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事前準備

 薬草師は手にした能力を使って薬草を見繕っていく、とりあえずは。

 薬を作り、召喚した国に提供していく。

 下手な事をしたら何をされるか分からないからだ。

 まずは出来る範囲でやれる事をしていく。

 それがどんな小さな事でもだ。



 幸い、薬草師という事で外出の機会は多い。

 効果のある薬草を手に入れるには、どうしても外に出なければいけない。

 そうやって、効能のある薬草を集めなければならない。



 薬草の中には特定の場所にしか生えないものもある。

 種を持ち帰って栽培できれば良いが、それが出来ないものもある。

 そういったものを手に入れるには、どうしても外に出なければならない。

 なので、行動の自由はそれなりにあった。薬草採取のためならば。

 護衛を兼ねた監視もついてきたが。



 ただ、彼の能力を使えば、薬草を持ち帰って栽培する事も出来る。

 薬草師の能力を用いれば可能だ。

 だが、彼はそれを伝えたりしなかった。

 外にでる機会を減らす事になるからだ。

 栽培が出来るのなら、わざわざ外にでる必要もなくなる。

 種を持ち帰って栽培すれば良くなる。

 それでは脱出の機会を得る事が出来なくなる。



 そんな薬草採取をしながら、手元に出来るだけ多くの薬草を確保していく。

 これしか出来ない彼にとって、これが唯一の対抗手段になるからだ。



 その薬草を使って反撃に出る。

 まずは放り込まれた施設の中で行動していく。

 調合して毒物としての効果を持たせた薬草を施設内に振りまいていく。

 粉末状にしたそれは、振りかけるだけで効果を発揮してくれる。

 薬草師の能力で効果をはね上げてるのも大きい。

 ほんの一息吸い込むだけで、ほとんどの者達はその場に倒れ伏して絶命していく。



 施設内にいるあらゆる者達を倒していく。

 異世界の現地の者達から、地球から来た召喚された者達まで。

 いずれも薬草師の彼に辛くあたった連中である。

 生かしておく理由は無い。

 そうでなくても、通報されるのはまずい。

 目撃者になりうる全てを処分しておかねばならなかった。



 その中には、既に述べたように同じ世界から来た者達も含まれている。

 それらも薬草師の彼を虐げていた者達だ。

 倒すのに躊躇いは無い。

 生かしておく理由が全くなかった。



 良心は全くいたまなかった。

 むしろ、良心に従ってさっさと処分していった。

 人を平気で虐げる事ができる悪辣な人間なのだ。

 生かしておくほうが世の中の為にならない。

 それこそ良心を損なう事になる。



 施設内の連中をまとめて処分していく。

 追跡する者が消えて安全を確保して外にでる。

 ささやかな開放感を感じた。



 それから山の中にこもり、薬草を集めていく。

 どこに何があるのかは把握している。

 それらを集めながら更に山の中に踏み込んでいく。

 誰も入り込まないほどの奥地へ。



 そこで薬草の栽培を始める。

 薬草師の能力で、植えた種や株がすぐに成長していく。

 花を咲かせ実を付けて種を作る。

 それを短期間で何十回も繰り返す。

 一ヶ月もしないうちに、薬草師の彼の周辺は薬効のある植物で埋まった。



 そうした薬草で食いつなぐ。

 薬としての効能もあるが、食糧として普通に用いられるものもある。

 それらが飢えを回避させた。



 生み出した薬草の森は拡大を続けていく。

 山間の窪地全てが薬効のある植物で埋め尽くされる。

 そうなってから薬草師の彼は行動を始めた。

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