第３８章 修羅覚醒
ヴィーナを失った悲しみと怒りにより、リュウに大きな変化が現れた。
「魔王が死ぬ運命は変わらない。俺がお前を殺すから」
「面白い。やってみろ」
「リュウ君……」
リュウの拳が炎に包まれ、そして魔王の顔面を殴り飛ばした。
「クソ餓鬼が！」
怒りの拳が魔王の顔面を何十発も殴りつけた。
さらには魔王の首筋に噛み付いた。
そして魔王が蹴り飛ばすと同時に、魔王の首筋の肉を食いちぎった。
「ぺっ……土方さんの国では荒んだ者を修羅というらしいぜ。お前が魔王なら俺は修羅だ」
魔王は食いちぎられた首筋に手を置き、少しでも回復させようとしたが、そうはさせまいと、間合いに入り逆関節を決め、さらに足払い……いや、かかとで魔王の足を蹴り、地面に叩きつけた。
魔王も叩きつけられたと同時にリュウの顔めがけて、電撃を放つが、リュウは紙一重で避けた。
「ルーナ、あれは本当に俺の息子リュウなのか？この俺でさえ、奴が恐ろしい」
「私もです……ドーラ様」
ドーラやルーナは手出しできなかった。
そして今のリュウに手を貸す必要もなかった。
だが、魔王も負けてはいない。
「（少し芝居をしてやるか）」
魔王に不気味な笑顔が浮かぶ。
「死ね～魔王」
「お父様！」
「……ヴィーナ？」
「いつも死ぬ事に恐怖を感じていました」
「……」
「でも、お父様と一緒だったから……私の運命を変えてくれると心のどこかで思っていたから、私は恐怖に打ち勝つ事ができました」
「ヴィーナ……」
「でも結局私は死ぬ運命……」
「ヴィーナ……すまん」
「もし、運命が変わり、生き延びれたら、戦うことを忘れ、普通の女性として生活ができる……そう、思っていました」
「ドーラ様これは一体？」
「罠だ！リュウ、奴の芝居だ」
だが、ドーラの声はリュウには届かなかった。
自分の愛娘を守れなかったことが、また、彼の戦意を失わせようとしていた。
「俺が、守れなかったのは事実……」
「お父様、私はどうなるのですか？」
「ヴィーナ……」
しばらくの間、時だけが流れた。
そしてその間に土方とキャーロットがたどり着いた。
「私辛いです……お父様が今死ねば、私は存在そのものがなくなる……そうなったら苦しまなくて済むんでしょうか？」
「ヴィーナ、俺が死ねばお前は楽になるのか？」
「リュウ君、騙されてはダメよ」
「お父様！」
そう言って魔王はかなり大きな炎をリュウに放った。
リュウはヴィーナのため、死ぬつもりなのか？
いよいよクライマックスかな！？
死戦組……土方が付けた名前で、死を恐れず戦う者たちのことである。
上下関係は特にないが、最初の方はマジックや土方が指揮し、終盤ではリュウが指揮をしている。
以下の者たちが死戦組のメンバー（順番は強さ順）
未来の戦士：リュウ・シー・ドーラ（１７歳）・・・レベル４７（修羅覚醒後は１０３で、初登場時は７、２０年後の未来では６０）
武道家：キャーロット・クーゴ（２２歳）・・・レベル４６（修羅に覚醒できたらさらに上がる。またジャッキー・リーに弟子になる前は２６肉体を借りていた時は４０）
武道家：土方総司（１８歳）・・・レベル４６（マジカルワールドに来た頃は２６で、山篭り前は１８で、肉体を借りていた時は４０）
伝説の戦士：ゴン・ドーラ（１０歳）・・・レベル３６（２０年後の未来では５１）
未来の戦士：ヴィーナ・スー・ドーラ（２０歳）・・・レベル３６
武道家：ナイト・サーム・アールケイ（１３歳）・・・レベル３０（土方の弟子になる前は２０、２０年後の未来では４２）
伝説の戦士：マジック・グレー（８０歳）・・・レベル２８（５０年前なら４２）
バトルソルジャー：ダイアナ・シー・ルーナ（２２歳）・・・レベル２７（修羅覚醒後３３、２０年後の未来では３５）
賞金稼ぎ：レイラ・オー・ヴォワール（２１歳）・・・レベル２５（２０年後の未来では３１）
魔女：ギゾラン・コー・スモス（２２歳）・・・レベル２５（２０年後の未来で３０）
錬金術師：ミスト・ライム・アールケイ（２３歳）・・・レベル７（２０年後の未来では９）
医者：マリー・ミゼール（２１歳）・・・レベル６（２０年後の未来では９）
奴隷：ローズ・スレイヴ（１０歳）・・・レベル４（２０年後の未来では７）
ちなみに魔王はレベル６２（５０年前は６０で、復活時３７、クーロン吸収後５２、ラーベル吸収後６２で、ヴィーナ吸収後は９４で、別の未来のキング・ドラコ吸収後は７９）
カミューは３０
シン２８
ハンジー２８
ゾイ２９
クーロン１５
ラーベル１０
カーメは高齢者なため１９（２０～３０代の全盛期時は４８）
ジャッキー・リーは３０（カムイと戦った時は病気のため２４）
如月勇は２８
如月美奈子は１７
クラハは３０
J・Oは３８
ジンヤーも３８
アックスは３９
ザミー隊長２７
ヤーマ副隊長２６
ナガーは２４（リスポ隊隊士の平均レベル１８～２２で、クラハもリスポ隊の隊士だった頃は２５）
ラーダも２４
一般男性が大体１０で、１７～２２が玄人、２３～２９が達人で、それ以上の奴らは化け物レベルである。
