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第19章 魔の四天王

死者復活の術を唱え始めてから5日目の朝……

魔方陣にいた4人の手下や東西南北に並べられていた4つのドクロは無く、代わりに裸の4人が立っていた。

そう、彼らこそ魔の四天王だ。

魔王はついに彼らを復活させたのだ。

トライオンを吸収し、人とトライオンの姿をしたゾイ、金髪で青い瞳の美剣士シン、頬に大きな傷を持つハンジー、そして、唯一の女性カミュー。

「よくぞ蘇った」

魔王は4人に彼らが身につけていた服や剣などの武器を渡した。

そして、この50年の出来事を簡単に説明した。


「魔王様の目を潰す者がいたとは」

と、ハンジーが言った。

回復の術で千切れた腕や潰れた目を再生させるのはかなりの至難。

そのため魔王の左目は潰れたままだった。

「あの5人の中で生きているのはマジックだけなのですね」

と、今度はシンが質問した。

「ああ、ドーラに似ているヤツがいるが、おそらくは別人」

魔王はこの時代にゴン・ドーラが来ていることを知らない。

「久々に暴れてやるガオー」

と、ゾイはすでに戦闘状態だった。


「シン、ゾイ、ハンジーの3人でカーワ村に行き、マジックたちを殺して来い」

「はい」

「魔王様、私は?」

「カミュー、お前は俺様と共にキングドラコを探しに行くぞ」

「キングドラコですか。しかし、キングドラコはビックドラコと同じですでに絶滅したと聞きます」


この世界には様々な種類のドラコがいる。

だが中には、数百年前に、山のように大きいビックドラコのように絶滅したドラコもいる。

そして、キングドラコとは大きさは2メートル位だが、ドラコの中でもかなりの凶暴で強く、賢いドラコだ。

だが、このドラコも絶滅したと云われている。


「このクーロンの記憶ではヤツが幼き頃に、ここから西にある、白竜の森にキングドラコを見たようだ。キングドラコを吸収し、俺様は無敵の力を手に入れる。いつ、またとんでもない敵が現れるか分からんからな~」

「分かりました。お供いたします」


こうして魔王とカミューは白竜の森へ、ハンジーたちは浮遊術でカーワ村へ向かった。


その頃カーワ村ではリュウたちの帰りを待っていた。

当然の事だが、マジックとドーラは異変に気づいていた。


「まさか、魔の四天王が蘇った!?」

「本当ですか!マジック様」

「おそらく……しかもここに向かってきておる(ビルダーめ、禁断の魔法を使いおって……)」

「ドーラ様」

「大丈夫だよ、ローズ。やつ等は一度、俺たちの手で倒したのだから」

「ドーラ様を信じます」

「にしても、ルーナやリュウは何をしているんだ」

と、ギゾランが少し苛立ちを感じていた。


そして4時間後……


マジック、ドーラ、ギゾラン、レイラは村の外れで待機した。

「私も戦います」

「わ、私も」

マリーやローズも戦いに参加する気だが、マジックたちから村人たちと共に隠れるように言われた。

二人はしぶしぶ、村人たちのところへ戻ることにした。

だがその時だった。

ハンジーたちがたどり着いてしまった。

「マリー、ローズ走れ~!」

とドーラが叫んだ。

「誰も逃がさん」

ハンジーは手から電撃を放ち、マリーとローズに直撃した。

「ローズ、マリー!」

ドーラは二人の怪我を治そうと駆け寄ろうとした。

「あれはドーラ……いや、あれが魔王様がおっしゃっていた、ドーラにソックリの小僧か」

そう言って今度はドーラに向けて電撃を放った。

バチバチッ!

と音がして、ドーラに直撃した。

「うっ……ローズ、マリー……」

「ドーラ落ち着け、まずは奴らを倒すのが先じゃ」

「マジックか……醜くなったもんだな」

「お前らの心ほどじゃないわい」

「フン、今度はお前が俺たちによって死ぬんだ」

「そんなことより、ビルダーはどうした?」

「お前らごとき、我ら3人で十分だ」

「あの時のお前らは強かった。だが、今ここに居るのは、年老いた魔法使いと、女子供……我らの勝利は目に見えている」

「殺してやるガオー」


戦いが始まり、一瞬にして修羅場と化した。


その頃ルーナたちは、カーワ村の近くまで来ていた。

「お姉ちゃん、僕疲れちゃった」

「ナイト、もうすぐでカーワ村に着くから、頑張りなさい」

「は~い」

「どうしたの?リュウくん」

「うん、何か胸騒ぎがするんです」


その時だった。

4人の前に、逃走中の6人が現れたのだ。

「バトルソルジャー、やっと見つけたぜ。お前たちを殺さないと、俺たちが殺される」

「魔王の封印を解いたのはあなた達でしょう。自業自得よ」

「ナイト、お願いね」

「疲れているんだけど、お姉ちゃんの頼みならしょうがない」

「俺たちはガキでも容赦しね~」

と、一斉にナイトに攻撃をするが、数秒で6人を倒した。

もちろん殺してはいない。

気絶させただけであった。


「さすがナイト君」

だが、ナイトの様子がおかしい。

「ナイト君?」

「隠れていないで出てきなよ」

「えっ?」

ナイトの言葉に、木の上に隠れて、ナイトの戦いを眺めていた仮面を被った謎の者が木の上から下りてきた。

「誰?」

ルーナが訪ねた。

「私かい。とりあえずアルテミスと名乗っておくわ」

「女?」

「あなたたちにいい事を教えてあげるわ」

「いい事?」

「魔の四天王は魔王の力で復活し、あなたたちの仲間を殺しに行ったわ」

「なんですって!」

「そして、あなたたちは、このアルテミスが殺してあげるわ」

そう言ってアルテミスは剣を抜いた。

「面白い人だ」

ナイトは薄ら笑ってそう呟いた。


アルテミスとは一体何者なのか?

果たしてナイトはアルテミスに勝てるのか?

また、マジックたちもハンジーたちを倒せるのか?






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