表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/101

第五話「婚約者との運命の出会い」

主要キャラが次々に登場してきます。

 結月はその異質さに息を殺して構えた。

 先程まで和気あいあいと話していた男たちが、静かに壇上に身体を向けて跪いている。

 やがて壇上に姿を現した様子を見て、結月は納得した。

 異質さが桁違いだった。神々しささえ感じる雰囲気を漂わせるその存在に、思わず結月も捕らわれた。

 結月は雰囲気に飲まれ、数十秒時が止まったかのように錯覚した。

 ようやくその男の姿をよく見れたのは、男が話し始めてからだった。


「その女か」


 口を開いた壇上の男を見ると、白い髪に整った顔立ち。

 着物のような服の上には重そうな羽織がかけられている。

 いたるところに金剛石のような輝きを放つ装飾が目立ち、照明に照らされよく光っている。


「はい、彼女が涼風結月でございます」


 凛がそう答えた。


「ずいぶんと千十郎の報告と違い、ひ弱なものだ」


「──っ!?」


 結月は驚いた。自分がまたひ弱と言われたことにではない。

 育ての親である千十郎の名が口にされたことにだ。


「どうしてじいちゃんの名前が……」


「千十郎と清子は一条家の分家筋の人間だ。つまり、一条家に仕えるものだ」


「一条家に仕える……そんなの聞いたことない……」


「秘匿情報だからな。千十郎たちはお前を育てながら、お前を監視していた。一条家の命でな」


「かん……し……?」


 膨大な情報に結月は混乱していた。

 自分の育ての親が宮廷に仕える人間だった。いやそれよりも自分を監視していたということに驚きを隠せない。


「じゃあ、私が10歳の頃に神社の前で拾ったって話してたのは……」


「事実ではある。が、偶然ではない」


 偶然ではない。という響きに違和感を覚えながらも、自分の処理能力が悲鳴をあげ、それ以上の情報を聞けずにいた。

 その間に白い髪の男は言葉を紡ぐ。


「そろそろ本題を話す。俺には時間がない」


 話をそらしたのか、本当に時間がないのか、結月には図る術はなかった。


「俺の婚約者になれ」


 結月は声を荒らげた。


「…………はあ?!」

ここまで読んでくださりありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 展開早い~。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ