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光を受け継ぎし者 ―追放された光は導かれ再起す―  作者: ネオ他津哉
第二章「彷徨う継承者」編
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第46話「そして始まるギスギス五大総会」

土日投稿パターンになります。


 颯爽と歩く後ろ姿は、先ほどまで私の膝の上で弱々しく呻いていた主とは違っていて迷いが無くなり最強の術士としての姿だと改めて思い知らされる。


 もう自分だけの無能だった嫡子の黎牙様はどこにも居ないと悲しくなって頭を振る。主の成長と出世は喜ばしい事以外の何物でも無いはずだと必死に自分を納得させた。


「あの、黎牙様、本当にもうご気分は?」


「問題無い……二時間も仮眠が取れた。感謝する」


「勿体なきお言葉です……あのっ……いえ、何でも、有りません」


 私の態度を不審に思ったのか振り返ると黎牙様は昔と違って高い視点から私を見降ろしていた。幼さは完全に無くなり今や立派な成人男性になったその眼差しに従者なのにドキッとしてしまう。


 ご立派になられて本当に嬉しく思う反面、従者として絶対に持ってはいけない気持ちも再燃してしまっていた。


「どうした流美、まだ何か有るのか?」


「いえ、あのっ……何でも、ありません」


 聞けない、アイリスと言う女性についてなんて、一度だけ会ったあの白髪、今思えば銀髪の美しい女性。彼女は私に言った。目の前の主の恋人だと、あの時の衝撃と痛みは今でも覚えている。


「そうか? 今後の確認事項なら遠慮せずに早めに言えよ」


「い、いえ……個人的な事……ですので」


「そうか? ふっ、分かったよ健康には気を付ける……」


 どうやら主は私が諫言を呈する気だったと勘違いしたようだ。昔から主を支え、時には諫めていて口煩いと言われた事も少なくなかった。年上の主を止めるのは大変で特に炎乃華様関連は本当に大変だった。


「いえ、決してそういう訳では……」


 それだけ聞くとまた先を歩いて行ってしまう。あの女性の名を呼んでうなされて、そして一滴だけ涙を流していた意味は、黎牙様を幼い頃より見て来た私には痛い程分かる。大事な方を失われたと……私はこの時ハッキリと理解した。





 流美の様子が少し変だが気にしている暇など無い。夢を見て改めて思うのはアイリスの事、そして英国の事だ。PLDS通信をやっと使えそうだ。流美だけを自室の前に見張らせると誰も室内に入れないように厳命する。


「繋がりましたか? アレックス老?」


『ああ、繋がっておるよレイ……待っていたぞ』


「申し訳ありません。時間が無いので単刀直入に、四卿が現れました。SA3のメンバーの派遣をお願いします。可能なら再度ジョッシュやフローも」


『ふむ……やはりか……しかしSA3の派遣は難しいな』


 予想外の答えが返って来て俺は少し焦った。ワリーやベラ達に来て貰えば心強い事はこの上なかったからだ。


 ジョッシュやフローは英国に戻って水森の姉妹と本格的な調律をしている筈だから来れないのは分かっていたからSA0は動かせない。だからSA3に期待していた。


『すまないなレイ。現在、英国では大規模な自然災害と闇刻聖霊の大量発生が起きてな……その対応にSA3は追われている』


 詳しく聞くと敵はかなりの大軍勢で、しかも『草薙の霊根』の加工を始めたヴィクター義父さん達は、あれから二週間は支社に籠っているらしい。他の研究も全てそちらに人員を回している状態で防衛で手一杯との事だ。


「それでは……」


『少しの間耐えて欲しい、しかしSA1の二個小隊八名が中国で任務を受けていたのですぐに急行するよう昨日通達を出した。日本に着き次第、連絡が行くようにした。さらに一緒に朱家の兄妹も援軍として動いてくれるようだ』


「それは心強い!! しかし朱家の防衛は大丈夫なのですか?」


『ああ、以前、ダークブルーに敗れた際の借りを返すと二人がやる気だそうでな、朱家当主からも面倒を見て欲しいとの事だ』


 数度しか話した事は無いが兄の俊熙ジュンシーは直情的な人間で妹の凜風リンファも、どちらかと言えば勝気な性格だった覚えが有る。


 そしてSA1はオリファーさん麾下きかの実戦経験豊富な術士が多い。ある意味ではSA3よりも助かる人員だ。


「正直、三人を相手には不安も有りますが……何とかしてます……」


『巫女が復活次第、レイには真っ先に知らせるように言っている。それにヴィクターは私より先に夫である君に連絡すると息巻いておるわ』


「そうですか……義父さんが……分かりました。それとこちらから送り出した水森家の令嬢方はお元気でしょうか?」


 清一から連絡を取りたがっていたと聞いたので気になっていた、ひなちゃんや清花さんの近況も聞いておきたかった。ひなちゃんが特に気になる、アイリスの事についての意味深な事も聞いておきたかった。


『ああ、昨日もフローと本社付きの数名の術師と鍛錬に励んでいたよ……それとメールを読んだが明日の総会には私とサラがオンラインで出る。それとアイリスの事は伏せるので良いのだな?』


「はい。現状で奴らは光の巫女、即ちアイリスを失っていると勘違いしています。ここで無暗に情報を広げる必要は有りません。朱家の方々やSA1の人間には可能なら連絡を、私も確認しますので」


 その後も細かい打ち合わせをして最後にそれぞれに簡単なプライベートな話題を話すと通信を終了した。それと同時に今話していたばかりのSA1の部隊長から通信が入る。


 朱家のプライベートジェットに同乗し明日こちらに来る事が報告された。人員は朱家が四〇名とSA1が八名。明日、こちらに挨拶に来るそうで会談にも合流してくれるそうだ。





 そして翌日、都内の某ホテルで俺は流美と炎乃華を連れて来ていた。本来なら勇牙を連れて来たかったのだが勇牙はクリスと何かやるべき事があるらしく、代理を許嫁の炎乃華に依頼したらしい。炎乃華に声をかけた結果、乗り気だったので連れて行く事になった。


「えっと、いたいた。好久不见! 俊熙ジュンシー凜風リンファ!!」


「日本語で大丈夫だ。継承者、久しぶりだな!」


「お久しぶりです。継承者レイ様!!」


 先にホテルのエントランスに居た朱家の兄弟と、そしてSA1の隊長と思しき人間と合流する。二人は前に香港で会って以来だが元気そうだ。


「ああ、それと……お久しぶりです。エレノアさん……」


「ええ、レイ。久しぶりだな。最後に会ったのはジェイクの葬式だったか?」


「はい……俺は、部隊を、あなたの弟を……」


 彼女はエレノア=チェンバレン、光位術士の家系の中でもエリートで古くからユウクレイドル家に仕えている一門だ。そして俺の初めての部下で、俺が死なせたジェイク=チェンバレンの実の姉だ。


「戦場ではままある事だ。それは両親とそして私が何度も言っただろう? それにジェイクも継承者の盾となれたのだ。最高の栄誉を誇りに思うだろうよ」


「はい。そう言って頂けると。すいません、では行きましょうか。一応は私の実家なのですが何分、閉鎖的だから三人には嫌な思いをさせるかも知れませんが」


 そう言っていたら俺の裾をチョンチョンと引っ張る炎乃華が不安そうに俺を見上げている。そう言えば流美は良いとしても炎乃華は紹介しないとまずいな。


「三人共、紹介する……えっと、その……親戚の炎乃華だ」


 ちなみに光位術士の間では炎央院の悪名はある意味で真実に、そして俺と言う人間を虐げた家系として知れ渡っている。なので苗字を出すのがはばかられた。


「継承者様の親戚……なるほど……ほう」


 親戚と言った時点でエレノアさんにはバレた……そりゃそうだ親戚なんてユウクレイドル家以外だと実家しか無いから迂闊だった。幸いにも朱家までは伝わってないのか二人は会釈だけしたがエレノアさんは明らかに気配が変わった。


「さ、さて他の人員にも挨拶は……良いのですか?」


「うちの部隊は半舷休息にしている。私も会談後は休む予定だ。機材は君が調整してくれると聞いたが?」


 実は今朝、既に実家には大型のPLDSに近い端末と結界発生装置が届いていて準備と設置をしていた。やたら炎乃海姉さんと楓が目をキラキラさせてすり寄って来たから仕方なく設置を手伝ってもらった。


 今さら漏れても困る技術じゃないので任せたら二人はウキウキしながら設置していた。今思えば俺、あの二人に形は違えど見捨てられたんだよな。楓にはそこら辺いつか聞きたいとこだな。


「我が家の部隊は私達以外は休ませてありますが臨戦態勢は取っております」


「そうか、じゃあ行くか……炎乃華? どうした?」


「あ、あの、私、助手席が――――「ダメだ。折衝や外交も立派な次期当主の奥方の仕事だぞ? 頑張れ」


 そう言って炎乃華にとっては針のむしろ状態の後ろの席に背中を押して突っ込む。俺は黙って流美と一緒に前に向かう。


「黎牙にいさ~ん」


「甘えるな。お前も二十歳になるんだ、少しは世間の荒波に揉まれて来い」


 そう言いながら俺は聖霊間通信でエレノアさんに一言だけ謝って同時にお願いもしていた。


『と、言う訳なんでエレノアさん。程々にお願いします。案外折れやすい奴なんで』


『ふっ、君が慈悲深いと言うのは本当らしいな……弟に、ジェイクに聞いた通りだ』


 今日は人数が多いのでワゴンタイプの車で来ていた。実は当初は炎央院の車庫で眠っているリムジンを出そうかと言う話だったが流美が運転出来ないので却下になり、一応はそこそこの車で来た。もっとも三人共、特には気にしてはいないから大丈夫そうだ。





 ゲッソリして車から降りて来た炎乃華はこっちをジトっとした目で見ている。流美は慌てて炎乃華の方に行って色々と声をかけているから仕方なくゲストの三人の元に向かった。


「何したんです? お三方?」


「君の素晴らしさを解いただけさ。それにしても良かったのか? 情報封鎖しているとは言え親族だろ? 君の巫女やユウクレイドル家については秘匿するよう直接に当主様からは厳命されたのだが、話さないのは……な?」


「ええ、問題有りません。闇刻術士サイドへこの家の中にも内通者が居るかもしれないので用心のためです」


 それだけ言うとエレノアさんは納得してくれたそうだ。朱家の二人は途中から日本語が通じず聖霊間通信で話していたらしい。実はまだ簡単な言葉しか覚えてないらしい。それにしては流暢だったような気もするが……。


「いえ、ホノカは少し勘違いしていたので訂正をしてあげただけすよ?」


「ふっ、凜風リンファは俺以上に厳しいからな」


「そうか、ま、案内するよ? 炎乃華!! 流美も!! 三人を案内する」


 その後は三人を客間に案内し流美に相手をさせ待たせると俺も光位術士の隊服に着替え準備を終わらせ総会の場に赴いた。通信を繋いでいる先は水森家とユウクレイドル家で、残りの主要メンバーは集結している。





 出席メンバーは光位術士は俺とエレノアさん、朱家兄妹の四人、炎央院からは叔父さんと勇牙、そして姉妹が、そして傍には流美が控えている。


 涼風の家は逗留している三人、早馬、楓、琴音の全員、岩壁家はジュリアスさんとクリス君が出て、最後に水森家は繋いだディスプレイに当主の令一氏と、その横に清一が座る形となった。


「さて、四大総会よりも一つ多く、五大総会となりましたが全ての家は今日の趣旨をもう一度、私、レイ=ユウクレイドルから説明させて頂きます」


 俺はまず今回の総会の趣旨を説明すると同時に全員の紹介をした、そのままの流れで全ての人間と関りが一応は有る俺が司会進行もする事となった。


 ヴェインが横に出て来て資料を纏めて配っていてまるで秘書みたいな動きをしてエレノアさん達ですら驚いていた。


「その、レイさん? この資料の通り事が本当の歴史なら……今までの教えは?」


 クリス君と横のジュリアスさんは光位術士と闇刻術士の戦いの歴史は本当に初耳なはずだ。涼風の家は早馬は知らないはずだが楓が話したようで複雑そうにしながらも納得はしていた。


 他の二家は俺が直接話したので問題は無いようだ。そして、ここでPLDS通信で最後のゲスト、ユウクレイドルの本社に繋がった。


『諸君、初めまして。アレキサンダー=ユウクレイドル。ユウクレイドル家二十一代当主だ。PLDSを通してだから日本語に訳されていると思うがいかがだろうか?』


「問題有りません。アレックス老」


 俺の傍の巨大ディスプレイにアレックス老と、横に控えるのは黒髪の美女で俺の義母に当たるサラさんだ。少し目の下に隈が有るのは疲れが溜まっているせいなのだろうか。メイクで隠しているのが分かる。


『ありがとうレイ。さて日本の友人達、あなた方に是非とも礼を言わせて頂きたい。当家の最強の術士でもあるレイ=ユウクレイドルを手放し、よくぞ英国へと旅立たせてくれた。この措置に対して私は光位術士の総意として万感の思いと共に諸君に拍手を送りたい』


 そう言ってディスプレイからは口元は笑いながらも目が一切笑ってないアレックス老とサラ義母さんが拍手をして、その音が響き、朱家の兄妹は笑いを堪え切れず吹き出し、エレノアさんも表情筋をピクピクさせている。うわぁ……これ聞かされて無いぞ俺。


「コイツは……相当だな、オイ、どうするよ楓?」


「ジュリ兄さん、これって……」


 涼風家と岩壁家は困惑と動揺を隠せず、反対に水森の代表の清一は頷いている。あいつ多分、半分くらい理解してないだろ。横のディスプレイの令一さんは口元に笑みを浮かべながら衛刃叔父さんを見ていた。


「当家としては返す言葉もございません。アレキサンダー殿」


『そうでしょうな。どの道、当家としては彼を手放すつもりはありませんがね?』


「これは手厳しい……」


 炎乃華と勇牙は意味が分かってないようだが流石に炎乃海姉さんは分かっているようで苦虫を潰したような表情でこちらを見る。


『さらに当家としてはこの緊急事態に協力する用意は有る。それがレイの部下として派遣した人員や、中国からの協力者だ。しかし、決めねばならぬ事も有ると思う』


 決め事? そんなの聞いてないぞアレックス老……協力体制の話し合いでは無かったのか? 見るとエレノアさんや朱家の二人も頷いていた。


「それで、決め事とは?」


『当然、指揮系統だと考えている。まず日本の術師の四大家には全面的にこちらの指揮下に入って頂く。異論は有りますかな?』


 場がざわめく、水森を除く三家は慌てている。清一は頷いていたが奴は絶対に理解してない。


「それは……いきなりですな……」


 そう言ってこちらを見る衛刃叔父さん。だが、それを遮るようにアレックス老は画面の向こうでニヤリと笑って言う。


 あの顔、あれは割とキレてる顔だ。アイリスと俺が社の会議に遅れた時にあの顔でしぼられた。遅れた原因は察して欲しい。


『勘違いはしないで頂こう。レイはこのような状況では甘い判断をする、実はワシの孫にも甘い事が多々有りましてな、いずれ紹介しますが、なので彼には黙っていた』


 先手を打たれたと言う顔で衛刃叔父さんも穏やかな表情から一変し相手が友好的な相手では無いと理解したようだ。


 俺も最近は忘れていたがユウクレイドル家の人間だった。炎央院は捨てたのに最近の情勢でこちらサイドと勘違いしていた。


「いきなりで当方としても驚きを禁じ得ません。てっきり同盟をと四家で考えておりましたが……」


『同盟!? これは異な事を……同盟とは信頼に値する者同士で実力も同等で拮抗する事で初めて成立する。少なくとも私の孫同然のレイを虐げていた一族を信用しろとは少々無理が有りますなぁ』


 ちょっとアレックス老、本当にどうしたの? せっかくの会談の場なのにどうしてくれんの? とか思っていたら意外にも叔父さんは冷静に対応しながら次の一言を放っていた。


「なるほど……しかし差し迫った脅威が有るこの状況で信用を勝ち取る方法など限られますが、いかようにすれば?」


 後ろで炎乃海姉さんが止めようとしているけどガン無視だ。何か意図に気付いた? どう言う事だろう? あの人が止めると言う事は自分か、もしくは炎央院に害が発生すると言う事だ。


『それでは、まずは謝罪ですな。レイは10年以上虐げられていた。ならば炎央院家として、この公式の場で誰が誰に対して非が有るかを明確にして頂く、その上で今回の戦いの指揮権は全てレイ=ユウクレイドルに譲渡して頂く』


「「「「なっ!?」」」」


 そう言うと場が一気にざわめき出す。早馬と楓は二人で相談をし、ジュリアスは片手で顔を覆った。水森家は良く分かっていない清一が頷いている。そして炎央院では炎乃海姉さんが慌てていた。


「どうしたの姉さん? 私でも分かったよ!! 黎牙兄さんに謝って一番偉い地位に就いてもらうだけでしょ? 問題無いよ?」


「大問題よ!! あちらさんは今後の作戦は黎くんの胸三寸で好きにやらせろ、その際はこっちの意向は全て無視するって言ってるのよ!? なぜなら私達に全面的に非が有るから分かってんだろうな? って、そう言ってんの!!」


 うん。さすが俺を昔から虐げてた炎乃海姉さんだ。自分の立場が危うい状況だと真っ先に動いて理解したな。


「それのどこに問題が有るの?」


「黎くんが一番恨んでるのは伯母様と次に私って考えても炎央院の家全体にペナルティが有るのは明らかよ、せっかく何とか生き残ったのに……」


 いや、炎乃海姉さん。サラッと自分と炎央院の罪を同格にしてるけど主犯はあの女だろ? そして一番の共犯てか、見て見ぬ振りをしたのはあんだだけど。


 ああ、そうなると確かに炎央院全体が悪い扱いになるのか。気付かなかった。そんな事を考えていると清一の隣のディスプレイの令一氏が真っ先に発言していた。


『当家、水森家はユウクレイドル家の提案を全面的に飲みましょう。レイ殿。八年前の事、改めて謝罪させて頂く、そして指揮権を移譲したい』


 その動きで全てを察したのは早馬さんだ。この人とは何だかんだで関りは最低限だった。嫌われている訳じゃないけど、涼風の家に行ったり、こちらに来た時も楓とは良く話したけど彼は一歩引いたような態度だったのを覚えている。


「はっ、そう言う事かよ……水森家、最初から……とんだ狸だぜ。だから清一だけなのか。ったく、仕方ない、当家は炎央院楓果と共謀し追放に加担した事を認めよう、先代当主の罪とは言え、この場で謝罪させて頂く」


「アニキ!? レイ君の追放って、やっぱり……」


「ああ、親父と、あの女、炎央院楓果の共謀だ……」


 そうなのか、涼風の家が関わっていて、しかも目の前の早馬さんは知っていたと、無難な嫡子で俺より三つ上、つまり炎乃海姉さんと同い年、それ以外は本当にこの人の事は知らない。


「涼風の生贄は俺だ。岩壁は完全に無関係だぜ? だから最後は……」


 えぇ……なんだこの暴露大会。そう言えば岩壁家は先々代がアイザム氏を気に入って先代の直系の当主と争って岩壁家をロックウェル家が乗っ取る形で争いが収束し、結果二つの家が同時に存在する状態になったらしい。


 英語で読めばロックウォール、ロックウェルと読めなくも無いって言うダジャレ的な感じで決まったんだ。向こうがお家騒動してる間にこっちは日本の三つの家が争っていたんだな。


「つまり私って事ね……ま、伯母様がああなってるなら当然……か」


『その人間たちの処遇をキッチリ決めてからでないと、力を貸す事も安心して出来ない、四大家の方々のお答えは?』


「依存は……ございません」


 衛刃叔父さんは少し口を重くしながらもハッキリと答えた。炎乃華が叔父さんの腕を引っ張るが無視している。勇牙も神妙な顔をしていて困惑している。


『ふむ、素晴らしい返事に感謝する……ではレイ、直接、君の手で決着をつけるんだ。()()()光の継承者ならば、分かるな?』


 俺は頷くとレイブレードを展開して炎乃海姉さんの目の前で構えた。


「何か……言う事は……?」


「真炎の事だけは……お願いするわ、いえ……お願い、します」


「そうか……」


 結局はこうなるのか……そもそも俺はこの人を許した覚えも無かった。なら当主の許可も出ているのだ。真炎を育ててやればこの人も本望だろう。だから()()()()()()炎央院炎乃海を、この手で……断罪する。

誤字報告などあれば是非ともよろしくお願い致します。


ブクマ・評価なども有ればお待ちしています。

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