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好きなように生きるのは難しい  作者: もちむぎなこ
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前世の記憶




―――――――――――――――私は前世で中本花、という名前だった




私にとってはごく普通の家庭だと思っていたのだが、小学校に通い始めてから、うちは普通ではないのだと感じていた




お父さんはギャンブル依存症で無職、家にいつも居ないけれどお金の無心をするときだけは帰ってくる




借金もあったが父方のおじいちゃんやおばあちゃんがお金を払ってくれていて生活には困らなかった。




だからこそお父さんはギャンブルを辞められなかったのかもしれない




おじいちゃんが事故で急に亡くなってからは、おばあちゃんも後を追うように病気になって亡くなった




おじいちゃんもおばあちゃんもお父さんの借金を払い続けていたからお金がほとんど残っていなくて、病院代やお葬式のお金すらギリギリで賄ったとお母さんが言っていた




私が8歳のときだった




それからだ、私の家族がどんどん壊れていったのは




今まではお母さんの稼ぎでなんとかなっていた




ただ私には兄と姉がいる、お母さんが子ども3人を食べさせていくのはかなり苦労していたはずだ




そこにお父さんの増え続ける借金で追い詰められていたのだろう




離婚の話し合いや準備をしていたが、その間も私たちを食べさせるために寝る間も惜しんで働いて、ついに過労で倒れたのだ




お母さんは入院して働けなくなった、お父さんのせいでそうなったのだから、お父さんは少しはまともになってくれるんじゃないかと思ったけど違った




お父さんは私たちのせいでお母さんが倒れてお金が無くなったんだと、暴力をふるうようになったのだ




そのせいでお兄ちゃんは高校を辞めてお母さんの代わりに働き始めた




お姉ちゃんは私をかばって暴力に耐えた




そしてある日限界が来たのだ




お母さんは死んだ




悲しみに耐えられなかったのだろう、お兄ちゃんもお姉ちゃんも私がいなかったらこんな思いしなくて済んだのにと言うようになった




お兄ちゃんは就職出来てお金を稼げるようになったけれど、私のせいで学校の友達ややりたいことを我慢してきたから返せと罵り殴った




お姉ちゃんは今まで私の代わりに殴られてきたのだから、今度は私が頑張って私の盾になれと、お父さんに殴られそうなときは進んで私を差し出すようになった




お父さんもお兄ちゃんもお姉ちゃんも私をサンドバッグのように扱った




母方のおじいちゃんとおばあちゃんは、そんな私を気にかけてくれていた




お母さんのお葬式のときに傷だらけの私を見て、親戚や顔見知りの人たちがざわついて傍観している中、私を保護して手当してくれた






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