表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
熾天使さんは傍観者  作者: 位名月
ふたりの異能
129/139

熾天使さんの力の使い方-1

 セラスさんの言った、セラスさんの力を使えるように訓練してもらうという言葉。セラスさんの力と言っても…僕が知っているセラスさんの能力は、さっきの物を操るような能力や爆発を起こしていた能力や、物を作り出したりといろんな力を使っていた記憶があるんだけど。


 「…セラスさんの、力?」


 「あぁ、僕の力って言っても異能を覚えてもらうみたいな話じゃあないよ?」


 「え?そうなんですか?」


 セラスさんのよくわからない力の正体が知れるのかと思って少し期待したんだけど…。


 「僕の力、というか僕の"力の使い方"を覚えてもらうんだ」


 「使い方ですか?今も普通に異能は使ってますけど…そういう話じゃないんですか?」


 てっきりセラスさんは僕の中にいるんだから僕もセラスさんの異能が使えますみたいな話だと思ったんだけど…どうやら違うらしい。


 「そもそも僕って葵と違って異能を使ってるわけじゃないからね」


 「え?そうなんですか?」


 じゃあセラスさんは身体強化も前に鎌を作ってたのも、夢の中で使っていた力も全部異能じゃないのか?


 「じゃあそもそも皆どうやって異能を使っているかはわかるかな?」


 「えっと…」


 昔一条先生が教えてくれていた気がするな。確か…



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 「葵クン、異能がどうやって発動してるか知ってるかナ?」


 「異能が発動する仕組みですか?」


 なんだろう?師匠の『鎖』とか、僕の『過剰出力(オーバースペック)』とかお母さんの『結界師』とか色々あるけど…。


 「僕の異能で言ったら…えっと…」


 あれ?改めてどうやって使っているかと聞かれるとあんまり意識してないな…?


 「あぁ、葵クンの異能だとチョット分かりづらいかナ?」


 僕の『過剰出力』だと分かりづらいってなると…あぁ、そういうことか。


 「自分の異能力で何かしてるってことですか?」


 「ソウソウ、異能は自分の異能力を使って自然に存在する異能力に干渉することで発動してるんダ」


 「自然に存在する異能力ですか?」


 「その通りだヨ。葵クンの『過剰出力』が自分で使った異能力以上の出力が出せるのは、自然の異能力を使ってるからなんだよネ」


 「なるほど…それなら師匠の『鎖』とかお母さんの『結界師』みたいな異能も同じ仕組みなんですか?」


 「擬似的な物体を作り出す異能についても実は仕組みは変わらないんだヨ。本人の異能力で自然にある異能力の形を変えているってことだからネ」


 「なるほど…結果は別でも仕組みは同じなんですね」


 「その通りダヨ!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 「自分の中の異能力で自然にある異能力に干渉して発動する…でよかったですかね?」


 一条先生との会話を思い出してセラスさんの質問に答える。僕の答えにセラスさんは笑顔で頷いて肯定する。


 「簡単に言えば、自分の中から見えない手を出して異能力を押し出したり固めたりして使ってる訳だね」


 あぁ…ちょっと気持ち悪いけどイメージはしやすいな。でもそれとセラスさんの力の使い方っていうのとどう関係するんだろう?僕のそんな疑問を見透かしたようにセラスさんは口を開く。


 「さて、じゃあ体を共有している僕たちが出来ることに差があるのはなんででしょう?」


 「…?」


 それは…僕とセラスさんで異能が違うからとかじゃないのか?セラスさんの体の時は異能力量も身体能力もかなり違うんだし、当然と言えば当然だと思うけど…でもわざわざ引き合いに出すってことは何か理由があるんだろう。


 …って言ってもセラスさんがどういう仕組みで僕の体の中にいるのか、とかどうやって体を交換しているのか、とかわからないことばかりなのに何も言えないんだけど。


 「まぁわからなくて当然だよ。正解を言っちゃうとね、僕は自分の異能力なんて使ってないんだよ」


 「異能力を使ってない?でも…」


 セラスさんの体で過ごしていた時も、体の中に普段よりも大量の異能力が渦巻いているのを感じていたし…何より前に窮鼠を倒していた時に作っていた鎌や、瞬間移動は異能力を使ったものじゃないのか?


 そんな僕の困惑が伝わったのか、セラスさんは苦笑を浮かべていた。


 「まぁ長々と説明してもイマイチ理解しづらいだろうし、少し体験してもらおうか」


 「はぁ…分かりました?」


 …一体何をされるんだろう?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ