第7章 クーロンの企み
北のとある場所に、魔王団のアジトがあった。
そして、クーロンのいる部屋にクーロンと3人の男たちが会話をしていた。
「まだ見付らんのか?魔王が封印されている剣は?」
「スイマセン。今部下たちが東西南北のあちこちで探しています」
「くそ」
「クーロンさん、カムイのいる村に忍び込ませていた連中から連絡が来ました。カムイはどうやらバトルソルジャーの仲間になったようです」
「ほ~う、そうか……まあいい、どの道ヤツに払うマーネなんかね~。用が済んだら始末するつもりだったからな。それより実験を始めるぞ」
そういうと、縛られた二十代前半の女性が連れてこられた。
「離せ!」
「気の強い女だ。戦闘の方はどうなんだ?」
「強いと思います。4人がかりで捕らえたらしいので」
「そうか……」
「私をどうする気だ?」
「な~に、ちょっと人を殺してくれればいいだけだ」
「ふざけるな!」
「ふざけていない。お前名は?」
「いう必要はない」
「そうか……まあ、そのうちお前は俺の言うことを聞くようになる。俺のマインドコントロールでな」
「お前らみたいな奴らの言うことを聞くぐらいなら、死んだ方がましだ」
「俺も覚えたばかりで、初めて行なうから、時間がかかるが、すぐに言う事を聞くようにしてやる」
クーロンは女の頭に手を置いた。
「いいか。お前は俺の奴隷になるんだ。そして、バトルソルジャーとその仲間らを殺すんだ」
「止めろ!」
「俺の目をよ~く見ろ」
「うっ……」
それから数時間後……
「ふう……」
「クーロンさん」
「しゃべるな。気が散る」
「はい」
「おい、お前の名は?」
「私の名は……」
「どうした?言うんだ」
「私の名は……ギゾラン」
「ギゾランか。いい名だ。俺はクーロンだ」
「クーロン」
「いい子だ。だが、ご主人様には様をつけ敬語で話さねばダメだ」
「クーロン……さま」
「よしよし、お前のこれからやる仕事は何だ?」
「バトルソルジャーとその仲間を殺す事」
「お前の得意な魔法は何だ?」
「雷です。あと、短時間ですが空を飛べます」
「完璧だ」
「やりましたね」
「よし、実行は明日だ。それまでおさらいだ」
「はいクーロン様」
クーロンたちが悪企みを計画していた頃、ルーナたちはレイラの妹のマーナの入院の準備をしていた。
「私怖い」
「大丈夫だ。手術は成功する」
「手術日は決まったのか?」
「3日後だ」
「3日後にマーナの手術、さらにその後には、クーロンたちと戦わねばならんな~」
「ああ、それより時間だ。マーナ車椅子に乗って」
「うん」
「誰かスマンが荷物を頼む」
「キャーロット、久々にあれを見せてくれ」
「ん?いいぜ」
「総司くん、あれってな~に?」
「まあ、見てな」
「カバンの2つくらいなら簡単だ」
そういうと2つのカバンが宙に浮いた。
「すごい、浮遊術が使えるなんて」
「コイツはさらに自分自身を浮かせることが出来るんだ」
「まあ、それなりに集中力が必要になるけどな」
この次の日に、悪夢のような現実が待っていることを、ルーナたちはまだ知らない。