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最終章 新たな伝説

一度は修羅へと覚醒したリュウだが、魔王の芝居に戦意を失ってしまった。

そんな彼に魔王の放った炎が襲う。

だがその時、ルーナが叫んだ。


「リュウ君!私のためにも生きて~」

その言葉にリュウは戦意を取り戻した。

「俺は生きる」

そう言い、魔王の炎を消すほどの水の魔法で、炎を消し飛ばした。

「ば、馬鹿な!俺様の炎を消しやがった」

「俺は生きる……俺のため、ルーナさんのため、そして娘ヴィーナのためにもな」

「リュウ君」

「ヴィーナは俺とルーナさんの娘……自分の運命を変えたいと思っていただろうが、死ぬという運命も正面から受け止めていた。ヴィーナを吸収した魔王おまえなら分かるだろう。俺たちの娘の精神的強さを……そのヴィーナがそんな弱音を言うはずがね~」

「クソ……」

「運命どおり、俺がお前を殺してやるよ」


「あのリュウの目……今の奴は間違いなく修羅……この土方おれが本気で戦いたいと思うくらいに強く、そして恐ろしい」

土方が微笑みながらそう呟いた。


「これで終わりにしてやるよ魔王ビルダー!」

そう言うと彼の手から黒い炎が出た。

「何だ?あの炎は?」

ドーラでさえ、そしておそらく魔王でさえもはじめてみる炎であった。

「俺も驚いているぜ。こんな炎を出したのは初めてだ」

さすがの魔王もリュウに恐怖を感じ始めた。

魔王にとって、人を心の底から恐ろしいと思ったのはこの時が初めてであろう。


「(お、恐れているのか?この俺様があんな餓鬼に……体が震えて動けん……)」

「どうした?怖いのは俺か?それともこの黒い炎か?あるいはその両方か?」

「な、舐めるなよ」

「フン……土方さん」

「なんだ?」

「魔王を倒すこの魔法にいい名前ありますか?」

リュウは完全勝利を宣言した。

「う~ん……」

「き、貴様らふざけるな~」

魔王は完全に切れた。

そして雷雲を呼び始めた。

「土方まだか?」

とキャーロットが問いかける。

「いや~だってどんな魔法か誰も知らないんだろう。今は黒でも放ったら色が変わるかもしれんし……」

「そうだな~」

「おっ!カグツチ……リュウ、火産霊カグツチでどうだ」

「カグツチ……いいですね~」

「我が国、日本に伝わる火の神じゃ」

「これで最後だ。魔王!喰らえ火産霊カグツチ!」

そう叫び、黒い炎を放った。

「こんな炎、爆風で消してやる」

だが、炎は消えず、魔王に直撃した。

黒い炎は魔王を一瞬にして跡形もなく焼き殺した。


「ハアハア……か、勝った……勝ったぞ!」

と叫び、リュウはそのまま倒れた。


「リュウ君!」

ルーナはすぐにリュウのところへ駆け寄った。

「安心しろ。疲労で倒れただけだ」

といいながらドーラ傷ついた仲間を回復させた。


ルーナはリュウを強く抱きしめた。

「これからは死ぬまで一緒だよ」

そうルーナは呟いた。


この一ヵ月後に二人は結婚した。

「好きです。ルーナさん。子供の時からずっと……だから結婚してください」

「もちろんです。私も好きだよリュウ君」


そして半年後にはヴィーナを授かる事となる。


魔王との戦いから1週間後……


すでに土方、キャーロット、マーナの魂はこの世にはない。

もちろんゾイ、ハンジーの魂もなく王や王妃は元に戻った。

また、土方に体を貸した本名ナガー・クーラとキャーロットに体を貸した本名ラーダ・サノールは特攻隊長という新たな役職が作られ、二人はこの特攻隊長に昇格した。

また、生き残った四天王の一人シンは死刑囚と共に捕縛され、死刑を言い渡された。


ギゾランはカーワ村に残り、キャーロットの墓守をし、生涯独身を貫いた。


レイラはガーク村に戻ることを許され、妹マーナの墓守とたまにカーワ村に行き土方の墓守をし、彼女も生涯独身を貫いた。


ミストとナイトは魔王との戦いから5年後に近親婚した。

この頃になると、ナイトも大人の男性へと成長し、ミストを姉としてではなく、一人の女性と思い、プロポーズした。

「姉さん……いや、ミスト、俺に生涯ついてきてくれぬか?」

と、言い、その言葉にミストは

「はい」

と笑顔で答えた。


マリーは回復系の魔法を世のために使い、怪我をした者達をボランティアで治療する医者となっていた。


マジックは森に戻り、たまにかつての仲間J・O、ジンヤー、アックス、さらに師匠カーメの墓守もした。


そして魔王との戦いから10年後……


ゴン・ドーラとローズとの間に一人の男子が生まれた。

赤子の名前と彼の運命は生まれる前から決まっていた。

その名前はリュウ。





あとがき


デビュー作の格闘小説「武勇伝」以来の長編ものを何とか最後まで書くことができました。

西洋的なファンタジーなんですが、土方総司という武道家を登場させることで、和風的なものを取り入れてみました。

主人公の少年の武器の装備が日本刀とか、最後の魔法の技名に日本に伝わる火の神カグツチという名前にしてみたりとかして、自分なりにいろんな事に頭を使いました。

キャラの名前も好きなバンドのルナシーやそのメンバー、マリスミゼルやそのメンバー、またジャッキー・チェンとブルース・リーを合体させたり(これは武勇伝でも使った名前だけど)一番好きな鳥山先生の漫画、アニメの「ドラゴンボール」のキャラの名前をモデルにしたり、新撰組の隊士の名前や幕末四大人斬りの名前を西洋っぽくしたり神話の神々の名前なんかもモデルにしました(そして僕の作品でよく使われる如月美奈子の名前も使いました)


え~、僕の中で「マジカルワールド」は今から何十万年後の未来が舞台のつもりです。

21世紀の半ば核戦争が起き、その何万年後、何十万年後になると生き延びた人たちが不思議な力を身につけ、生物たちも新たな進化を遂げたという。

だから土方は過去から未来へ来たわけです。

でも本編ではあえて書きませんでした。

さらに番外編として50年前の5人の戦士たちの活躍や初代バトルソルジャーの活躍なんかも書く気でしたが、やめました。


仕事が忙しかったり、調子が悪かったりした中、最後まで書けたのも、読んでくださる読者の方々のおかげです。


最後に病気に負けず、これからも頑張りたいと思います。


平成22年9月 生時



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