表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光を受け継ぎし者 ―追放された光は導かれ再起す―  作者: ネオ他津哉
断章「継承者の知らない黒アイリス」編
71/121

閑話その3「懺悔と後悔、里中流美の場合」-承-


 久しぶりに遊ぶだけ遊んだが脱力感が凄かった。体はほぼ復調していたのに珍しく筋肉痛がする中で車を運転する。助手席には黎牙様……ではなくレイ様、後ろには疲れ切った真炎様とアイリス様が二人して眠っている。


「子供みたいに遊んだな……何十年振りか……楽しかった」


「レイっ、様……その、私も楽しかった、です」


 私は何を言ってるのだろうか? ここは自分の感想を言うべき場面ではない。従者として客観的に、もしくは護衛の観点から諫言すべきなのに、私は心から楽しんでしまった。


「そっか、良かったよ、今日はありがとな流美?」


「はい……レイ様」


 久しぶりに満たされた気分になってホテルに着くと二人を降ろし真炎様と戻ろうとしたら引き留められ驚いた。なんでも色んなツテで宿泊しているこのホテルのロイヤルスイートを昨日の内に四人で宿泊するための手続きを済ませていたそうで私達も今夜は泊まって行って欲しいと言われたのだ。


「やった~!!」


「あの、レイ様よろしいので? その、お二人の方が……」


「アイリスが良いなら俺は構わないさ。それに、お前もあの家じゃゆっくりできないだろ? 怪我が治ったならすぐ働かされるだろうし、一週間くらい休んでも罰当たらないさ」


 その顔は昔のままで今の表情は優しくて、だからつい甘えていた。夕食は真炎様たっての希望により豪華なディナーでは無く、某ファストフード店の全メニューを注文するという豪華なんだか庶民感覚なのか分からない夕食となった。





「タツタよりもテリヤキ~……んふふっ~」


「なんつ~寝言を言ってんだか……」


「そう? 可愛いじゃない。さてと流美さん、寝室はこっちだから今日《《から》》真炎ちゃんをよろしくね?」


 黎牙様が抱っこして真炎様を運び寝室へと案内された。それにしても本当に複数、寝室が有るのは驚かされる。やはり上流階級の人間はこのような贅を尽くした部屋に泊まるのだろうと思っていたら二人も慣れないと言って安心する。


「じゃあ頼む流美」


「はい、お任せください」


 そのまま二人は部屋を出ると夫婦の寝室へと戻って行った。そう、夫婦の寝室だ。楽しくて忘れていたが、あの二人は今から一緒に寝るのだろう。当たり前の事なのに私は胸が張り裂けそうになっていた。もうとっくに諦めたはずなのに。


「私は、愚かだ……」





 長年の風習か、それとも環境の変化か分からないが夜中に目が覚めた。微かな物音でも気付いてしまうのは護衛対象のために身に付けた訓練の賜物だ。


 傍付きのため、そして監視の任務の多い里中家の人間には特に索敵、諜報、探知系の補助術は多く覚える事を求められていた。


「むにゃむにゃ、ポテトよりナゲット~」


「真炎様……本当にジャンクフードがお好きなのですね……」


 寝ている真炎様を見ながら改めて私の家について考える。実の所、当家としては私よりも兄たち二人の方が本来は異常だった。


「祐司兄さん、祐介兄さんか……まさか一番の役立たずが唯一動けるなんてね」


 代々、我が家は炎央院の一族・門下の術師を見張る務めを任され監視者として炎央院という里の中を見張る者『里中』と今の姓が与えられ、それより前の姓は当時の炎央院の家長に消されたと伝え聞いた。


「気のせいなら構いませんが……」


 小声で独り言を言うと用を足すついでに軽く部屋を見回ればいいと思い素早く周囲を確認する。先ほど食事をしたリビングに他にも小部屋もかなり多く、トイレも複数存在していた。そして私は物音が聞こえた部屋の前に来て察した。


「お二人の……しん、しつ!? はぅ……そ、そう言う……」


 一瞬で羞恥で顔が真っ赤になる。よく見ると二人の寝室のドアが少しだけ開いていたのだ。物音はそこからで、中からは男女のくぐもった声が漏れている。女性の恐らくはアイリス様の甘い嬌声が響いていた。


「あわわ……」


 この先で黎牙様が……それに心なしかギシギシと物音も聞こえていた。私の心は揺れていた。従者としても人間としても正解なのは何事も無かったように、この場を去る事だ。でも、それでも……。


「気になります……本当に最低ですね。私は」


 ドアの隙間からはコッソリ張り付くように中を伺う、そしてドアを音を立てずに少しづつ開く、これは里中家の者が代々、習得している技術の一つで主の状態を確認するためのものだ。もちろん足音も消すし、気配も消す。聖霊術なども併用して細心の注意を払って私は覗きを開始した。





「どうしたの? 流美お姉さん?」


「なんでも……ありません。真炎様……」


 昨夜はあの後ガッツリお二人の夜の営みを見てしまい、いえ覗いてしまい色んな意味でショックと後悔と僅かな嫉妬から心がグチャグチャになって慌てて部屋に戻っていた。その光景を思い出す度に考え込んでしまう。


「本当にどうしたんだ流美? ボーっとして熱でも有るのか?」


「な、なななななんでも……ございません!!」


 そう言って黎牙様はいきなり私のおでこを触って熱を計ろうとしてくれて、そのせいで顔が真っ赤になって思わず手を払ってしまった。


「わっ、悪い。気安かったな……」


「ちっ、違いますっ!! 申し訳ありませんっ!! 私がっ!!」


 あの手で、昨晩は……アイリス様を……そう考えるだけで昨晩は眠れずそして一人で悶々とした時を思い出してしまい顔が真っ赤になる。


「本当~? なんか顔真っ赤になってるし、今日は引き続き炎乃海お姉さまの治療を真炎ちゃんと行くんでレイは流美さんと居てね? 午後からは合流するから!! じゃあ、よろしく~!!」


 それだけ言うと二人は朝マ〇クを途中で買うと言って鳳凰の背に乗るとバルコニーから飛び出して行ってしまった。二人とも凄い精力的で真炎様は完全に朝〇ック目当てなのがバレバレだった。


「う~ん、真炎はあれで良いのか? 一応は母親の見舞いなのだが……」


「その辺りも含めてアイリス様が色々となさるようなので心配無いかと」


 問題は炎乃海様ではなく炎乃華様ですね……折れなければ良いのですが……。アイリス様の計画では相当やるらしいので心配です。


「むしろ心配なのはお前だろ? 午後からは、ま~た遊びに行くみたいだからな。今のうちに休んでおけ」


「いえ、あのっ、大丈夫です!! それよりも黎牙様は朝食はどうなさるのですか? 幸いこの部屋にはキッチンも有りますので僭越ながら私が何かお作りします!!」


「そうだな、昨日は一日中ジャンク過ぎてな。アッサリ和食で何か頼めるか?」


「はいっ!!」


 すぐに朝食の準備を始めて後ろを見るとテーブルに着いた黎牙様は少しだけソワソワして私を見ていた。懐かしい、二人で不遇な時を過ごしていた時の空気だ。叶うならば私がずっとお世話出来ていれば良かったのに、でもその資格はもう無い。





「アイリス様? 母様治ったのかなぁ?」


「ええ、マホちゃんのおかげで悪い聖霊力はほとんど浄化されたからね、あと数日したら完全回復。だから明日は私が少し話をして最終日のパーティーまで、ね?」


「はいっ!!」


 一応はPLDSで指示は出しておいたから副作用が有ったらフローが対応してくれるはずだ。そのために炎央院邸に待機してもらっているのだから、それと清花ちゃんと美那斗ちゃんにもエレ姐さんを通じて指示は出している。


「ふっ、完璧ね……」


「アイリス様?」


「あのさマホちゃん。様は取ってもいいよ? それこそアイリスママとかでも~」


 将来の練習兼、あわよくば養女にしたいくらい可愛いし、将来的に絶対この子には家に来て貰うから今からでも遅くないかも、なんて思ってつい冗談で言ってみた。少しの期待も有ったけど、それはアッサリ断られる。


「えっと……それはダメ、母様は母様だけだから……レイおじさん、母様を大事にしなさいって家でよく言ってたから」


「アハハ、振られちゃったか、でも、それで良いんだよ? 炎乃海さんが唯一のお母さんだからね? 忘れちゃダメだよマホちゃん?」


 レイ、さすが私の旦那様、ヴェイン越しで見てたマホちゃんは流石に性格が歪み過ぎてた。両親の不仲と歪んだ教育、そして聖霊帝の憑依による知識過多による他者を見下す姿勢は私も危惧していた。


「でも、これなら炎の巫女としての修行を本格的に始められそうね」


「頑張ります!! アイリス……お姉ちゃん?」


「アイリスお姉様でもいいのよ?」


「じゃ、アイリス姉様?」


 そう言って純粋な目を向けて来るから思わずギュッと抱きしめて頭を撫でちゃう。やっぱり私がやるしかないね。レイはなるべく休ませたいし、私も復帰してすぐだけどエリクシルと何よりも光聖神の加護で全快に近い状態だ。レイより明らかに負担は少なかった。


「さてと、じゃあホテルに戻って今日は少し準備と行きますか、でも着いたらまずはお昼ね、何食べたい?」


「テリヤキ!! セット、メロンソーダとポテト、あとナゲット!!」


「アハハ……ジャンクなのは変わらないのね……う~ん、そうだ!! 少し私の得意料理食べてみない? テリヤキ味も有るのよ?」


 そう言って三連続ファストフードを回避して久しぶりにレイに手料理を振る舞えると思うと私達は一路ホテルを目指した。





「アイリス姉様のフィッシュアンドチップス・テリヤキ美味しい!!」


「俺も久しぶりだからな、パンにも米にも合うからな」


「奥様、それにしても照り焼きソースなんてレシピ、やはり日本に居た時に?」


 別に料理は私の専売特許などとは思っていなかったがアイリス様は料理もかなり上手だった。和洋折衷で種類も豊富で驚いたがその中で異彩を放っていた英国のソウルフードとも言えるフィッシュアンドチップス、それに特製の照り焼きソースをかけたものだった。


「ええ、お婆ちゃん、祖母のレシピなんだけど私は母から教えてもらったの。ソースは少しアッサリ味にしないとベタベタになるから意外と調整が大変なのよ」


「お母様に……ですか? 家庭的な方なのでしょうか? 中々に豊富なメニューですので」


 アイリス様はクオーターという話だったので、もしかしたらと思っていたが想定以上に和食が上手で驚かされた。そして驚いていた私達にレイ様が予想外のことを言った。


「流美と真炎も映像だけでなら見たこと有るだろ? アレックス老、アレキサンダーCEOの横にいた黒髪の人、あの人がサラ義母さんだよ」


 そう言われて思い出すのは炎乃海様が断罪されて髪を斬られた時の光位術士サイドの二人の人物だった。白髪ながら凄味の有る壮年の男性ともう一人は若々しい黒髪の女性だ。


「えっ!? あの方が、そう言えば雰囲気が昔のアイリス様に似てました!!」


「母さん、あの時にはもうヒナちゃんから話聞いてたみたいなんだよね~。だから私を煽るような事してさ」


 そう言えばサラ様がレイ様を誘うような一言で場が固まった時に聖霊帝様が暴れていた。あの時は知らなかったが術による憑依をアイリス様がしているのかを確認するためだったらしい。


「だからヴェインが突然暴れてたのか、アイリスは相変わらず心配性だな?」


「だって、二年も離れてたんだよ。私だって不安だったんだよ?」


 そう言うと横のレイ様に甘えるように抱き着いて胸に顔を埋めて満面の笑みを浮かべていた。レイ様の顔も今まで一度も見た事ないような優し気な表情で正に理想の夫婦と言うべき姿で私の心はさらに曇った。


「これがイチャイチャ? 流美お姉さん?」


「そっ、そうですね……真炎様」


 そう言われて二人はパッと離れる。結婚して一年目でお二人は離れ離れでその一年も戦いの連続でこんなにゆっくりするのは恋人時代以来だと話された。


「最後にデートしたのはいつ以来だったかな?」


「確かあなたの死を偽装して落ち着いてからだから、確かウィンダミア湖へバカンスに行った時じゃないっけ?」


「そうか。のどかだったよな、あの湖畔の町は……」


 私が知らない黎牙様、いえレイ様。私も気になっていたら真炎様がアイリス様に当時の事を聞いて思い出したようにスマホを取り出して写真を見せてくれた。


「これが湖水地方についてすぐの時の私達ね、それで次がウォスト湖だね、あと次が……」


「大きい湖~!! 行きたい!!」


「ああ、こっちはウィンダミア湖ね。私も実はこの時に初めて行ったんだけどね、街も活気があって、あと水聖霊がいっぱい居るのよ。聖霊使いだけの特権で夜は幻想的できれいな聖霊達のダンスも見れたの」


 そう言って真炎様の頭を撫でながらスマホをスワイプしていくのは本当の親子に見えてしまう。本物の母親があれだからなどと不敬なことを考えてしまうと表情を読んだのかレイ様も苦笑していた。


「お前が俺の死亡を確認に来ただろ? あれから半年後ぐらいなんだ、旅行先でも悪さをするはぐれ術師とかが居てな。二人で解決したり中々の珍道中だったんだぜ」


「そうなのですか……あれから、そのっ、黎牙様いえレイ様にお聞きしたいのですが……私とアイリス様が英国で初めて会った時の手紙は……」


「ああ、お前が来た日に急いで書いたんだよ。書いたっていうか、PCで打ったんだが、それと実はあの時すぐ後ろに居たんだよ俺」


 衝撃的な事実がサラッと明かされた。後ろに居た? 雑踏に紛れていたのかと聞けば光位術のシャインミラージュと言う光学迷彩に似た術で隠れていたそうだ。そう言えば何度か他の術士の方が使ってるのを見た事があった。


「あの手紙とカードが帰って来た時に炎乃華様と勇牙様は泣き崩れて、衛刃様も心から悔いておられました」


 そして私も泣いたとは言えなかった。今さらいう必要も資格も無いのだからと思った私を見てどこかアイリス様だけは複雑そうな顔をしていたのが印象的で、まるで見透かされているような気がした。





「よっし!! じゃあ少し今日はハードだから流美さんお供よろしく!! レイは来ちゃダメだよ? マホちゃんと水族館デートだよ」


「水族館!! は、初めて行く」


「俺は小さい頃に一度だけだな……だがアイリス、あの家に何の用が?」


「それは、ひ・み・つ。大丈夫、私に任せてね?」


 そして翌朝から私達は車で炎央院邸に向かった。車の中では終始無言の私たちだったけど車を駐車場に入れた時に奥様が静かに口を開いた。


「流美さん、今日はかなりハードになると思うから先に準備をお願いしますね。まずは関係各所へ話を通しておいて欲しいの。私はその間に炎乃海お姉様にすこ~しだけお灸を据えてくるから」


「あっ、あの、こんな事言えた義理でないのは理解してます!! でも……」


「大丈夫。これも必要な事だから……じゃあ後で通信で呼んだら炎乃海さんの部屋の前で会いましょう」


 そして私は炎央院邸の各所を走り回り四日後の準備を進めていく。それから数時間後、庭先に居たのが浮かない顔をしたフローさんとジョッシュさん、そして一人で倒れている清花様だった。


「お? ルミちゃん、どした? アイリスなら居ねえぞ?」


「ご連絡頂けるはずだったのですが、やはり炎乃海様の?」


「ええ、あの規格外の炎聖師と話し合いよ。清花なんて二人が出て行った後に倒れちゃって……鍛え方が足りないわね」


 それだけ聞くと私はすぐに踵を返して炎乃海様の部屋へ向かうと、そこでは既に全てが終わっていた。明らかに弱った聖霊力と膨大な力が圧となっていて私は震えながらドアを開けるとボディブローを決められ倒れ込む炎乃海様を見た。


「――――では炎央院炎乃海さん……四日後にお会いしましょう」


「る……み? あな、たが……ど、して……」


 ボロボロになって血と涙を流す元の主と目が合ってしまった。何か言わなくてはいけないと思って口を開きかけた瞬間に聖霊間通信で待ったをかけられた。もちろんそれはアイリス様だった。


『今はダメです流美さん。いいですね?』


「申し訳ありません炎乃海さま、奥様、次のご予定が……」

『畏まりました……』


「そっか、じゃ行きましょうか流美さん?」


 そして今に至る。今日までの三日間はかなり忙しかったが明日は一日オフにするそうで、これから真炎様と合流して軽くショッピングの後にディナーだそうだ。これは炎央院家が用意した場で私も一緒に参加する事になっていた。





 翌日、私は真炎様と二人で小学校へ向かっていた。さすがに三日間も学校を休ませたのはまずかったので本日は学校へ送り届けて、その足で私は実家に戻ったのだ。炎央院邸のすぐ近く、実は地下では繋がっている里中本家へ向かった。


「以上が報告となります父上」


「そうか、祐司があの様で私が当主の代理を務めているが……出来ればお前が婿を取ってくれた方が……」


「申し訳ございません。私は……一生、独り身でいたく思っております」


 悪い父ではないのだが最近は私の扱いに困っているらしく実家に戻ると、このような話を度々される。


「そう、か……分かった。では今の報告は当主には私が上げておく、今日は休んでいくのか?」


「午後には真炎様を迎えに参ります。それが今の私の務めです」


 少しだけ仮眠を取ると真炎様を迎えに行くまで時間がまだ有るので炎央院邸の南邸の私の部屋の整理に行こうとしたら庭先で何かを受け取った炎乃華様がスキップをしてどこかに行ってしまった。挨拶する間も無く部屋に戻るコースを全力疾走していたから何かあったのだろうか?


「真炎様、おかえりなさいませ」


「あっ、流美さん!! 今日もレイおじさんのとこ?」


「はい。お二人の所にと、申し付けられております」


 そしてホテルに戻り部屋に入るとムワッとした淫靡な感じの匂いがした。どうしたのだろうかと奥に声をかけるとドタバタした後にシャツとジーンズという普段と違う薄着のレイ様が慌てて出て来た。


「は、早かったなぁ!! きょ、今日は暑いなぁ~!! 換気しなきゃな~!!」


 不自然なまでに独り言を大声で叫んでエアコンを入れ窓を開ける我が主、余りにも情けない姿……では無く、お労しいお姿だった。


「あっ、二人ともおっかえり~!!」


 そして続いてツヤツヤな顔をしてアイリス様がゆったりと出て来た。あまりにも堂々としていて私の方が悪い事をしている気分になってしまった。


「ただいま帰りました~!! レイおじさん、アイリス姉様~!! 奥の部屋で二人で何してたの~?」


 六歳児の真炎様の一言で場が固まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ