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第14章 未来から来た男

本物のドーラの出現によりリュウが何者か分からなくなった。

だがある日……


カーワ村の村人の一人がなにやら慌ててマジックやルーナたちを呼んだ。


その村人は村の外れで一人の男性の遺体を発見したというのだ。


戦士たちがそこに行くと、まだ死んで間もない男性の遺体が確かにあった。


「こやつ、どうやら毒を飲んで自殺したようじゃ」

「自殺!」

「ん?手紙……遺書か?どれどれ……なっ!」

マジックは驚いた。

それは、遺書にはこう書かれていたからだ


竜王暦769年

私はとんでも術を編み出してしまった。

時空の術というべきか……

私はこの術を使い、過去へ来た。

村の者に今何年かと聞いたら、631年と答えた。

そのときの私は喜んだ。

新たな魔法を編み出し、過去へ来れたのだから

だが、これが悲劇の始まりだった。

私は元の時代へ戻ろうと、術を使った。

だが、着いたのはまったく見たことのない世界だった。

鉄の箱が走ったり、飛んだり……

今度は未来にでも着てしまったのだろうか?

そう思い、人々に話しかけたが言葉が通じなかった。

私はすぐに術を使い元の時代へ戻ろうとした。

だが、失敗したのか分からないが、また似たような世界へ来てしまった。

私は何が何でも帰りたくて、術を使った。

そして、次に着いた時代は、5人の戦士が魔王をと戦っていた時だった。

私が出発してから200年も前の時代だ。

私はすぐに術を使い、この時代へ来た。

街の風景から、自分のいる時代ではないというのが分かる。

もうここがいつの時代なのかどうでもいい。

いや、知りたくない。

さらに術の使いすぎで体が蝕まれてしまっていた。

もう、術を使う余力もない。

ならばこの世界で、自分の人生を終わらせよう。

おそらく、まだ私は生まれていないこの時代で……

最後に私が生きた証として、ここに遺書を残す。


              ターム・マジン


「それで、ここにある毒キノコを食べたのか」

「可愛そうに」

「じゃが、これで分かったぞ!こやつが術を使った時に、おそらく術の影響で、他の無関係の物も時空とやらに飲み込まれるようじゃ。ヤツが出発してから200年前に術を使っている。この時の影響でドーラは闇に飲み込まれた。あの時わしらも飲まれそうじゃったが、すぐ、洞窟に戻ったため助かったが……そして、見たことのない世界、おそらく時空どころか別の異世界へ行ったのじゃろう。そしてこの時に2度、術を使っておる。おそらくその時に、土方が闇に

飲まれたのだろう」

「あと、ジャッキー・リーもそのためでしょう」

と、レイラがいった。

「ジャッキー・リー?ワシは知らないが」

「キャーロットに武術を教えた人です。そして私が殺した男です」

「何!お前さんが……」

「はい」

「まあ、何か理由があったのじゃろう」

「……はい」

「さて、これでドーラたちが闇に飲まれた理由は分かったのう。まあ、他にも時空に飲まれた者もいるじゃろう。ヤツが一番最初に使った時にも誰かの見込まれたはず。運よく誰も飲み込まれなかったかも知れないし、逆に一人どころかな何人も飲まれた可能性もある。さらに631年にも使っておるからのう」

「では、時空に飲み込まれて、過去か未来、又は土方たちのいた世界へ辿り着いた者がいるわけですね」

「そうじゃ……ん?まさか……」

「マジック様どうされました?」

「リュウはもしかしたら未来から来たのかも」

「僕が未来からですか!」

「まだ、分からないが、可能性としては考えられる」

「確かにそうですね」


リュウは果たして未来から来たのだろうか?

この時はまだ誰にも確信がなかった。




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