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少年と死者の森  作者: 柊 里駆
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反撃

ついにデューイ達北部ギルドの反撃です。読んで頂けたら幸いです。

それから数刻後、ギルドのメンバーがデューイの指示により、アランの亡骸の運び出しを行った。亡骸をレイアの墓の横に移す為だ。こんなモンスターが沢山いて、誰も墓参りに来られないような場所では、アランも寂しいだろうとの配慮であった。


それからデューイ達は、北部、南部、東部、西部、中央という大陸全てのギルドのネットワークを使い、全ての国の全ギルドへ、アランの名前を掲げ、薬のレシピを流布すると共に、洞窟にあった巨木の枝を各国に1本ずつ配り、瘴気の濃いエリアに試験的に植えた。


アランの開発した薬が一定の評価を得、また各国の瘴気エリアに植えた、『生命の木』と名付けられた巨木の枝の効果も少しずつ出始めてきたことにより、アランの名は瞬く間に世界に広がった。


それと同時にアランの死因を他国から追及されたクレスタン王国の国王レムリアントは、臣下共々数々の悪事が明るみになり、国王の側近サムザは死刑、サムザに加担した他の臣下はその位を剥奪、レムリアントは玉座を追われた。


まず、以前からアランの研究に目をつけていた国王の側近サムザは、前所長ゲイラにアランの研究を盗ませた。アランの開発した薬を通常よりも高値で売り、それでも飛ぶように売れ、沢山の金がサムザの元に入ってきた。(後にゲイラはこの事でサムザをゆすり、返り討ちにあって逆に暗殺されてしまう。)


その数年後、スラムで買ったソウマという青年にスパイとして研究所に入所させ、定期的に情報を入手していた。しかし前回の件があってか、アランはかなり慎重になっており、新たな薬の情報は入ってこない。


業を煮やしたサムザは街の暴漢共に研究所を襲撃させ、アランを捕まえて研究を奪おうとするもアランに勘づかれ、他の研究員とその家族もろとも逃げられ失敗に終わる。(この時、ソウマはもう用済みだと判断したサムザは、ゲイラの様に後に裏切る事を想定し、秘密裏に殺害。)


焦ったサムザは国王にアランが研究を奪い逃走したと嘘の進言をし、国の軍部を動かしアランの行方を追う。しかしまたしても何者かがアランを手助けし、とうとうアランの手掛かりは潰えてしまった。


一方国王レムリアントは、幼少時から優秀な双子の弟グリムラントと何かと比べられ、常々その存在を疎ましく思っていた。父王が崩御し、次期国王候補として自分と弟の名前が上がると、あろうことかグリムラントの食事に毒を盛り、その後遺症でグリムラントは狂ってしまう。(身の危険を感じたグリムラントは、レムリアントの目を欺く為にわざとその様に振る舞っていた。)


後継者争いに勝ったレムリアントは、王宮の奥にある離宮にグリムラントを幽閉、監視を置き、表に出てこられないようにした。(監視官達は、レムリアントを支持する様に表面上は装い、実際はグリムラントに様々な情報を流し、秘密裏に何かと手助けして、グリムラントを助け出す機会を窺っていた。)


後継者争いの際、サムザから多額の資金援助と後押しをしてもらっていたレムリアントは、その国王就任の際、その見返りとしてサムザを側近に置き、サムザが裏で何をしているかを把握していながら何かにつけ優遇する。


国の中枢は金と権力にまみれ、国の政治は乱れる。国民の生活は苦しくなり、治安も悪くなる一方だった。


比較的栄えていた首都レイアーヌには、地方から職を探す為に貧しい人々が集まりだし、次第にスラム街が形成されていく。そこは無法地帯で、貧しい人々だけではなく、犯罪者達も増えていった。


ここでクレスタン王国の衰退を憂慮した、当時の北部ギルドのギルドマスターであるハロルドは、多方面のギルドと連携し、仕事をレイアーヌに集中させ、人々の暮らしを支える。そして秘密裏に幽閉されている王弟グリムラントと連絡を取るようになったのだった。(これらはレイアーヌに住む昔馴染みのアランからの、ハロルドへの密告があり、ギルドの知ることとなった。)


国王レムリアントは退任し、数々の罪を問われた。


1、王弟グリムラントに毒を盛り、殺害しようとした罪

2、王弟グリムラントを幽閉した罪

3、サムザがしていることを知りながらサムザに加担した罪

4、国王でありながら国民を蔑ろにした罪

5、サムザと共同し、アランを追い詰め、死に追いやった罪

6、アランを死なせた事により、世界に黒斑病の薬が普及する事を妨げた罪

7、アランを死なせた事により、世界に黒斑病の薬が普及する事を妨げた事により、世界中の黒斑病患者が死亡した罪

8、アランを死なせた事により、世界の瘴気を消す機会を失わせた罪

9、アランを死なせた事により、世界の瘴気を消す機会を失わせた事により、黒斑病患者を増やした罪


結局、国王レムリアントは世界各国から非難を浴び、自国民からも強く断罪の声が上がり、処刑される運びとなった。今は城の暗くジメジメした地下牢に入れられ、その時が来るのを待っている。


また、幽閉されていたグリムラントは助け出され、優秀な医師が国中から集められ、王直属の医師団が結成された。今後、グリムラントは医師団から治療を受け、その回復を待ってから、新たな王として就任する予定だ。


グリムラントは病床から新たな王として各方面へ指示を出す。グリムラントの方針で、クレスタン王国に巣食っていた盗賊達は一掃され、また、貧しい人々が集まり、治安の悪かったスラム街も見直されることになった。


これにより、デューイ達北部ギルドの仇討ちは、見事本懐を遂げたのである。










10年越しにようやくクレスタン王国の国王達に一矢報いることのできたデューイ達北部ギルド。物語も佳境です。もう少しお付き合い下さい。

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