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ダブり集

箕輪まどかの霊感推理 男子トイレの怪

作者: りったん
掲載日:2009/12/04

 私は箕輪まどか。


 いつもいつも同じ自己紹介でうんざりだけど、美少女霊能者だ。


 この前の変態転校生の事件がきっかけで、別れたはずの牧野君とまた付き合うようになって一週間。


 彼はすっかり彼氏気取りで私に話しかける。


「み、箕輪さん、おはよう。今日も可愛いね」


 え? 脅して言わせてるんだろうって? そんな事してないわよ。


「ありがとう、マッキー。今日もかっこいいわよん」


「へへへ」


 私が心にもないお世辞を言うと、牧野君はニヤニヤした。


 そんなうわべだけラブラブな私達に声をかけて来た無礼者がいた。


「おい、箕輪。ちょっと来てくれよ」


 そう言って私達の朝の楽しい会話を妨げたのは、クラス一の巨漢、力丸りきまる卓司たくし君だ。


 多分、体重は私の四倍くらいある。


 え? だったら二百キロですって? 怒るわよ、本当に!


「何よ、リッキー。何の用?」


 力丸君は美少女である私に見つめられて照れているようだ。

 

 きっと声をかけるのも一大決心だったに違いない。


「と、とにかく来てくれよ」


 彼は私のか細い腕を掴むと、教室から連れ出した。牧野君は呆然としてそれを只見ていた。


 後で説教してあげないと!


「痛いから放してよ。どこに行くの?」


「トイレ」


「バカ、勝手に行きなさいよ!」


 私は彼の手を振り払って怒鳴った。すると力丸君は泣きそうな顔で、


「頼むよ。トイレに幽霊が出るんだ。お前の力で、追い払ってくれよう」


と手を合わせて来た。私は仏様じゃないぞ! 


「仕方ないわね」


 幽霊と聞いては、美少女霊能者として見て見ぬフリはできない。


 あ。


「ちょ、ちょ、でもそれって男子トイレでしょ? 嫌よ、そんなところに行くの」


 私は花も恥らう乙女なのだ。何てとこに連れて行くつもりなのよ!


「大丈夫だよ、今は誰もいないから。それに幽霊の噂が広まって、みんな一階のトイレに行ってるし」


「だったら貴方もそうしなさいよ。はい、解決」


 帰ろうとする私の服の襟首を力丸君が掴む。


「待ってくれよ。俺、しょんべんが近いから、一階までもたないんだ。頼むよ」


「紙おむつでも履きなさい!」


 私はそれでも冷たく突き放した。力丸君は涙を流した。


 ええええ? ちょっと、まるで私がいじめてるみたいじゃない。


 人が集まって来ちゃったわ。


「わ、わかったから、泣かないで」


「あ、ありがとう」


 私はいやいやながら、男子トイレに足を踏み入れた。


 おお。これが噂の「小便器」か。


 あ、いやいや、そんな事はどうでもいい。


「どこよ?」


 力丸君に尋ねる。彼はビビッて入って来られず、入口から顔だけ覗かせて、


「一番奥の個室だよ」


 うわあ。定番ね。トイレの○子さんか?


 でもこのトイレ、どこからも霊の気配を感じないわ。


 どういう事? 騙された? でも力丸君の怯えよう、嘘とは思えない。


 もしかして。


 私は個室のドアを開き、中を調べた。


 汚い。ちゃんと掃除してるのか、男子! ま、幽霊にビビッてそれどころじゃないか。


 顔を近づけるのが嫌だったが、ここしかないと思い、私は便器の下を覗いた。


 あった。お札だ。これ、陰陽師が使う奴ね。


 こいつで声を伝えて、男子をビビらせていた訳ね。


「インダラヤソワカ」


 私は小さい雷撃でそのお札を燃やした。


 これで幽霊騒ぎは一件落着。


「終わったわよ、力丸君」


「あ、ありがとう、箕輪。明日、家からコロッケいっぱい持って来るから」


「ははは、そう」


 私は苦笑いした。彼の家、精肉店だったっけ。


 


 また蘭子お姉さんに連絡しないと。あいつら、まだ懲りていないみたい。


 でも、蘭子お姉さんを呼ぶと、エロ兄貴が私をはめるし、あの関西弁のおばさんもくっついて来るし。


 うまい手立てを考えないとね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「これが小便器か」にウケましたw 確かに女の子には馴染みのない物ですね。 新しい発見です。 それにしても犯人は誰なんでしょう。 何となく次に続く感じですね。 次作も楽しみにしています。
2011/07/09 19:19 退会済み
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