はじめての検査-1
お金がない!!!!(切実)
『では、検査はこの部屋です』
そうして綾香ちゃんさんに連れられてきた部屋に全員で入っていく。中は病院の診察室のような内装だけど、見たことのない装置などが乱雑に置かれている。
『じゃあ先生を呼んできますね』
『ああ、頼んだ』
綾香ちゃんさんは部屋の奥側についた扉に入っていく。扉が開いた時に、一瞬大きめの装置がいくつもある部屋が見える。両親の雑談を聞きながら少し待っていると、奥の扉が開き綾香ちゃんさんとボサボサのロングヘアーにメガネでほぼ目が見えなくなっている白衣の女性が入ってくる。
『いや〜すまない待たせたネ、暁最強の夫婦を待たせるとはこの私一生の不覚だヨ』
『お世辞はよしてください一条先生、今日はよろしくお願いします』
父に一条先生と呼ばれた女性は、妙に軽薄な口調の中に知性を感じさせる不思議な雰囲気の方だった。一条先生は『またまた謙遜しちゃっテ』と軽く笑うと、葵と蒼に気づいて近寄って目線を合わせてくる。
『君が葵クンで、こっちが蒼クンかナ?私はしがない研究者をしている一条という者だヨ。今日はよろしくネ』
『…よぉちくおねがいちます』『…グゥ』
葵は恐る恐るといった様子ながら興味津々で、蒼は匂いが気になるのか若干顔を顰めている。一条先生もそれに気づいたようで頭をボリボリ掻きながら笑い飛ばす。
『すまないネ蒼くん、抱えていた研究が先程落ち着いたところでネ。風呂に入っている暇がなかったんダ』
『すいません、お忙しいところだったようで』
『まぁ私が風呂が嫌いというのもあるがネ!ハハハ!』
そう言って笑う一条先生に両親は呆れながら乾いた笑いを漏らす。綾香ちゃんさんは呆れ返ったような表情をしながら大きなため息をつく。
『お忙しいのはわかりますけど、せめて3日に1回はお風呂に入ってください。他の方からの苦情で、お風呂に入れさせるためだけに転移を使わされる私の身にもなってください!』
『ハハハ!いつもすまないネー』
『絶対すまないと思ってないですよね…?』
疑う綾香ちゃんさんを気にもかけずに、一条先生は僕らの方に向き直る。
『さて、早速蒼クンの検査を始めよウ!今日は葵クンの検査もあるしどんどん行こうネ』
『『よろしくお願いします』』
『じゃあ細かい説明とかは移動しながらするネ』
そう言うと一条先生は先程自分が入ってきた扉を開けて中に入っていく。迷いない足取りで進んでいく一条先生に連れられて行くと、僕の生前に見たことのあるような装置や全く見たことのないような装置が並んでいる。そんな中を歩きながら一条先生は、葵と蒼に視線を向けながら話し始める。
『今日やる検査はネー?簡単に言うと葵クンと蒼クンがどんな力を持っているのかを調べるんダ』
そうして僕らに向けて話しながら、道の途中にある物を拾ったり投げて棚の収納スペースにホールインワンさせたりしている。
『お、ラッキーだネ。検査の順を追って話すと、まずおおまかにどれぐらいの大きさの力を持っているのか調べるんダ。そして、その力の種類と回路の安定性を調べるんダ』
やがて一つの装置の前で止まった一条先生は、口は一切止めずに装置についた端末に何か差し込んだり打ち込んだりして操作している。
『これで何がわかるかという話をするとネ?その者が持つ異能の安定性や出力の限界、成長性をなんとなく測ることができるんダ』
『ご夫婦は既に何度も検査を受けてるから分かりきっているだろうけど、自分が何をされるのか本人に説明するのが私のポリシーでネ』
そう言った一条先生は装置のセットアップが終わったようで、葵と蒼に向き直ってにっこりと笑いかける。
『さて、この装置でやるのはさっき言った君達の力の大きさを測る検査だヨ。チョット体に色々貼らせてもらうけど、このベッドで横になってもらうだけでいいからネ』
そう言った一条先生は、道中で拾っていた箱からコードのついた何かをいくつも取り出していた。
『体に危険はないからネ!安心していいヨ!』
なぜか急に胡散臭さを出してきた一条先生に、両親は一瞬笑ってしまいながら頭を下げる。
『一条先生、よろしくお願いします』
『任せておいてヨ!自分で言うのもなんだけど、異能の研究で私の右に出るものはいないからネ!』
胸を張って自信満々でそう言った一条先生は、小さく『暁の中だとネ』と付け加えて笑った。
Tips:才能もチートなら生まれた環境もチートの葵くんちゃん
大変申し訳ないのですが、明日は日帰りの仕事があるので余裕があったらの更新になります。
小説だけ書いてお金稼げたらいいんですけどね(無謀)
前回に引き続き閲覧、ブックマークして頂けた方、誠にありがとうございます。
また、評価やいいねをつけて頂いた方も本当にありがとうございます。
作者プロフィールにあるTwitterから次話投稿したタイミングでツイートしているので気が向いたらどうぞ…。




