39/52
12
別に行く宛が有るわけではない。
今は白滝との時間に耐えられなくなっただけ。
これから毎日続くこの生活。
あの女の人が来るかもなんて思っていたよりきついかも。
どんどん自分の居場所が無くなっていく気がした。
「はぁ…」
どこへ行こうかと思考を巡らす。
…椿
そうか。
椿のところならここから遠くない。
「行ってみようかな」
私はマンションの前からタクシーに乗り椿のマンションの近くの繁華街迄行った。
途中で連絡したら凄く驚いてた。
そりゃそうか。
昨日結婚した者が翌日にフラリと親友の家に遊びに行くなんて。
あり得ないことかも。
繁華街でケーキを買って数分歩くと、マンションが見えてくる。
ピンポーン
「はぁーい」
開けられた扉の向こうで満面の笑みを浮かべて迎えてくれる椿。
心の底からホッとしたし…今までどれだけ気を張っていたのかが分かる。
「ごめんね。急に」
「何言ってんの。バカだね」
「椿には本当の事ちゃんと話しておきたくて」
「何?…本当の事って」
「あの…」
「ちょっと待って!まずはじっくりと、話を聞くための準備をしなくちゃ」
そう言って、ジュースと、コップ、お皿にフォーク、お菓子も机の回りに置いた。
「さ、お待たせ。いいよ」




