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光を受け継ぎし者 ―追放された光は導かれ再起す―  作者: ネオ他津哉
第二章「彷徨う継承者」編
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第27話「過去との対峙、それぞれの妥協と思惑」


 あれから俺はレイウイングで一度飛び立った後に目立たない場所に着地した。更にシャインミラージュで光学迷彩を展開した状態になると、水森家に行く前に借りていたビジネスホテルに辿り着いた。部屋自体には一応は結界を張っていたので見つかってないはずだと思い部屋に入ろうとするが先客の気配がする。


「仕方ないな……ミラージュ解除、レオール。そいつ(炎乃華)を見張っておけ可能なら乗っけて付いて来てくれ、って……ヴェイン?」


 最近は当たり前のようにヴェインが出て来て気絶している炎乃華をレオールの背中に乗せている。一応は狼なので乗せると言うよりかは背負わされてる状態だ。ヴェインが一人と一柱を守るように立つのを確認すると俺は部屋に侵入する。


 だが部屋の中には電気も付けずに床に正座をして座っている人間がいた。だから俺は即座にシャインミラージュを解除してレイブレードを展開した。その光に部屋が電気を付けた時よりも明るくなり侵入者の顔が見えて俺は動揺したが、それを隠して相手を睨みつけた。


「ふぅ……不法侵入と言う言葉をお前知っているか?」


「超法規的措置でございます……」


「なるほど……便利な言葉だ。それではなぜここに居る?」


「あなたへの書状と伝言を、お伝えするためでございます……黎牙様」


 そう言って目の前の正座をして目を瞑っていた女、里中流美は泣きそうな顔で俺を見ていた。お前が今さらそんな顔をして俺を見る権利が有ると思っているのか?お前が、お前だけは……だが、そんな事はどうでも良い。


「その不愉快な顔、二度と見たくは無かった……」


存知ぞんじております。ですが、書状だけは……衛刃様からの書状だけは、どうかお受け取り下さい。そして氷麗姫様からも伝言が御座います」


「……興味が無い。消される前に立ち去れ、最後の慈悲だ」


 実際は興味のある言葉と物しか持ってない目の前の女に俺は意地を張る。状況的には協力した方が良いのだろう、そして話をした方が良いのだろう。だがそれだけは、俺の八年間は、悔しくて泣いてそれでも前に進んだあの日々が全部無駄になる。


「後ろの炎乃華様をどうするつもりでしょうか?」


「話すとでも? そうだな、お前が出て行かないなら目の前で傷物にでもして炎央院の家に送りつけると言うのも面白いかもしれないな……」


 ニヤリと笑いながらもそんな下らない事は少しも考えていない。ただ目の前の女にはこの場からさっさと消えてもらいたいから咄嗟に嘘を付く。


 先ほどの戦闘で炎乃華の本質は変わってないのを確認したから話を聞いた後は適当なとこに置き去りにする予定だ。


「嘘が下手なのは相変わらずですね……やはり黎牙様、本物……なのですね……」


「何を言って――――「嘘を付く時の作り笑いをする際に口角が右に上がり過ぎです。それと落ち着かないのですか? 左手を握り込む癖が直ってらっしゃいませんね……昔の通りに、あなた様です……」


 そうしてまた俺を見る。俺は下らないと思ってレイブレードを奴に振り下ろそうと振りかぶる。寸止めで奴の眉間にレイブレードの切っ先を突き付けるが奴は息を飲んだ以外は動かなかった。まるで俺が斬らないと分かっていたように……。


「…………っ!?」


「そうか…………その顔っ!! 全部分かっていますって顔がっ!! この上無く不愉快だっ!! この場で斬り捨てる!!」


 俺は今度は少し殺気を乗せて斬りつけようとする。もちろん今度も止める気ではいる。しかし殺気は乗せているから最低でも目の前の女が恐怖に歪む顔くらいは見れると思ったのだが、俺のレイブレードは別な光の刃で防がれていた。


「ヴェイン!? どう言うつもりだ……?」


『…………』


 しかし顔も見えない俺の相棒は首をフルフルと横に振るうだけだった。表情はほとんどヴェールに隠れているが必死なのは見て取れる。だからだと自分に言い訳をして俺はレイブレードを戻してベッドに座った。


「仕方ない、その覚悟だけは認めよう、相棒に免じて話は聞いてやる。話せ」


「あっ、ありがとうございますっ!! ありがとうございますっ!! 黎牙様!!」


「先に言っておくが俺は炎央院黎牙では無い、ユウクレイドル家の光の継承者、光聖神の代行、レイ=ユウクレイドルだ。次その名で呼んだら容赦はしない」


 そう言って睨むと流美は心から悲しそうに俺を見た後に覚悟を決めたのか、こちらを見ると小さい声で一言。


「分かり、ました。では、最後に一言だけ……さようなら……黎牙様……。そして、レイ、様……こちらは当家の……炎央院衛刃よりの……書状、です」


「ああ、おじ、衛刃殿からの書状しかと受け取った……なるほど……これは思った以上だな……それと……ふぅ、本当に衛刃叔父さんは……」


「え? レイ様?」


 書状の中身を要約すると炎乃海のクーデターにより自分は失脚、そして自分の庇護下にあった一門が冷遇されるか利用されると思うので恥を忍んで助けて欲しいとの事と最後にこう締められていた。


『助けにもなれず済まなかった。我が娘たちの事を許せとは言えない。だができるのなら救ってもらいたい。それは流美もだ、聡明な君なら気付いていると思う。叶うのなら成人した君と一献交わしたかった』


(叔父さん……ああ、分かっていたさ。分かってるんだよ……()()()()()は……)


「委細承知した。それと、氷奈美殿からの言付けも頼む」


「はっ、『氷麗姫は目的の物を死んでも守り通す』との事でございます」


「そうか……ひなちゃんに任せて良かった……これで安心だな」


 そこで考えるのは今後の事だ。そもそも俺単体ならばコッソリとイギリスに帰るのは簡単だ。確かに空路は封じられたが海路は握られていない。水森の縁を頼れば中国までなら簡単に出られるだろう。だが考えてしまうのは叔父さんや目の前の二人の女達についてだ。見捨てるのは簡単だろう。


 しかしコイツらが処分された後、今度は水森家と炎央院家は俺の勘だと全面衝突をするはずで動機は俺だ。どのような形であれ俺は水森家の側に立ち戦って最後に宣言した。その俺がもし逃げたとしたら報復に出るのは必定だ。


「ならば止めなければならないか……戦いが起きる前に……」


「レイ、さん?」


「水森家の方には御恩と、そして迷惑をかけた。その上で更に俺のために迷惑をかけるわけにはいかない……はぁ、ミス里中。状況を教えてくれ」


 巻き込まれて上手く使われているのは分かっている。そして衛刃叔父さんは俺の行動を読んでいる。だから流美をここに寄こした。全部分かるんだ、だって俺に家で生き残る術を教えてくれたのはあの人だから。


「……よろしいのですか?」


「お前への借りを返す意味も有る……それだけだ」


「なっ、なんの事……でしょうか?」


 そう、何より叔父さんがこの女を、流美を寄こしたのなら確実だ。俺の心のどこかで燻っていた予感の正しさを証明したようなものだった。


「どこかで分かっていた……力を封じられていた俺がどんなに上手く逃げても術師からあんなに都合良く、追放されて一年以上逃げ続けるなんて不可能だって……お前が俺を逃がしていた、そうだな?」


「そ、それは……私は……」


「キチンと話せ、話さなければ協力はしない……ただ俺は真実が聞きたいんだ」


 それだけが聞きたかった。コイツは本当は何をしていたのか?もしかしたらと淡い期待が有った。幼き日より俺に仕えていた十年以上も一緒に過ごした最初の相棒のような人間の本当の姿を見たかった。そして少しの後に流美は重い口を開いた。


「私は……私がしたのは、追跡部隊に黎牙様の居場所とは真逆の場所を……教える事、だけでした。黎牙様の中国での反応が消えた後は……全てを衛刃様にお話して……炎乃華様付きに変えて頂き……ました」


「ふぅ、そうか……炎央院黎牙は死んだが、そいつは何となく分かっていたと思う。そして気付いてからは少しは感謝をしていたと思う……」


「私はっ!! あなたに付き従う事すらしなかったっ!! 追放されるあなたに嫌われようとしたのに……見捨てる事も出来なくてっ……中途半端に妨害だけして、それで、こんな思いをするならっ!! 私はっ!!」


 その後は泣きながら今までの事を話し続けた。曰く、追放時に衛刃叔父さんが動けなかった事で俺を追放しなければ里中家自体の取り潰しも有り得ると兄の祐司に言われ、もう俺を逃がすしか無いと考えた事、その上で自分だけは居場所が分かるように発信機を仕込んだと言う。


「あれは炎乃海に言われて設置したのでは無いのか?」


「違いますっ!! あれは私が黎牙様の位置を把握するためのものです!! 誓って私以外は分かって無いはず……です」


「そうか……ま、それが今さら分かった所でな……」


 そう、しょせん過去は過去だ。俺の思いも踏みにじられた気持ちも心の傷も全部手遅れだ。それを持ち出して恨みをぶつける事は……今はしない。


 今、大事な事は英国へ行った仲間を信じる事、そして俺自身が招いた問題と俺の過去の清算だ。


「これも光聖神の定めた試練なら……いや、俺自身の運命なら、やるしか無いのか」


「レイ、様?」


「俺はもう炎央院の嫡子では無い。”様”は不要だ」


「私はっ!! お仕えする方には――――「お前に、お前だけは、俺は……二度と仕えて欲しくは無い……」


 明確な拒絶を突き付ける。当たり前だろう、いくら言葉を重ねても信頼は戻らないし壊れた関係は修復できない。何より俺がもう二度としたくない。


 俺が物分かりの良い人間なら流美をここで許して先に進むのも出来る器が有るのだろう。だがそんな選択は俺にはもう出来ない。怖いんだよ、もう本当にさ。


「それ……は、かしこまりました……レイ……さん」


「それで良いミス里中、詳しい状況を頼む」


 あえて流美とは呼ばない、彼女や、まだ寝てる炎乃華とは共闘関係を結ぶとしても昔のような関係に戻る事はもう一生無いはずだ。


 意地も有るがそれ以上にもう目の前の幼馴染のような従者も、弟子のように大事に思っていた従妹も信用など出来ないからだ。





「う、う~ん……っ!? あれ? 私は羽田で……」


「起きられましたか!? 炎乃華様!!」


「あれ? 流美? 私は黎牙兄さんと戦って……それで、負けたはず?」


 そこから先は全く思い出せない。ただ流美が居るという事は助けられたと言う事なのかな?それにしては実家の邸とは全然違う洋風な部屋。


 そんな事を思っているとガチャっとドアが開く。出て来たのはホテルとかで着ると聞いた事のあるバスローブを着ただけの姿の黎牙兄さんだった。


「お? 起きたか、大体の事情はミス里中に――――「れ、黎牙兄さん!! な、ななななななんてだらしない恰好してるんですかっ!!」


「あっ? バスローブくらいでピーピー騒ぐな、確かに下には何も履いて無いがホテルじゃ当たり前だろ……てか、旅館とかの浴衣も似たようなもんだろが?」


「そっ、それは!! そ、そそそそそそんな事より!! ここはどこですか!?」


 黎牙兄さんが、ほぼ全裸で出て来た……前に琴音に聞いた事が有る。あれは裸の上に羽織ったバスタオルのようなもの……つまり全裸の上にタオルを付けているだけなはず。


 そんなハレンチな恰好なんて、私の姉も大概だったけど黎牙兄さんもだいぶ開放的に、やはり海外に行ったせいで変わってしまったのだろうか……。


「聞いたら答えが返って来るなどと思うな。現状のすり合わせを……はぁ、仕方ないなバスタイム後はゆったりとした服装が良いのだが……着替えるか」


「と、当然です!! そもそも『服装の乱れは心の乱れ』と常に言ってたのは黎牙兄さんですっ!! 私は今もそれを守って!!」


「はぁ、小学生のガキじゃねえんだからいつまでもそんな事言ってんな……第一、お前も勇牙とやる事はやってんだろ? 今さらカマトトぶらなくて良いだろ?」


 私は黎牙兄さんが居なくなって三年後には、兄さんの教えの重要性に気付いて実践していた。教えてくれたことも思い出して炎央院の人間たる行動を取ろうと必死だった。


 しかし目の前の従兄は昔と違って厳しい、それに勇牙と私が何をしなくてはいけないのだろうか?


「かま? 勇牙とやる事? とは何を言ってるんですか? 黎牙兄さん?」


「すこ~し!! よろしいでしょうか!! レイ様!! こちらへ!!」


 今まで傍に控えていた流美が黎牙兄さんを引っ張って行く。昔はよく見た光景だった。黎牙兄さんはあれでいて抜けているとこがあって一つ年下の従者によく助けられていた。


 お父様の秘書が黎牙兄さんならその秘書が流美だった。だからお父様にも流美には私に付いて貰えるようにお願いしたくらいだ。


「何すんだよ、る……ミス里中、あと俺に様とか付けるな――――「いいからっ!!」


「とにかくこちらへ!! 炎乃華様の情操教育に悪いので!! 早く!!」


 強引に連れて行かれる黎牙兄さんの顔は困惑に満ちていて少し笑いそうになる。今の今まで仏頂面で怖かったのに急に昔の優しくて少し頼りないけど自分たちを可愛がってくれた時と同じように見えたから……。





 さっきまでオドオドしていた流美だが今は俺の腕を掴むと部屋の隅っこへ強引に連れて行く。そう言えば前はこんな感じだったな。そして今の流美の動きと炎乃華の言動で察した、いや察してしまった。


「で? なんとな~く分かったが……どう言う事だ?」


「ええ、その……黎牙様、ではなくレイ様の追放後の二年後に私は炎乃華様付きになったのですが、その間に教育係が付いてなくてですね……炎乃華様はそう言う知識は皆無でして……気付いたのはあの方が高校二年生の時でした」


「は? 冗談だろ? てか性欲の権化みたいな姉がいてそれはどうなんだ?」


 そうなのだ、そもそも俺を追放した主犯のあの女が、門下の人間食い散らかして問題だと言われていた姉が居るのに妹がこれは違和感しか感じない。


 それに炎央院の家的事情から考えると十八くらいで俺の弟の勇牙とはそう言う関係になっていると思っていたのだが違うようだ。


「それが、炎乃華様は炎乃海様のやっている事が汚らわしい事と認識しているだけで実際のところは言葉だけで、行為の中身などは……衛刃様も奥方様が亡くなられているのでその方面には気を張られていなかったご様子で」


「おい、一応は女子大生相当だろ? あいつ……例の研究院はそんな年齢層だと聞いたが……そんな事って有り得るのか? さすがに猥談の一つくらい誰かとすんだろ? お付きなら教えてやれ……あぁ、そうか勇牙と常に一緒にいたから話せなかったか?」


「ええと……私も、そのぉ……経験が無いので……ただ、今の炎乃華様は『炎滅紅姫』と呼ばれていて、ハッキリ言うと交友関係がほとんど無くて……唯一の交友関係の有る方が術師の琴音様と言う方なのですが、その方も性知識に乏しくて」


「って、待て、お前が炎乃華のお付きなら勇牙の指南役でも有るんじゃないのか? 夜伽の指南もお前だろ?」


 一応は俺の元実家の炎央院家はそれなりの名家でしかも術師としての家系なので考えが古いカビの生えた風習が有る。


 それが性の指南役とか言う夜伽の相手役などが決まっているとかいうヤベー風習だ。ちなみにこれは十八歳の嫡子の男子に行われるものなので順当にいけば勇牙は今年なはずだ。


「ええ、それも頭を悩ませていたんですよね……勇牙様を定期的に誘惑してくる炎乃海様の対処だけでも本当に大変だったのに」


「なるほど……ん? じゃあ、お前も勇牙とはしてないのか? だが将来は正妻と愛人の一人は娶るだろうしそれで良いのかもな。お前らのペースで頑張れ」


「えっ? その私は……」


「ああ、すまなかった。完全なセクハラだったな。謝罪するミス里中」


「わっ、私は、今でも……ゴニョゴニョ」


 まだ何か言いたそうだが旧交を暖める気は無い。俺も少し近況が気になってしまって長く喋ってしまった。血の縁と言うのは中々に切れてくれない。


 ま、俺の関係の無いところでカビの生えた関係を三人で続けてくれればいい。俺には最愛の妻のアイリスが待っているのだからと思うと気が少し楽になった。





 あれから簡易的な話合いを終えた後に流美が炎乃華の恰好が酷いので服を買いに外に出た。だから俺は今は炎乃華と二人きりになっていた。ちなみに服は光位術士の隊服に着替えた。これが一番しっくり来る。


「その、黎牙兄さんの術の事とか聞いていい?」


「メリットが無い。それと俺の名はレイ=ユウクレイドルだ。炎央院黎牙は死んだ。もうこの世に存在していない。今後はレイと呼べ」


「そんなっ!! 黎牙兄さんは……炎央院の家に戻らないんですか!? 今なら確実に嫡子に、それに当主だって!!」


 やはり強さこそが全ての炎央院の理にこの従妹も囚われている。俺や衛刃叔父さんのように見分を広める事もしないで武術を中心に結局この年まで育ったのだろう、先程の性知識の乏しさも案外そう言うところに原因が有る。


 平たく言えば強ければ後は何をしても構わないと言う人間の集まり、それが炎央院と言う人種の本質だ。しかし炎乃華はこれでもマシな方だと思う、なぜならその究極に歪んだ極致こそが彼女の姉で俺の元許嫁の炎乃海だからだ。


「憐れだな……それに俺は途中で追放された身だ。もはや関係無い家の話だ」


「そんな……私と一緒に家を建て直してくれると、思ったのに……」


「その発想に至る前にお前や炎央院の家が俺に何をした? 十五歳の右も左も分からない人間を寄ってたかって追放し、刺客を放ち亡き者にしようとした」


 そう、俺を消そうとした。炎央院の家の恥となるとでも言って先導したのだろうが実際は違う。自分の許嫁が最弱の無能だったという事実を消したかった。と、そんな所だろう。狂っているとしか言えない凶行だ。


「えっ!? な、そんな事……あっ、まさか……姉さんがっ!? でも、いくら何でも……」


「それくらいやるだろ? あの人は……さて、くだらない話は終いだ。彼女が帰って来たら作戦を立てる……俺は少し寝る。レオール!! ヴェイン!!」


 呼ぶと二柱が目の前に現れて俺の前で平伏する。今この場での、下手をすれば日本での唯一の味方である二柱のレオールの頭を撫でながら指示を、ヴェインには炎乃華を見張るように任せた。


 そして俺は流美が帰るまでの間に少しだけ仮眠を取る。悪夢は見るかもしれないが目の前の女と喋るよりはマシだろうと思って俺は静かに目を閉じた。

誤字報告などあれば是非ともよろしくお願い致します。


ブクマ・評価なども有ればお待ちしています。

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