魔剣使いと偽魔剣 後編
『凄いな、これ』
決意を胸に、北門まで来た俺は建物があったはずのところまで更地になってるのを見て驚く。
ここまで、凄いんだ。
『まぁ、偽魔剣ならこの程度じゃろ。妾の最高威力魔法ならこの百倍はいくぞ』
『マジで』
『かなり本当じゃ。お主はまだ全然使えないがな』
ハハ、使えるようになるかもしれないのか。
「キャア、ハッハッハッ。殺す、消す。全て飛ばす」
魔剣に操られたゴラムが叫ぶ。
「言っちゃ、悪いけど気狂いじゃない?』
『妾たち3本以外の偽魔剣なんてあの程度じゃぞ。会話なんてまともに出来ないのじゃ。あんなのと妾が一緒のカテゴリーにされておるのじゃぞ』
『うん、あんなのはアズガレナとは全く違う。同じなんていうのは本当に失礼だ。ところで、あのゴラムって奴は助けられるの』
『無理じゃな。あやつは完全に魔剣に支配されておるからのう』
『ということは全力で殺していいわけだ』
『そうじゃな。ほれ、そろそろ行くようじゃぞ』
「行くぞ!!!」
ハンスさんの掛け声と共に、俺も偽魔剣に向かって突っ込む。
偽魔剣が衝撃波を作ってくるが、全て避ける。
アズガレナのお陰で、スピードもろもろ上がっているので、今まで以上に避けやすい。
『お主の反射神経と条件反射は本当に異常じゃな』
それが俺の取り柄らしいしね。
このぐらいはできる。
全ての衝撃波を避けて、偽魔剣を持っているゴラムの腕をアズガレナで斬ろうとするが、普通に偽魔剣で守られたので、無理に押し込まず、ゴラムの体制を崩す。
体制が崩れている間に6箇所ほどゴラムの身体を斬ろうとするが、魔力がしっかり通っているのか、アズガレナでも薄くしかきれなかった。
『うむ、何も妾の技を使ってないとこの程度か』
『いや、魔法も何も使ってなくて、魔剣持ちに傷を負わせるのって普通に凄いんだけど』
『妾じゃからな、それより弱点分かったのか』
『うん、簡単だった』
「殺す、殺す、消す、殺す、殺す」
奇声を上げながら、俺が嫌なのか、偽魔剣は森の方へ走っていく。
追いかけないとな。
「ハンスさん、後は任せてください」
「おめえ、やっぱ、おかしいよな。だが、任せた。頼む」
「はい」
「他の奴は万が一に備えて、半分は待機。半分は避難を手伝ってこい。おい、リューズ」
「なんですか?」
「本気でやってこい。何かあってもギルドが全力で守ってやる」
「わかりました」
ハンスさんに了承を取り、偽魔剣を追いかけた俺は五百メートルもすると偽魔剣がその場で待っていた。
そして、また、例の衝撃波攻撃をしてくる。
もちろん、俺は避けながら近づいていく。
弱点は相手の動きやさっきの斬った感覚で掴んだ。
首の後ろだ。
先程と同じように相手を斬れる距離まで近づくと素早く後ろに回り込む。
首の後ろにアズガレナを突き刺すと、想像通りすんなりと突き刺さる。
「殺す、殺す、殺す、殺す」
悲鳴なのか、わからないけど、偽魔剣の奇声が一段と大きくなる。
だけど、気にしない。
『頼む、アズガレナ』
『ふむ、いくのじゃ、〈血決闘(ブラッティクレイド〉』
アズガレナが魔法の名を行った途端、少しクラッとする。これが血を抜かれた感覚なんだろう。
『抜くのじゃ』
アズガレナの声に合わせて、魔剣を抜くと、ゴラムの身体のあちこちが爆発し血が吹き出る。しばらくすると、ゴラムの身体が倒れ、魔剣が手から離れ、うるさかった奇声が治る。
『これが〈血決闘〉じゃな。原理としては、お主が妾に水魔法やったのと同じじゃぞ。妾の場合はあいつの体内に流れている血と魔力に干渉して、血と魔力を爆発させたから、殺傷能力は段違いに高いのじゃがな。おい、お主。大丈夫か』
『うん、この特殊魔法の威力に驚いたのと、血を抜かれる感覚に慣れないだけ』
『これぐらい、慣れて欲しいのじゃがな。お主次第ではもっと凄い妾だけの魔法を放てるし、その時はもっと1度に血を抜かれるからの』
『できれば、もう少し、これに慣れてからがいいかな』
アズガレナの威力に驚きつつも、俺は無事、偽魔剣を倒した。
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作者は楽しみにしております。




