第4章 刺客
土方総司という新たな仲間も加わり、再びマジックに会うため歩き始めようとした。
だが、総司は何かを感じていた。
「やっぱ、アンタといれば戦いに不自由しないな~」
「え?」
「強い気がこっちに近づいてくる」
「まさかクーロン!」
「誰それ?まあ、とにかくすごい闘気だ」
そして現れたのは二十代前半で、リュウのような女のような容姿をしていた。
「バトルソルジャー、私怨は無いが貴女の命このカムイがもらう」
「カムイ!?どこかで聞いた名だ……あっ、そうそう、ワンダー村で、カムイというかなり強い賞金稼ぎがいると長老が言っていたわ」
「誰だお前は?邪魔をするなら殺す」
「へっ、面白い」
「ちょっと、まず話し合いましょう。あなたを雇ったのはクーロンという男かしら?」
「それは言えん。どうしても知りたいのなら私を倒したら教えてやろう」
「話し合い終わり!さて、戦いを始めようぜ」
そう言って彼は刀を抜いた。
「総司くん!」
「変わった刀だな」
「俺の世界の日本という国で作られた日本刀だ」
「にほん?お前何もだ」
「それは言えん。どうしても知りたいのなら私を倒したら教えてやろう」
「真似をするな」
そう言って、手からルーナのように炎を出し攻撃してきた。
「おおっと!」
だが、総司は余裕で交わした。
「本気だしなよ。じゃないと死ぬぜ」
「いつの前に私の間合いに」
総司はそのままカムイの金的に前蹴りを放った。
「(コイツ、まさか……)」
「お前は絶対に殺す」
総司は刀を捨て、そして背後に回り、そのまま羽交い絞めをした。
「クッ……」
「(やはり……)おい、降参しないとお前の方こそ死ぬぞ」
「な、なめるな~お前の方こそ離れないと焼き殺すぞ」
そういうとまた手から炎を出した。
この体制ではまともにくらう判断し、総司は離して、刀を拾った。
「ハアハア……フウ~」
呼吸を整え、少し距離を置くカムイ。
「お前はじっくりと時間をかけて殺してやる」
「フン……俺のいた世界の150年位前の日本には、新撰組という戦闘集団がいた。彼らは屋内での戦闘も得意とするため、突きにこだわりを持っていた。そして、俺と同じ名の1番隊組長沖田総司は3段突きを得意としていたという」
「何を言っているんだ?」
「俺は剣道は習ったが、剣術は独学でね~。うまくいくかな~」
そういうと、やや右に刀を開き、刃を内側に向けた。
これは天然理心流の「平晴眼」という構えだ。
そして、カムイの間合いに入り込み、神速で3段突きを仕掛けた。
「(は、早い!)」
カムイは何とか紙一重で交わしたが、そのまま首を薙ぎにいった。
「な、何!クッ!」
カムイは後ろに飛び、何とか交わした。
「お、恐ろしいヤツだ」
「それは俺の言葉だ。俺の3段突き、さらに、そこからの薙ぎを交わし、俺の片足を凍らせるなんて……炎だけでなく、氷の魔法も使えるのかよ」
なんと、カムイは避けると同時に、総司の片足を凍らせていたのだ。
「だが、まだ終わりじゃないぜ。片足があれば十分動ける」
「面白い」
「もう止めて」
ルーナが大声で叫んだ。
「私の命がほしいならあげるわ。だから」
「……変わった女だ。だが私が本当にほしいのはお前の命ではなく、マーネだ。お前を殺せば確かに1万マーネ入る。だが、無抵抗の者を殺す事は私にはできない」
「カムイさん……」
「じゃあな」
「待って!1万マーネは払えないけど、その半分くらいなら出すわ。だから、これからは正義のためにその力を使って」
「俺の時と同じ事言っているよ」
「変わった女だ。だが、嫌いじゃない。貴女の命を狙う者は星の数ほどいる。今から私が貴女の用心棒になりましょう」
「ホント!じゃ、じゃあ、お願いするわ」
「どうでもいいんだが、足が冷たいんだけど」
「あっ、ごめん」
ルーナは炎で氷を溶かした。
「さて、もう夕方になっちゃったわね。ファンタリームまで急ぎますか」
「ところでさあ、どこに行こうとしているの?」
「街に着いたら教えるわ」
「すまないが、街に着いたら、お金をいただきたい」
「ええ、いいわ」
「なんでそんなにマーネが欲しいんだい」
「秘密だ」
「やれやれ」
こうしてまた新たな仲間が加わった。