序章 魔法世界
あなたは信じますか?
我々の世界とは別の世界を……
そこでは科学文明はそれほどでもないが、代わりに魔法文明が栄え、ある者は、自然を操ったり、またある者は、怪我を治す魔法を使ったり、我々の世界では想像上の存在である魔法文明が発達した世界があるのを……
竜王暦569年、世界は大魔王に支配されそうになった。
だが、5人の伝説の勇者たちの活躍により、大魔王を封印する事が出来た。
それから50年後……
人々は平和に暮らしていた。
だが、どんなに時代が変わろうと、悪人が消える事は無かった。
人と人が殺し合い、誰を信じていいか分からない時代になっていた。
だが、そんな時代にも正義感が強く、悪人と戦う男がいた。
名はクラハ・ガート。
そんな彼を、人はバトルソルジャーと呼んだ。
彼は数え切れぬほどの悪党と戦った。
しかし、そんな彼も病に倒れ、儚く散った。
誰もが思った。
これで真の正義の戦士は、いなくなったと……
このままでは暴力が全てになる……
そう誰もが思っていた。
だが、その彼の強い意志を継ぐものが現れた。
ガートの彼女で、名はルーナ、20歳の女性だ。
薄く茶色に染め、背中まである髪を結んで、優しく美しい顔をした女性だ。
彼女は、自分の愛した男の遺志を継ぎ、彼から教わった剣術と炎の魔法で悪党たちと戦う決意をしたのだ。
そして、不安と恐怖に怯えていた人たちに、希望と勇気を与えた。
やがて彼女もバトルソルジャーと呼ばれるようになり、彼女はバトルソルジャーの意志と名を受け継いだのだ。
愛した男を失って、悲しいはずなのに、その悲しみを胸にしまい、いつか来る平和を願って、彼女は悪人たちと戦っていた。
そして、ルーナがバトルソルジャーの意志と名を受け継いでから、2年の時が流れた。