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好きなように生きるのは難しい  作者: もちむぎなこ
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前世の記憶2




おじいちゃんもおばあちゃんもお母さんが亡くなって悲しかっただろうに、優しい人達だったからこんな状況を見ていられなかったのだろう




お父さんには借金しかないから、色々な手続きをしたらおじいちゃんとおばあちゃんと暮らせるようになった




お兄ちゃんとお姉ちゃんも一緒に引っ越しするのだ、幼かった私はお父さんがいなければ、お兄ちゃんもお姉ちゃんも元の優しかったときのように戻ると信じていた




お兄ちゃんは仕事をやめて通信制だが家で勉強できるようになったし、お姉ちゃんは私を盾にする必要が無くなったから…




しかし私の想像とは違った、新しい地獄が始まったのだ




おじいちゃんとおばあちゃんはお父さんのことを娘を殺した男だと恨んでいた




そしてお兄ちゃんとお姉ちゃんがお父さんと一緒になって私に暴力をふるっていたことを軽蔑していて、私だけを可愛がったのだ




お兄ちゃんとお姉ちゃんはお父さん似で、私だけがお母さんによく似ていたことも関係があったかもしれない




兄妹の中で私は完全に浮いていたのだ




おじいちゃん家は農家でおばあちゃんも畑を手伝っている為、朝はかなり早く夕方にはお風呂やごはんを済ませて寝てしまう




お父さんと住んでいたときは都会寄りに家があったが、おじいちゃんとおばあちゃんと住んでいる場所はかなりの田舎で、車がないとコンビニすら行けないような土地だ




おじいちゃんとおばあちゃんにバレないように、暇つぶしにいじめられることが増えた




おじいちゃんとおばあちゃんが畑にいるときは家の中で外から見えない場所を殴られる、家にいるときは無視されるか暴言を吐かれる、学校に行くときもお弁当や水筒に洗剤や砂利を入れられたり、私と同級生の子たちに私の悪口を言っていじめさせたりとやりたい放題だった




そして好き放題やった後必ず言うのが…




「おじいちゃんとおばあちゃんに告げ口したらどうなるかわかってるよな?


 お母さんみたいにお前のせいでストレスがたまって死ぬかもしれないぞ!


 おじいちゃんとおばあちゃんに長生きしてほしかったら絶対バレないよう  に隠すことだなっ!」




という内容で、当時の私はおじいちゃんとおばあちゃんを失いたくなくてかなり効いた言葉だった




迷惑もストレスもかけたくなくて必死に我慢し耐えた




やがて私は滅多なことで反応しなくなったからかどんどんエスカレートした




殴るだけでは反応しなくなったから髪を切られる事もあった、そのときは短くしたくてお金がもったいないから自分で切ってしまったと言い訳して誤魔化した




お姉ちゃんと一緒にクラスメイトにボコボコにされたときも階段から落ちてしまったことにした




学校でいじめられることすら日常になったときは上履きや教科書がズタズタにされたり無くなっても、買いかえてもらうことすら言い出せなくなった




誰かに助けてほしいのに、おじいちゃんとおばあちゃんに知られたくないからと心を殺したのだ




そんな生活が中学3年生まで続いた





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