん的なやつか?
「それより、病気だよ!今すべきことは、治療だろ?」
「ううん、もう治った」
「はあ?そんなわけなくない⁉︎」
「あるよ。ショウタが他の女の人にとられなくてすんだから、大丈夫になった」
…
「え?」
「わたし、ショウタがうさぴょんにとられるんだって取り乱しただけなの。ショウタのおかあさんが、ショウタはかわいいうさぎさんのところに行ったよっていうから…だから、つい…」
「あー、河合 宇佐美って前にかあさんに言ったかも…。宇佐美の母親の旧姓が河合なんだ。だから、たまにかわいうさみってふざけて言ってて…」
…
「なるほどね。それでかわいいうさぎちゃんと勘違いして…だからわたしは、取り乱して告白しちゃったのか…。恋の病っておそろしい」
⁉︎
「えっ⁈恋の病⁉︎」
「うん、病名は恋の病。恋焦がれ焦げた」
…
「え、じゃあ、病気じゃないの⁉︎加世病気してないってこと⁈」
「してるって。恋の病」
…
「マジかよー…。よかったー…」
オレは加世を抱きしめた。
「ショウタ?」
「なに?オレ…今は、加世にみせられない顔してる」
思わず泣いてしまったのだ。
「うん、わたしもみせられないくらいの顔してる」
…
「どんな顔、してるの?みたら怒る?」
「ううん」
そっと加世をみると、真っ赤な顔をしていた。
「ぷっ、ショウタ…泣いてるの?」
「あたりまえだろ。加世が病気かと思って、本気で心配したんだから」
「病気だよ?恋の。」
「そうだったな。じゃあ、治療しないとだ。目つぶって」
加世がそっとめをとじた。
チュ〜♡
優しい治療が開始されました♡
おしまい♡




