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熾天使さんは傍観者  作者: 位名月
境界に立つ
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修学旅行2日目:予定変更

 唐突な予定変更の知らせに生徒達はザワザワと近くの生徒と顔を見合わせながら話し出す。


 「変わる?アオ、昨日の班長会議でそんなこと言われたのか?」


 「いや、僕も今初めて聞いたけど…」


 「みんな静かに〜!」


 先生の声で僕らも含めて生徒達は静まり返る。僕らが黙ったのを確認してから先生は一斉送信でお知らせを送ってくる。目の前に表示された画面には予定変更のお知らせという文字が一番に目に入ってくる。


 「今みんなに送ったのにも書いてあるけど、今日の予定にあった神様の歴史博物館ですが元々の予定とは少し変わることになりました!」


 お知らせを確認すれば元々の予定の神様の歴史博物館の予定が少し削られていて、別の予定が入っていた。


 「土御門(つちみかど)様の訪問…?」


 「お知らせに書いてあるとおり、神様の歴史博物館の見学中に土御門様が訪問されることになりました!土御門様は神様に直接関わることを許された数少ない人間の一人です!とても優しい人だけどみんな失礼のないようにしてくださ〜い!」


 「「「は〜い」」」


 …返事をしたはいいものの、みんな土御門様が一体誰なのかよくわかっていない様子だ。僕も自由行動で神様の足跡を辿るために調べていなかったらわからなかった。


 僕が調べた中で少しだけ出てきた土御門様の情報は、神様に近くにいることを許されて幼い頃から神様に奉仕していたというものだった。人として神様の意思を伝える役割や、神様の代行としてのお役目を果たしてきた人らしい。


 それからは昨日の夜に聞いたような連絡事項を伝えられて元の予定通り初めに神歴史博物館へと向かうことになった。


 「それじゃあこの後バスに乗って神様の歴史博物館に向かいま〜す!」


 それぞれバスに乗り込み、静かに進み出すバスに揺られながら目的地に向かい始めた。バスの中でケンに聞かれて土御門様の説明をしたり、お菓子を食べたり昨日の自由行動の話をしているとゆっくりとバスが停車する。


 「お?もう着いたのか?」


 「いや、その前に休憩だって」


 道中の道の駅に寄って30分の休憩が挟まる。それぞれトイレに行ったりお土産屋さんを見に行ったりしていた。


 …そういえば、ゆずってトイレどうしてるんだろう?


 「僕はトイレに行って来るけど、ゆずは大丈夫?」


 「にゃ?」


 「…とりあえず行こうか?」


 流石にトイレに猫を連れて行くのもなぁと思いながらも、ゆずが離れる様子がないので一緒にトイレに向かう。


 トイレの前に来たはいいものの、やっぱりゆずは離れる様子がなかった。どうしたものかと僕が立ちすくしていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。


 「すみません、そこの方」


 「?」


 声のした方を振り返ると、昨日神様の住居の近くでしおりのことを教えてくれた老紳士が立っていた。


 「あっ!昨日の…色々と教えていただいてありがとうございました!」


 「いえいえ、大したことはしていませんので…ところで、何かお困りの様子でしたがどうされました?」


 「あぁ、えっと…この子、ゆずって言うんですけど。離れてくれなくて、その…」


 昨日会ったばかりの人にトイレに行きたくても行けないとは言いずらく、トイレに視線を向けながら言い淀んでいると流石に老紳士も気づいたようだった。


 「なるほど、それなら少しの間私が預かっておきましょうか?」


 「本当ですか!?あ、でも…ゆず?ちょっとこの人と一緒に待っててくれる?」


 老紳士の申し出はすごくありがたかったけど、僕と零君以外に体を触らせているのを見たことがないゆずが昨日会っただけのこの人と一緒にいてくれるか…。ゆずが嫌がったら親切で言ってくれたこの人にも申し訳ないなぁと思っていると、僕の予想に反してゆずはあっさりと僕の肩の上から降りた。


 「ゆずさん…でしたか?少しの間私と待っていましょうか」


 「…にゃ」


 「わ、すごい…この子僕以外に全然近づかないんですけど、大丈夫そうですね」


 「えぇ、偶然気に入って頂けたみたいですね」


 「それじゃあ申し訳ないですけど、少しゆずをよろしくお願いします!」


 「はい、任せてください。…おや?そっちは違!」


 老紳士にお礼だけ言ってトイレに駆け込む。…正直朝からずっと我慢してたんだよね。トイレに入る前に老紳士が何か言っていたような気がしたけど、よく聞き取れなかった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 「そっちは違いますよ!…行ってしまわれましたね」


 「にゃ」


 「え…?男性?なんと、私の勘違いだったとは」


 「にゃにゃ」


 「ははは、情けない。…ところで、これからどうなさるおつもりで?」


 「にゃ」


 「…何か事情がおありのようですので多くは申し上げませんが、出来るだけお早めに戻って頂けると助かります」


 「…にゃ」


 「(ゆずりは)様にはお話がついたのでなんとかなりますが…それでもあなたがいなくてはどうにもならないこともありますから」


 「にゃ〜」


 「…今更猫のフリなんてしないでください」


歌いたい衝動が溢れている。


閲覧、ブックマーク、評価やいいねして頂けた方、誠にありがとうございます。

感想も励みになっています。誤字報告も助かります。


作者プロフィールにあるTwitterから次話投稿したタイミングでツイートしているので気が向いたらどうぞ…

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