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熾天使さんは傍観者  作者: 位名月
境界に立つ
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修学旅行1日目:自由行動終了

昨日の分はさっき投稿したので今日の分です。

 声をかけてきたいかにも紳士といった風貌の男性。その男性は僕らが戸惑っているのを見ると、笑いながら会釈をして話を続ける。


 「すみません、少し会話が聞こえたもので。何かお困りの様子だったので声をかけてしまいました。…それに」


 「にゃ?」


 「可愛らしい猫を連れていたので目に入ってしまって」


 優しく笑うその表情は、この男性をよく知らない僕らから見ても悪い人じゃないんだろうと思えるような笑みだった。


 「そうでしたか、えっと…このしおり?ってものがなんなのかって話をしてたんです」


 「なるほど、しおりですか!確かに普通は見ないものですね」


 「ご存じなんですか?」


 「えぇ、仕事柄使う機会があるので偶然知っていました」


 そう言って笑う男性は、片手に持っていたカバンから古めかしい一冊の紙の本を取り出した。その本には僕らが手に持っているしおりとよく似たものが挟まっていた。


 「…本に挟んで使うものなんですか?」


 「おや、紙の本を見たことがあるんですか?」


 「はい、たまたま子供の頃に紙の本が家にあって。それから好きで紙の本を集めているんです」


 「それは良いですね。紙はナノマシンが普及してからほぼ使われなくなりましたが、紙独特の良さはあるものです」


 「わかります!僕も匂いというか質感というか…なんとなく紙の本が好きなんです!」


 今までこの感情を理解してくれる人が周りにいなかったから、少し興奮して話してしまっていた僕を男性は微笑ましそうに見ていた。


 「あ、すいません…話しすぎましたね。えっと、それでこのしおりっていうのは?」


 「あぁそうでしたね。まぁ見ての通りなのですが、こうして本に挟んで読んでいたところがわかるようにするものなんです」


 「なるほど!確かにあったら便利ですね!」


 「えぇ、私もよくどこまで読んだか忘れてしまうので愛用していますよ」


 そう言って男性が取り出して見せてくれたしおりは、僕らが持っているものとは違って紙のような布のような素材のものだった。…確か、和紙って言うんだっけ?


 「教えていただいてありがとうございました!」


 「いえいえ、大したことはしていませんから。…ところで、京都には修学旅行で?」


 「はい、今日が初日で自由行動なんです」


 「…その猫はご実家から?」


 そう言って男性は不思議そうに僕の肩のゆずに目を向ける。それもそうだ、修学旅行で猫を連れているのなんて普通はおかしいもの。


 「あ、この子はさっき神様の住居に行った時に会った子で…何故か懐かれてしまって離れないので連れて行ってるんです」


 「…そうなんですか、学校の方には伝えてあるのでしょうか?もし伝えていないのでしたら私の方で学校の方に連絡しますが」


 「…?」


 脈絡のないようなそんな提案をしてくる男性は、先ほどまでの優しそうな表情とは違って真剣な顔つきだった。なんでこの人がこんなことを言って来るかはわからないけど、悪い人ではなさそうだし不思議と正直に話そうと口が動いていた。


 「大丈夫です。僕もよくわからないんですけど、神様の住居で神様の眷属さんが学校の先生には話を通してくれたみたいなんです」


 「おや?そうでしたか、余計なおせっかいだったようですね」


 「いえ、そんなことないですよ!」


 僕の返事を聞いた男性はまた優しい笑顔を浮かべて、あまり邪魔をしては悪いからとこの場を離れようとする。


 「それでは、京都を楽しんでいってください。縁があればまた会えるでしょう」


 「はい!ありがとうございました!」


 「その猫、大事にしてあげてくださいね」


 それだけ言って、老紳士は小さく頭を下げて店を出ていった。老紳士が店を出ていくのを確認して、いつの間にか存在感が消えていた零君が口を開く。


 「す、すごいね葵君。ボク初対面の人とあんなに喋れないよ…」


 「あはは…僕はある程度慣れてるからじゃないかな?」


 「それでもすごいよ…そ、それにしてもさっきの人いい人だったね?」


 「うん、しおりのこともわかったしすごい助かったね」


 そうして僕はよく紙の本を読むこともありしおりを購入して、零君も記念にと購入してまたそれぞれお土産を買い漁った。


 「みんな結構買ったね?」


 「あぁ、俺は兄弟が多いからなぁ」


 「そういえばケンは弟多いんだっけ?」


 「行く前もお土産買ってこいってうるさかったぜ…」


 「あはは!そういえば今日ホテルに戻ったらもう家に送れるんだっけ?」


 先に僕らの荷物を届けてくれた様なサービスで、こっちで買ったお土産もそれぞれ家に届けてくれるように学校が用意してくれているらしい。


 「おう、そんじゃホテル戻るか!」


 「そうだね、みんなも大丈夫かな?」


 みんなもそれぞれお土産の買い忘れがないことを確認して、みんなの撮った写真を確認してチャットグループに共有しながらホテルに戻って自由行動は終わっていった。


始め体調悪いの花粉症のせいかと思いましたけど全然頭痛いし吐き気あるしだめだこりゃってなりました。


閲覧、ブックマーク、評価やいいねして頂けた方、誠にありがとうございます。

感想も励みになっています。誤字報告も助かります。


作者プロフィールにあるTwitterから次話投稿したタイミングでツイートしているので気が向いたらどうぞ…

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