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fight marriage  作者: KAEDE
9/52

3

案内された個室に入り、真ん中より少し窓際に寄せたテーブルの壁側に、私とママとパパが座る。


そして窓側に桐生家の方たち。


「今日は無礼講で」


と、パパが言うと


「よい話になりそうでよかったですね」


と、お義父様。






間もなく、料理が運ばれソムリエによりワインの蓋が開けられた。


最初にお義父様のグラスに注がれ、それをくるくる回して香りを嗅ぎ、一口含んで


「これはこれは…モンラッシェですか…」


と、少し訝しげな顔をした。


すると、横に立っていたソムリエに


「ラ・ターシュは有りますかな?」


と言った。


「はい。御座います。お持ちいたしますので暫くお時間をお許し下さい」


と、頭を下げて部屋を出て行った。






私は内心ドキドキだった。


パパはワインの流通も手掛けている。


中でも年に2000本しか生産されないロマネ・コンティの内、毎年約100本所有する者としてワイン通の中では知らない者は居ない。


それはロマネ・コンティに限らずだ。


そのパパが今日の為に選んだのがモンラッシェだったのに、それをいとも簡単に却下した。






プライドの高い…パパは?


ママが横にいてパパの様子が分からない。






「あははっ!そうこられますか。いや、参った。今日の料理には白かと思いましたが…」


と言うパパの言葉を聞きながら桐生のお義父様を見た。


ニコニコと穏やかな笑みを浮かべながら


「今日の席には…」


と眉を上げた。


ワインに限らずお酒でも料理でも値段ではない。


好みと料理との相性。


そして気分。






お義父さまは今日の日を祝いの席とし、この話を受けたことを表したのだと思った。


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