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エピソード2-1
アニキの譲二がついに実家に転がり込んできた。さよこはさっそくアニキに色目を使っている。
正直に言うと、さよこのそんな艶めかしい視線を見たくはなかった。
それなのに、俺を見る時と全然違う。
だからもう、アニキ殺害の完全犯罪を思いついた。
「アニキさ、実は俺困っていることがあって。相談にのってくれない?」
すると、色物好きなアニキはさっそく鼻の下を伸ばすなり女か、と囁いた。
面倒くさいので、まぁそんなところと答えた。
「誰にも聞かれたくない話だから、夜になったらじいちゃんの家に行ってくれないか?」
へ? ととぼけた声を出す。
実は過去に一度だけ、ふざけてアニキを井戸に突き落としたことがある。
以来、アニキは古井戸とあの家がトラウマになっている。
「飲み屋とかでよくない?」
「いや、もう本当にヤバい話だから」
それらしく言うと、アニキはますます好色の色を濃くするのだ。
「へぇ? おまえがね。うん。ならいいよ。運転はしてくれるんだろうな?」
「もちろん」
これで、完全犯罪目前だ。
つづく