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熾天使さんは傍観者  作者: 位名月
英雄の誕生
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訓練見学終了

そういえばログインしていなくても感想書けるようにしておきました。

 父が自制心を取り戻した後も訓練は数回続いて、たっぷり2時間ほど訓練したところで終了した。葵は、その間ずっと目を輝かせて父達の訓練に見入っていた。


 『葵くん、訓練に夢中でしたね』


 『…そうね』


 綾香ちゃんさんの言葉にそう返した母の表情は、決して明るいとは言えない表情をしていた。しかしそれも一瞬で、すぐに明るい表情になった母は葵に声をかける。


 『葵、パパかっこよかった?』


 『うん!かっこいい!』


 訓練が終わっても興奮が冷めない様子の葵を見て、母も綾香ちゃんさんも笑顔を浮かべている。そんな会話をしていると、装備を片付けて汗も流してさっぱりした父がエレベーターから降りてくる。


 『すまない、待たせた』


 『いえ、葵とお話していたので大丈夫ですよ』


 装備は外しても制服を纏って現れた父に、葵は今までにない憧れのような感情のこもった視線を向ける。すぐにそれに気づいた父は、恥ずかしそうに葵の頭に手を置く。


 『大丈夫か葵、怖くなかったか?』


 『ん!パパかっこいい!』


 少し不安も入り混じった表情で問いかけてくる父に、葵は勢いよく頭を振って答える。


 『…そうか』


 葵の返答に短く返答する父だが、息子からの憧れの感情に対して嬉しそうな表情を隠せずに口角が上がっている。それに気づいた母も、笑いを堪えられずに声を出してしまう。


 『…ふふっ』


 『む…さて、そろそろ次に…』


 『せっかくかわいい息子に褒められたんですから、照れなくてもいいじゃないですか?』


 『…むぅ』


 一瞬で二人の世界を広げ始める両親に、葵も綾香ちゃんさんも置いて行かれている。まぁ、ポカンとした表情の葵に対して、綾香ちゃんさんは口の中いっぱいに砂糖を詰め込まれたような表情をしているのだが。


 『先輩方〜?いちゃつくのもいいですけど、そろそろ検査のお時間ですよ〜?』


 その声で現実に引き戻された両親は、恥ずかしいような気まずいような微妙な表情を浮かべる。


 『そうだな、検査に向かおうか』


 『ぇ、ええ…綾香ちゃん、検査はとりあえず何階に行けばいいのかしら?』


 『…最初の検査は2階ですね〜』


 両親は、ジト目で見つめてくる綾香ちゃんさんから視線を逸らしながらエレベーターに乗り込んで検査会場に向かう。


 『『『………』』』


 エレベーターの中は若干気まずい空気が流れていたが、すぐに目的の2階に到着する。到着した階の表示には、仮想体研究室と書かれていた。


 もしかして、蒼の検査をするのかな?今までそこそこ長い時間蒼と暮らしてきて一度もそういう検査とかはなかったけど、蒼は基本葵から離れようとしないから葵がある程度成長するまで待っていたのかもしれない。


 エレベーターが開いて、研究室のような階で検査をする部屋へ向かう途中で父が口を開く。


 『蒼、これから君の検査をするが悪いものではない。大人しくしていてもらえるとありがたい』


 『…グゥ』


 蒼は一瞬葵に視線を向けると、父に向き直って了承の意を伝えるように短く鳴く。それを見た母が葵に声をかける。


 『葵?蒼の検査が終わったら、葵も検査をするからね?』


 『けんさ?』


 『そうよ、怖いことじゃないから安心してね?』


 『うん!』


 あぁ、やっぱり葵も検査するんだ…。大丈夫か?僕の存在が発覚したらちょっと面倒だぞ…?


 そんな一抹の不安を覚えながらも、ひとまず蒼の検査をするであろう部屋の前に到着していた。


Tips:ママも普通に強い方。


次話から検査回です。


前回に引き続き閲覧、ブックマークして頂けた方、誠にありがとうございます。

また、評価やいいねをつけて頂いた方も本当にありがとうございます。


作者プロフィールにあるTwitterから次話投稿したタイミングでツイートしているので気が向いたらどうぞ…。

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