表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
熾天使さんは傍観者  作者: 位名月
英雄の誕生
29/139

幼稚園入園

遅くなりました。これには深い訳が…。(カフェオレぶちまけて掃除してただけ)

 検査が終わり、しばらく平和な日常を過ごして葵も大きくなっていった。葵が大きくなっていくにつれて仮想体のなり損ないの悪霊もどきも近寄ってこなくなってきて、葵の異能力量も成長につれて大きくなるだけになってきた。


 検査後は両親が異能の暴発を心配しなくて良くなったおかげか、頻繁(ひんぱん)に公園に行って同世代の子たちとの触れ合いも増えていった。葵はそこそこ人見知りをする方だったようで、自分から友達を作りにいけていなかったけれど、幼いながら中性的な美貌(びぼう)が人を惹き寄せて自然と周りには人が集まっていた。


 『葵くん!いこ〜!』


 『わ…!ルナちゃんまってよ…!』


 活発な印象を受ける少女が葵の手を引いて駆け出す。葵はされるがままに引っ張られて行く。葵がルナちゃんと呼んだ子は、公園で仲良くなってからよく一緒に遊ぶようになった女の子で西園(にしぞの)流奈(るな)ちゃんという子だ。


 『ルナ!今日は入園式なんだから、転ばないようにしなさいよ〜!』


 『ふふふ、元気いっぱいですねぇ』


 少し遅れて二人の母も歩いてきている。ルナちゃんのお母さんが言っていた通り、今日は入園式なのだ。葵もルナちゃんも、真新しい幼稚園の制服に身を包んで浮き足立っている様子だった。


 『はやくはやく〜!…あっ!』


 ルナちゃんのお母さんの心配の通り、葵と手を繋いではしゃいでいたルナちゃんは足をもつれさせてしまう。


 『ルナちゃん!』


 躓いて葵の手を離してしまったルナちゃんにいち早く反応した葵は、すぐにその手を掴んで引き寄せる。腕を引きながら腰に手を添えて支えた結果、至近距離で見つめ合うことになり、ルナちゃんは間近にある葵の真剣な顔に見惚れて頬を赤らめる。


 『ルナちゃん、だいじょうぶ?』


 『う…うん。葵くん、ありがとう…』


 転びそうになったルナちゃんを見て、少し離れていた母たちが小走りで近寄ってくる。駆け寄ってきた母親に気づいて恥ずかしそうにしながら葵から離れるルナちゃん。


 『もう!だから転ばないようにって言ったじゃない!』


 『ごめんなさい…』


 ルナちゃんはお母さんに怒られてすっかりしょげてしまっている。そんなルナちゃんを見かねてか、葵はルナちゃんに手を差し伸べながら声をかける。


 『ルナちゃん、こんどはいっしょにゆっくりいこ?』


 『う…うん』


 すっかり真っ赤なリンゴのようになったルナちゃんは、葵としっかり手を繋ぎながら歩いていく。そんな二人を見て二人の母は笑い合っている。


 『ふふふ、ルナちゃん可愛らしいですね?』


 『アハハ、おてんばで恥ずかしいですけど…』


 『とっても元気でいいじゃないですか?』


 母達が見守る中二人が手を繋いで歩いていくと、少し先に幼稚園が見えてくる。ルナちゃんは目的地が近づいてきて、名残惜しそうに葵と繋いだ手を見つめる。


 『わたし、葵くんとおんなじクラスがいいなぁ…』


 『そうだね、ぼくもルナちゃんといっしょだとうれしいな』


 爽やかに笑いかける葵にさらに顔を真っ赤に染めるルナちゃん。葵ったら罪な男なんだから…。


 そうこうしているうちに幼稚園に到着して、全員で入園式の会場に向かう。受付を済ませると、生徒と保護者が別の席に案内される。


 『名前を呼ばれたら元気にお返事するのよ?』


 『うん!』


 『葵も頑張っていってらっしゃい』


 『うん、いってきます』


 それぞれ母とお別れをして自分の席に向かっていくが、ルナちゃんは少し不安そうに葵についていく。不思議と葵は落ち着いていて、中性的で美しい外見も相待って年相応な周りの子達の中ではかなり浮いている。


 席について少しすれば入園式が始まり、僕からしたら眠くなってくるような大人達の挨拶があり、それが終われば点呼が始まる。余裕のあった葵はもちろん、緊張していたルナちゃんも元気な返事をして入園式は無事終わった。


 そしてクラス分けの発表があり…


 『やったー!葵くん、おんなじクラスだよ!』


 『そうだね、これからよろしくね』


 嬉しそうにはしゃぐルナちゃんに優しく微笑みかける葵に、またノックアウトされたルナちゃんは顔を真っ赤に染める。そうして二人仲良く手を繋いでクラスに向かい、はじめの簡単な挨拶をして初日は解散となった。


 帰り道では興奮の冷め切らないルナちゃんが『また明日ねー!』と元気に手を振ってくるのを見送って、葵と母も家路に着く。


 『葵、今日は楽しかった?』


 『うん、ルナちゃんもいっしょだったしたのしかったよ』


 そう答えた葵に、『それは良かった』と優しく笑いかける母。そうして家に帰り、父にも写真や動画を見せながら入園式の報告をして眠りにつく。


  そうして両親も葵も眠りにつき、僕がいつものように精神空間で読書をしていると、眠っている葵の視界に何かが映る。


 …なんだ?とりあえず葵を起こさないように僕が出るか。


 そうして精神交換して目を開けると、一条先生からのメッセージが表示されていた。


 「(セラスクン、入園おめでとう!何かあったらお姉さんに頼っていいんだヨ!)」


 …やかましいわ。


 面倒なことに、一条先生は検査の後から葵が寝ているであろう時間帯を狙って頻繁に連絡してきている。基本適当にあしらっているのだけど、おそらく両親から幼稚園に入園したことを聞いてお祝いをしてくれたんだろうから一応返しておくか…。


 「わざわざありがとうございます、っと」


 返信して一分も経たないうちにさらに一条先生から返信が来る。


 「(冷たいネ?!今度検査にきた時は入園祝いにイイモノを用意してるからネ!楽しみにしておいてヨ!)」


 「……どうも、っと」


 よし、寝よ。こうして入園式の日は何事もなく終わったのだった。


Tips:すでに葵君ちゃんにメロメロのルナちゃん


前回に引き続き閲覧、ブックマークして頂けた方、誠にありがとうございます。

また、評価やいいねをつけて頂いた方も本当にありがとうございます。


作者プロフィールにあるTwitterから次話投稿したタイミングでツイートしているので気が向いたらどうぞ…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] コレってどこかに履歴残ったりしてないだろうか? 後々「知らない会話だ」ってならないか心配や
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ