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第五十一話「忠誠心」

「朔様っ!」


 琥珀こはくに乗った朔が、結月と瀬那を一瞥する。

 白く長い毛をなびかせて、琥珀は主人が降りやすいようにと伏せる。

 自身を軽く預ける程度で進行方向に対し、横向きに乗っていた朔。

 そのままゆっくりと右足から地面に降り立つと、魔夜をじっと見つめる──


「お前が【俺】か」


 朔が【自分自身】に化けた魔夜を鬱陶しそうに眺めると、そのまま太刀を抜いて駆けだした。


(攻撃しては、魔夜が強くなってしまう……!)


 結月は心の中で思い、朔へ言葉を発しようとしたが、その瞬間に気づいた。

 【朔への忠誠心】で強くなる魔夜だが、【朔自身】の攻撃はどうなのか。

 朔自身が攻撃をすれば、その【忠誠心】も無効になるのではないだろうか。


「──」


「……」


 朔と魔夜、どちらも言葉を発することなく、刃がぶつかり合う。

 何度も角度を変え、攻防を繰り返す刃、二人の朔。

 背丈や攻撃の動きは素人目には同じに見えるだろうが、結月や瀬那にはやはり違ってみえた。


「……朔様……」


「やはり、さすが朔様だぜ……、動きがまるで違う」


 瀬那の言葉の通り、事実戦況の利は朔にあった。


 朔の振るう刃が、魔夜の右肩を斬りつける。


「……」


「痛みも感じぬのか」


 朔の言葉の通り、魔夜は『痛み』すら感じていなかった。

 自分自身が斬られようと、魔夜はその能面のような顔を止めない。



 一方、結月のもとには朔を降ろした琥珀が来ていた。

 近くに寄ると、そのまま右肩の傷を舐めた。

 まるで癒すように──


「ありがとう、琥珀。いい子ね」


 結月がひとなですると、琥珀は気持ちよさそうに目を閉じた。


「琥珀、瀬那さんをお願い。瀬那さんの傍にいて」


 琥珀は結月の言葉の意図を問うように、結月の目を見つめる。


「私も……行かなきゃ」


 結月は右肩を抑えながら、戦う朔のもとに向かった──

いつも読んでいただきましてありがとうございます<m(__)m>



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