表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/42

第35章 死戦組出陣

土方とキャーロットの魂がこの世にいられるもあと2日。


ファンジー城は魔王に乗っ取っられたため、城の近くには100人位のリスポ隊が不眠不休で待機していた。


「俺様の城の近くで、クズ共が……焼き殺してやる」

そう言って手から炎を出そうとした。

だが、魔王は何かを思いついたようだ。

「城の地下に死刑囚が50人いたな~」

「はい」

「こいつらを使って、ここから殺し合いを見るのもいいな~」

「囚人共はリスポ隊を憎んでいます。自由にしてやれば、喜んでリスポ隊を殺しに行く事でしょう」

「では私が行って、牢から囚人共を出してきます」

「まあ、待て」

「はい?」

「お前らは今、王たちの姿をしている。奴らはリスポ隊だけでなく、王族にも恨みがある。お前たちを必ず襲う。俺様直々に奴らのとこに行く」

「はあ」

魔王はそう言って一人地下牢へと向かった。


地下牢……


不気味で暗く、1つの牢に10人ずつ収容されていた。


「我が名はクーマ・ビルダー」

その名を聞いて、さっきまで静まっていた牢の中が、騒ぎ始めた。

「あの魔王か?」

「そうだ。これからこの世界は俺様の物。よって、お前たちを自由にしてやる。これからは悪こそ正義の時代だ」

「本物か?」

「何!?」

「魔王の封印が解かれたのは番人たちの話で知っておる。だが、50年も刻が流れておるのに、お前の姿を見ていると高齢者には見えん」

「そうだ」

「信じぬのならそれでいい。このままここで死ね」

騒ぎの中、一人の30代の男性が叫んだ。

「俺は信じる」

「本気か?罠かも知れんぞ」

「俺たちはもう死刑が決まっている。そんな連中を罠にかけてもしょうがないはず」

「確かに」

「本当に俺たちを出してくれるのか?」

「ああ、王と王妃は俺様の仲間の魂が乗り移っている。だが、外にはリスポ隊が100人おる。奴らを己の手で血祭りにしたくないか?」

「おう!」

「この手で奴らを殺して~」

「俺もだ」

「だが、奴らは俺たちの2倍もいるぞ」

「それがどうした。俺たちには魔王、いや、魔王さまがついている」

「そうじゃ~!これからは悪が正義の時代じゃ~」


そして魔王は囚人たちを解放した。


死刑囚とリスポ隊との激しい戦いが始まった。


魔王は王室に戻り、城の上からこの修羅場を眺めた。


数ではリスポ隊の方が上だが、王や王妃の身の安全を考えながら戦っているため、思うように戦えない。

だが逆に囚人たちは怒りと恨みで殺す気で襲ってくる。


そして1時間半くらいの時が流れた時、カミューがキングドラコを見付けたという知らせに参った。

その頃にはすでに隊士たちの半分以上が瀕死の状態だった。


「そうか。やっと見付けたか」

「はい」

「いい所だが仕方ない」

魔王はそう言うとパワーを解放した。

「魔王さま?」

「挑発だ。吸収しているときに邪魔されたくない。今のでリスポ隊の身に何かあったと思い奴らがここへ来る。留守中頼んだぞ。ゾイ、ハンジー」

「はい」

「本当は土方たちが消えてから、お前たちを使いたかったのだがな。まあ、しょうがない」

そう言い残し、魔王はカミューと共に飛び去っていった。


その頃カーワ村では……


「ファンジーの街で何かが起きておる。この前はワシもドーラも聖水のことしか頭になく、ビルダーがファンジーの街に攻めたことに気がつかなんだが……」

「マジック様、まさか部下たちが」

「リュウ」

「なんですか?土方さん」

「俺が一人で攻めに行ってもいいが、俺とキャーロットはあと2日でこの世にいられなくなる。だから今からはお前とねーさんが、この死戦組を指揮しろ」

「……わ、分かりました」

リュウは悩みそして指示を出した。

「ウーマは土方さんと隊長のを合わせて4頭……僕と土方さん、キャーロットさん、ナイト君、ドーラ様、マジック様でファンジーの街へ向かい、女性軍はザムー隊長と共にこの村とマーナさんを守ってください」

「いいのか?女性軍ばかり残して」

土方がリュウにそう言った。

「そ、そうですね……では……」

「ワシが残ろう」

「マジック様がですか」

「ワシは年じゃ。この前のハンジーたちとの戦い、ドーラがいなければワシは死んでおった」

「僕もお姉ちゃんと一緒がいい」

「えっ!で、では二人にも残ってもらって」

「二人の変わりに私が行くわ」

「ルーナさん」

「お願い行かせて」

「俺もその方がいいと思うぜ。お前はねーさんと一緒の方がいい」

「わ、分かりました。では僕と土方さん、キャーロットさん、ドーラ様、ルーナさんの5人で行きましょう」

「待ってください。私も、私も連れて行ってください」

そう言ったのはローズだ。

「戦う事は出来なくても、少しだけなら回復系の術が使えます。ですから隊員の皆さんの怪我を治せます」

「(母さん……)分かりました。行きましょう」

マリーもそして錬金術だけでなく、回復系の魔法も使えるミストも行こうとしたが、怪我の回復はローズに任せ、残る事にした。


こうして6人の戦士は戦場へと向かった。


どのような修羅場が待っているのかも知らずに……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ