魔剣使いと祝勝会《INライクル》
「ゴホン、それではリューズさんの勝利を祝して乾杯!!!」
「「「「「「乾杯」」」」」」」
まだ、辺りも暗くない午後5時。俺の勝利を祝して祝勝会が開かれた。
発端はもちろんカート。
俺はあの戦いが終わった後、アズガレナと素早く合流して、変なことに巻き込まれる前に急いで、森に入った。
みんなが帰ってきて混む時間より少し前に討伐を終えてギルドに戻ってきたら、カートが待ち構えていた。どうやら、俺が預けた金を返すために俺のことをずっと待っててたらしい。
その後、祝勝会やりましょうとなり、完全個室のオススメの食事処を抑えてありますと、確実に外堀を埋められて、開催されることとなった。
迷惑をかけたので、ニーナさんも誘ったら、ハンスまでついてきた。何故?
というわけで、俺、アズガレナ、ニーナ、ハンス、カート、エバ、ユナの7人で祝勝会という名の食事会をすることになった。
「リューズさん、勝利、おめでとうございます。やっぱり、リューズさんはすごいですね」
「ありがとう、カート」
「本当に凄いです。攻撃を避けて、一撃で決める。わたしもリューズさんをさらに見直してました」
「お陰であたしたちもかなり装備に回せるお金もできたしね。本当に、リューズさん様々だわ」
「ほう、お前らはこいつに賭けてたわけだ。まぁ、昨日のこと考えれば、当然だけどな。で、どんぐらい儲けた」
「は、はい。で、でも、僕らなんか全然で。リューズさんのほうが」
カートがハンスの質問にガチガチになりながら、無駄なことまで答えていた。
「いいよ、緊張なんかしなくて。別にここで何かあったってお前らのことを不当に扱ったりしないって。ほら、楽しく飲もうや」
「かと言って、相手にお金ことをきくのは野暮ですよ、ハンスさん。でも、そうですか。そんなに稼いだのなら、今日はリューズさんの奢りですよね」
「いや、ちょっと待ってください。今日は俺の祝勝会ですよね。なんで、俺が奢るんですか」
「いいじゃないですか。リューズさん、あまりお金使っている様子ないし。いつも私が色々と用意してるんですよ。今日ぐらいいいじゃないですか。それとも私たちに払わせるんですか」
周りを見渡す。
アズガレナ‥‥‥俺の魔剣
カートたち‥‥‥Eランク、出来ればお金を有意義に使ってほしい
ニーナさん‥‥‥出来ればねぎらってあげたい
ハンス‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥特になし
まぁ、あの賭けでお金に余裕はだいぶあるしいいか。
「わかった、奢ります」
「よっ、リューズ、太っ腹」
ハンスさんが陽気な声を上げる。
「ハンスさん以外」
「ちょ、そりゃ、ないぜ、リューズ」
「そうですよ、ハンスさん。ハンスさんは自分で払ってください」
「ちょ、ニーナちゃんまで」
「「「フフフフ」」」
笑い声が個室に響く。
「冗談ですよ、ハンスさん」
「はぁ、よかった」
「お主が奢ってくれるのなら、遠慮はいらぬな。妾はここのデザート食べ切ってやるのじゃ」
アズガレナが、片っ端からデザートを店員さんに頼んでいた。
俺とアズガレナの財布は共通だからね。
「まぁ、お前が勝ってくれて一安心だ。最後のはちょっとやりすぎな気もするがな。ゴラムのやつ、この地区のギルドで高ランクなのをいいことに好き放題やってたからな。こっちとしても、扱いに困ってたんだ」
「本当にCランク何ですか?ろくにガードも駆け引きもしてこなかったですけど」
「そうなのか。もしかしたら、なんかあるのかもな。あとは、お前が強すぎるかのどっちかだな」
「リューズさんが強いんですよ。第二のキースさん、いいえ、キースさんだって超えられますよ」
「ゴホッ」
ニーナさんからキースの名前が急に言ったせいで驚いて、唐揚げが詰まった。
急いで、水を飲む。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫なので、話を続けてください」
「はい。ほら、リューズさんも明日にはDランクになりますし、キースさん越えも近いかなって」
「ニーナさん、質問なんですけど、キースさんって、最近亡くなった、元勇者ですよね。もちろん、1人でCランクというのは凄いとは思うんですけど、正直、ほかの高ランク冒険者と比べてもパッとしないっていいますか」
エバの他愛もない質問が俺の心に突き刺さる。
「まぁ、確かに普通の人や下級冒険者ならそう思うのは無理ねえな。でも、俺ら冒険者ギルドの職員や多分、嬢ちゃんが今思った高ランク冒険者はキースに一目置いていたやつが多い。なぜなら、そいつらは1人で戦うことがどんなに大変か熟知しているからだ。カート、剣士なら1人で戦うとき、何が1番大変か、わかるか」
「回復じゃないですか」
「正解だ。パーティーならそっちの嬢ちゃんみたいに回復担当を入れたり、誰かがモンスターの目をひきつけている間に回復すれば良い。だが、1人でそれは困難だ。そんな時間はない。でも、キースはそれを毎回乗り越えるんだ。知り合いのAランク冒険者が漏らしてたよ。あいつの反射神経と状況判断力は異常だってな。それは俺らだって何となくわかる。会ったこともあるしな。だから、キースは俺たちの中で評価が本当に高いんだ」
「それにキースさんって人柄も凄いいいんですよ。この地区に来てくれた時も凄い親切で誠実な方でしたから。どの地区でも評判良かったんですよ」
「だから、あいつが聖剣に選ばれたって聞いても、世間は「Cランクなのに」とか、ぬかしてたが、俺らは誰も驚いてなかったなぁ。当然だとな。まぁ、相性が良くなかったのか、思うような結果が出なかったうえに、死んじまうなんてな。惜しいことをするもんだよな。多分、冒険者引退しても職員として引く手数多だったろうに」
あー、やばい。凄い嬉しいけど恥ずかしい。
『ほれ、言った通りじゃろ。お主は凄いんじゃよ。自信をもっと持つのじゃ』
『悲観的になるのは辞めるよ。あー、嬉しい』
『よかったのう』
あー、今、まともに誰の顔も見れない。
絶対に顔が緩み切ってる。
「すみません。軽はずみな質問でしたね」
「いいって、あいつの凄さがわかるやつが少しでも増えてほしいしな。よし、真面目な話はおしまい。飲むぞ」
そう言って、ハンスは目の前のアルコールを一気飲みした。
「兄貴、ドンマイですって。また、すぐにやり直せますって」
「うるさい!!!あいつのせいで、俺の人生、真っ暗じゃねーか!!あいつのせいで!!せっかく、色々してCランクまでなったというのによ!!何で、俺様がこんな森の中にいなくちゃいけないんだ!!」
「入ったのは兄貴じゃないですか」
「うるさい!!あいつのせいだ。というか、あの街の人間のせいだ。いや、俺以外の人間のせいだ。みんな、みんな、みんな、みんな」
この俺様、ゴラムがこんな目にあうなら、世界がこの全ての人間が間違ってるんだ。
『いい恨みだなぁ。その激しい怒り、恨み、そして場所のお陰でようやく繋がれる』
「誰だお前!!俺に話しかけている奴は誰だ!!」
「ゴラム様、どうしたんですか?」
「兄貴、どうしたんですか?」
『そこの地面を掘って見ろ。凄まじい力を得られるだろう』
「この地面か。おい、お前ら、ここを掘れ!」
「どうしたんですか、ゴラム様」
「いいから、掘れ!!」
部下たちが、30分近く掘ったとき、部下の1人が何かを発見した。
「ゴラム様、何かありました!」
「どけ」
2人を退け、掘った穴の中を探る。
『そうだ、触れ』
その物体に触ったところで、ゴラムの意識は切れた。
「はっ、はっ、はっ、ようやく乗っ取れたぞ。久しぶりだぁ!!!あぁ、人を殺して。何もかも壊してぇ」
「どうしたんですか、兄貴」
「あぁ、人だ。殺す、殺す、殺す」
数分後、その場に赤い血溜まりができた。
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