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第3章 戦いを求める少年

3人が村を出たのは次の日の朝だった。

3人はマジックに会うため東へ向かって歩いた。

それから数時間後……


「疲れた~」

「リュウくん、大丈夫?」

「は、はい」

「もう少ししたらファンタリームという街があるから、それまで頑張って」

「はい」


と、その時だった。

リュウの後ろから獣が突進してきたのだ。

リュウは数メートル飛ばされ、獣はそのままリュウに襲い掛かった。

その獣はトライオンと呼ばれる獣で、姿は虎柄の模様をし、顔はオスライオンのようにたてがみを生やしていた。


「リュウくん!」

トライオンはリュウの腕を噛み付き始めた。

「この~」

そう言って、ルーナがトライオンを蹴り飛ばした。

200キロあると思われるトライオンを蹴り飛ばすとは、さすがはバトルソルジャーの名を受け継ぐだけの事はある。


「リュウくん」

「私に任せて、少しくらいの怪我なら治せるわ」

「ホント!」

マリーの手が光、リュウの傷跡が消えていく。

「よかった。ありがとうマリーちゃん」

「腕を食い千切られていたら無理でしたがね」

トライオンは立ち上がり、今度はルーナに襲い掛かろうとした。

ルーナは手から炎を出し攻撃しようとした。

だが

「あなたも生きるために襲ったのよね」

そう言うと、手から炎が消えた。

「ごめんね」

彼女は出る前に用意したおにぎりの様な物をトライオンに与えた。

「こんなけしかないけど、これを食べたら巣に戻ってね」

トライオンはまるで彼女の言葉を理解したかのように、食べ終えると森の中へと消えていった。


その時だった。

ルーナの後ろから

パチパチパチッ

と拍手の音が聞こえた。

「さすがバトルソルジャー」

そう言ってきたのは、十代後半の青年で、道着を着て腰にはこの世界では珍しく日本刀のような刀を差していた。


「誰?」

「俺かい……俺は土方総司という武道家さ」

「土方総司?珍しい名前ね」

「ああ~、だって俺この世界の人間じゃないもん」

「え?」

「2年位前に山篭りして修業していたら、突然暗闇に吸い込まれて、気づいたらこの世界にいた」

どうやらこの土方総司は我々の世界から来た人間のようだ。

「本当?」

「ホント、俺の世界じゃ魔法なんてお伽の中のモンだと思っていたから、最初はビックリしたよ。言葉も通じないし」

「でも今は話せているじゃない」

「ああ、ここから北にあるワンダー村で世話になっていて、そこにはホンヤックの実というのがあり、それを食べればこの世界の国なら全て話せれるようになるんだよ。まあ、今はごく一部の国を除いて、この言葉が共通語になっているようだから、あまり食べる人はいないらしいが」

ルーナたちは最初こそ信じなかったが、この世界では聞いたことのない名前や見たことの無い刀に信じざるお得なかった。


「まあ、俺は一人モンだし、自分のいた世界では俺より強いやつはほとんどいなくなったが、この世界の連中は魔法を使える。今までそんな奴らと戦ったことなんかないからね~」

彼はニヤリと笑い、刀を抜いた。

「バトルソルジャーの噂はよく聞いたから、一度手合わせ願いたくて、アンタを探していた」

「そう……でも私は、無意味な戦いはしない主義なの」

「でも俺は戦いたい。俺は修羅なんでね~」

「しゅら?」

「俺の世界の闘神阿修羅っていう神の略で、荒んだ者、荒果てた者に対しても使われる言葉さ」

「と、とにかく無意味な戦いをするのは嫌よ」

「なら、アンタと戦うために悪い事をしてくるか」

「……あなたは本当に強いと思うわ。だから、その力を正義のために使って」

「アンタに強力しろという事か?」

「そうじゃないわ。私じゃなく他の弱き人のために使ってほしいだけ。あなたがこの世界に来たのは、きっと神様がこの世界を守るために、あなたを連れてきたんだと私は信じたいの」

「神ね~、なら、阿修羅様がこの世界で強者と戦えということでここにきた。それでいいのかな」

「ちょっと違う気が……でも、あなたは、悪い人じゃないと私は信じているわ」

「ふ~ん、まあいいや、アンタはいろんなヤツから狙われている。アンタと一緒なら戦いに不自由しないな~」

「いや、私のためじゃなく弱き人のために」

「アンタのためじゃないさ。おれ自身のために着いていくんだ」

「ルーナさん、理由はどうあれ、あの人を仲間にしたほうが心強いですよ」

「そうだけど」

「よし、決まりだ」

そう言って総司は刀を鞘に納めた。


土方総司という新たな仲間も加わり、この先どんな旅となるのだろうと不安に思うルーナであった。





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