第4話
魔法の練習を繰り返して思ったことがある。
氷剣結構簡単ということだ。
初めは折れたり、切れなかったりすると思ったが、重心も安定していて、鉄もスパスパと切れる頑丈な剣ができた。
どうやって確認したのかというと、何故か部屋の隅に鉄の甲冑があったので、それの端の方に魔法を放ってみた。
すると、甲冑の鉄は、豆腐でも切っているのかと言うように意図も簡単に切れた。
それに、剣を持てないという問題が出てきた為、解決させようとした結果、氷剣を空中に浮かせることができるようになった。
流石レイ、やはり才能の塊だ。
他の魔法も、規模は小さいが、使えるようになった。
他の魔法は、氷剣と比べると練度がが低いが、その分範囲が広かったり、発動が速かったりと様々な利点がある。
「これを、ちゃん、と…い、かさない……と」
俺はたどたどしい言葉を零す。
密かに練習を続けたのは、魔法だけではない。
喋る練習も繰り返して、今では、ゆっくりと喋れば、ある程度の言葉は喋れる。
(まぁ、あんまり親の前では喋らないけど)
親の前で、年にそぐわない言葉を使わないという自信が無い。
レイは天才だが、幼少から難しい言葉を使っていた、ということは無い。
(まぁ使えていたら怖いけど)
それはそうと、最近歩くことが少しだができるようになった。
歩くというのはいい。
意外と身体全体を使うので、普段動かない赤ちゃんからしたら、いい運動だ。
心做しか前よりも少しだけ筋力と体力がついたように思う。
(いや、筋力は気のせいか?)
まぁ何にせよ、魔法や、体力面では、想像以上に練習が効いている。
魔力量はあれだが、今の俺の魔法の練度は、国でもトップクラスだろう。
魔力が足りないため、初級の魔法や、初級に近い中級の魔法しか使えていない。
魔法を発動するのには、当たり前だが、魔力がいる。
その魔力は、使うことで増やすことが出来るが、それには限度があり、幼少期に行うのが、1番効率が良いとされる。
そして俺は、もう増やしきってしまったので、魔力を自力ではもう増やせない。
ならどうやって魔力を増やすか。
それは魔物との戦闘である。
ゲームとはいえ、乙女ゲームなので、レベルではなく、倒した魔物の力の1部を吸収するという感じだ。
筋力や魔力、生命力などの基本的ステータスは勿論のこと、稀に魔物が持つスキルを獲得する人もいるらしい。
強力な魔物を倒して、強力なスキルを得るという訳だ。
(まぁ、どの種族も、生まれつきスキルは数個持っているけど)
レイが生まれつき持つスキルは、以下の5個だ。
記憶力向上・極
学力向上・極
武の才能
魔の才能
氷神の加護
この5個だ。
一般に、生まれつき持つスキルは、3個くらいなので多いと言っていい。
さらに、記憶力向上・極と、学力向上・極で難しい知識を理解し、さらにほぼ永久に記憶する。
武や魔の才能を持ち、得意とする氷の神の加護を得ている。
はっきり言って、お前が主人公しろって話だ。
何故このようなキャラが脇役なのか、それは別の機会に語ろう。
兎に角、絶対の才能を約束されているのだから、きちんと訓練すれば、世界最強も夢じゃない。
お嬢様を守れる可能性も増えるということだ。
魔法は、こおを一通り覚えたので、体が成長するまでは、魔法や魔力の練度を上げるしかないだろう。
「そういえあ」
(そういえば)
氷が得意ってだけで他の魔法も、人並みには使えたはずだ。
氷が魔法て無双して、切り札として、他の魔法も使える。
(これは強いのでは?)
流石に氷や水に合わない炎や土は使えないが、水や風は使えるはずだ。
それに風の魔法は応用性が高い。
俺は、氷の魔法に加え、水と風の魔法も練習することにした。