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第10章 告白

クーロンのアジト……


「クーロンさん」

「何だ?」

「ついに魔王の封印されている場所を見つけました」

「どこだ?」

「ここから南にあるオウマの洞窟の中です。だが、強い結界が張ってあるため我々ではどうしようもありませんでした」

「結界か……ギゾラン」

「はい」

「お前解けるか?」

「自身はありませんがやってみます」

「よし。ウーマを用意せい!」

「はっ!」


その頃ルーナたちは、マジックの案内でドーラの故郷カーワ村にたどり着いていた。


「ここがカーワ村……」

「どうじゃ?何か見覚えがあるか?」

「無いです」


「マジック様」

村の一人が話しかけてきた。

「皆の衆、マジック様がお見えだぞ」

そう言うと、村人たちが集まってきた。

「マジック様、お久しぶりです。元気そうで安心しました」

「おお、長老か。ぬしも変わらずじゃな」

「おかげさまで……して、他の方々は?」

「バトルソルジャーとその仲間じゃ」

「おお、噂は聞いております」

「それより、この少年見覚えがないか?」

「少年……ん!ドーラ!」

「まだドーラかどうかは分からんがのう」

「ドーラは闇の中に飲み込まれたと聞きましたが……それに生きておれば60くらいのはず」

「実はな……」


マジックは長老をはじめ、村人たちに全てを話した。


「そうでしたか」

「ドーラの家はまだあるか?」

「もちろんです」

そう言って、マジックたちを案内した。


「ここです」

「ぼろい小屋だな~」

「総司君」

「あっ、わり~」

「五十数年前、ワシらはカーメ先生と共に、修行の旅をしておった。そして、この村に来た。その時ドーラは3つかそこらじゃった」

「ドーラ様のご両親は?」

とルーナが訪ねた。

「母親は娼婦でな、その時のお客の誰かとの間に生まれたそうじゃ。だから、父親は誰も知らん。母親はワシらが村に来た頃に病で亡くなった。それで、カーメ先生が引き取られたのじゃ」

「やっぱり分からない」

リュウがそう呟いた。

「そうか……じゃが、ワシはお前がドーラのような気がしてならん」

「僕は……」

その後の言葉は出てこず、彼は小屋を出て走り去ってしまった。

「リュウくん!」

ルーナは慌ててリュウの後を追った。

「私たちも行こう」

「レイラ、二人きりにさせてやれ。お前だってリュウがねーさんに好意を抱いているのはしているだろう」

「ああ……そうだな」


それから数十分後……

リュウとルーナは近くの川辺にいた。


「リュウくん」

「僕なんかが伝説の戦士な訳がない」

「リュウくん……」

「僕はパシリで弱虫野郎なんだ」

「でも、私を2度も助けてくれたわ。私でも出せないほどの大きな炎を出したり、毒を消したり……」

「あれは、自分でもよく分からないんです」

「ねえ、リュウくん、初めて会った時の事覚えている?」

「は、はい……」

「夜の相手なら喜んで相手してもらうよ……いきなりそんなこと言うから、あの時は最低な男だと思ったわ」

「あ、あれは……」

「その後もしつこく変なことを言ってきたから、ついつい殴ってしまったのよね」

「……あの時は本当に、スイマセンでした。ルーナさんがあまりにも美人だったから」

その言葉にルーナはクスッと笑った。

「お世辞を言っても何もでないわよ」

「お世辞じゃないです。今も綺麗です。それに強くて優しいし……だから僕……その……す……」

彼は好きですと言いたかったのだが、その後の言葉は出てこなかった。

もちろん、ルーナはリュウが自分に好意を抱いているのに気づいていた。

「リュウくんだって、強くて優しくて可愛いよ」

「そ、そんな~僕なんか、ただのパシリですよ」

「そんなことないわ。一緒に旅をして、あなたの優しさや強さを知ることができたわ」

「はあ……」

「リュウくんは今までどんな女性と付き合ったのかな?」

「付き合ったことなんかないです。キスどころか手も握ったことさえないんですから」

「そうなんだ。今のリュウくんなら夜の相手をしてあげてもいいかな」

「えっ!」

「冗談よ」

「そ、そうですよね。あの時、僕みたいな悪がきに抱かれたくないわ……そう言っていましたもんね」

ルーナは微笑み、そして優しくキスをした。

「ルーナさん……」

「キスしちゃったね」

「柔らかい唇……これがキスの味何ですね」

「うん、さあ、戻りましょう」

その時リュウは大きく息を吸って、そしてこう言った。

「ぼ、僕はルーナさんが好きです。これは本気です」

ついに自分の気持ちをルーナに伝えた。

「あっ、すいません。嬉しくないですよね。僕なんかに告白されても」

「そんなことない。嬉しいわ」

「えっ!本当ですか?」

「でも今は答えが出せない。私も本気で考えたいから」

「ルーナさん。ありがとうございます」

その言葉にルーナは優しく微笑んだ。

「あっ、ねえ見てリュウくん、デバガーメの子供よ。可愛い」

デバガーメ、我々の世界のハムスターが亀の甲羅を背負っている感じの動物である。


その頃、クーロンはギゾランと共に、オウマの洞窟の中にいた。

「確かに見えない結界が張ってあるな」

「これくらいの結界なら破れると思います」

そう言って、ギゾランは呪文を唱えた。

そして、結界は解かれた。


カーワ村……


「おお~ついに愚か者たちが結界を解きおったぞ」

「本当か!じーさん」

「ただいま戻りました」

「おっ、ね~さん、リュウ、じーさんがクーロンたちによって結界が解かれたと言っている」

「ええ!」


ついに結界を解いた。クーロンたち……

後は、地面に刺さっているつるぎを抜けば、魔王が復活する。

果たしてこの先どうなるのだろうか。




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