魔剣使いと決闘要請
昨日はすみませんでした。
「リューズさん、リューズさん、ギルドまで付いて来てくださってありがとうございます」
完全に懐かれた。特にカートに。
いや、あの輝かしい目から予想はしてたよ。
それで、「ギルドに戻るなら一緒に行ってもいいですか?」っていう申し出もわかってたし、断るのも違うと思うから一緒に帰ることにしたよ。
いや、でもまさか。ギルドに来るまでの1時間、ずっとマシンガントークされるとは思わなかった。
このパーティーの成り立ちから、自分の過去や目標、俺への質問まで。うん、今、カートたちのことについてのクイズだったら、全問正解できる気がする。
あと、今は後ろで2人で話している彼女たちもカートほどじゃないけど、ガンガン話に入ってきた。
うん、想像以上に疲れた。
『おつかれじゃな』
『まぁね』
3人と一緒にギルドに入る。
「リューズさん、換金にいきましょう」
「ちょっと待ってね。俺の場合、受付の人に連絡しなくちゃいけないから」
初めて、換金した次の日も最初の日より少し少なめにしたが、ニーナさんから「クエストの精算もするので換金する前に呼んでください」って言われた。
なので、ニーナさんを呼びにいく。
「受付の人に帰ったことを報告しなくちゃいけないくらい、信頼されている。流石、リューズさんです」
もうカートは俺もすべきこと全てカッコいいって言いそうだな。
ニーナさんのところへ行こうとすると、ニーナさんの前に3人の冒険者がいる。
うっ、あの、恰幅いい後ろ姿は‥‥‥。
少しあとにしよう。
面倒ごとは避けよう。
「だから、食事には一緒にはいきませんので」
ニーナさんの声が聞こえてくる。
「だ、か、ら、俺がせっかく誘ってやってんだ。素直に受けとくべきだぜ。何度も誘ってるが、今までは仕事だからって断ったんだ。今日、仕事が早く終わるって言ってだぞ。なら、俺と食事に行けるじゃないか」
「そうだ、ゴラム様に誘われるなんて光栄なことなんだぞ」
「いいじゃん、食事ぐらい、ねぇ」
「いえ、ですので。わたしは本当に結構です」
「それはないぜ、ニーナさん。何度も誘っている男を断るなんて」
いや、何度も断ってるなら諦めろよ、と思うのは俺だけか?
周りの奴らは動こうとしないし。
今のニーナさんの嫌そうな声聞いて、無視するのはなぁ。ニーナさんにはまだ色々してもらいたし。
面倒くさいことが早くなったと考えればいいか。
「ちょっと、すみません。ニーナさん、換金するんで、お願いします」
男たちの間をすり抜けると、ニーナさんに声をかける。
「リューズさん、はい、わかりました」
ニーナさんの顔がパッと明るくなる。
本当に迷惑してたんだね。
「おい、ちょっと待ちな!!どういうつもりだ、そこの見ねー顔」
当然、ゴラムの怒りの声が届く。
さて、ニーナの方に行かないようにヘイト稼ぐか。悶絶させられた相手だと気づけば、勝手に上がってくれそうだけど。
「いや、だって、ただのナンパでしょ。お前らがやってるの。俺は彼女に仕事を頼んでるの。そういうくだらないことは後でやってくれないかな。というか、何回も断られてるのを自分のせいとは考えないわけ」
「なんだと貴様!!そこまで言うからには覚悟できてるだろうな!!この地区のトップ層、Cランクのゴラム様に逆らったんだ」
うぁ、元の俺と同じCランクかよ。
こいつが俺と同じランクにカテゴリーされている冒険者とか悲しい。
周りが手を出せない理由は分かったけど。
「ゴラム様、こいつ、先日の幼女連れていた、若造ですぜ」
「何?こいつが。ほお、新参者のくせに俺にその口の聞き方とは。それに、なんだ。その眼帯は。一流にでもなったつもりか?微妙だぞ、それ」
うるせぇ。眼帯は今、どうでもいいだろうが。
「兄貴、やっちゃいましょうぜ」
「あぁ、あの時、教育できなかったツケをきっちり味合わせてくれるぜ」
3人が各々、武器を振りかざす。
「はい、ストップ。ゴラム、お前、前も暴れて今、やばいの忘れたか?」
エリクが仲介に入った。
よし、ギルドが仲介した。
ギルドが動いてくれたなら、あとは良いところで終わる。
戦うことは避けたいな。勝てるけど。
「うるせぇ、エリク。こいつは俺を怒らせたんだ!」
「あのな、お前の実力は認めてはいるが、素行を少しは良くしてくれ。新米に毎度のごとくいくんじゃない」
「なんだと、ギルドは強い奴が必要なんだろ。俺のことよりそこの弱い新入りの方が大事なのか」
「リューズさんは弱くありません」
2人のやり取りに口を挟んだ奴がいる。カートだ。
「リューズさんは今日、1人でボーリックボスウルフを倒したんです。弱いわけありません」
おい、辞めろ、カート。
なんか、周りがオーーーーーって感じになったじゃないか。
エリクさんもなんか俺を見て、笑顔でうなづいている。
「それは後で俺が確認するとして。ゴラム、今はやめろ。明日、ギルド主体で決闘を開く。勝った方が相手の要件をきく。それでどうだ」
あれ?決闘する、流れですか?
「ふん、いいぜ。俺が勝ったら、あいつのギルド追放、罰金、あと、その剣をもらう。あの装飾の付いている剣は弱い奴には似合わねーよ。で、あいつが負けたら俺があいつに罰金を払う」
あっ、やっぱり剣は気になりますか。
でも、あなたが持ったら、多分、灰ですよ。
『あんな奴が妾を持っても、確実に灰じゃな』
確実らしいです。
「いやいや、それじゃあ、釣り合わないぜ。お前のギルドランクを下げるのと、この支部からは追放ぐらいは入れてもらわねえとな」
「はぁ?なら、今はいねぇ、あいつが連れている幼女を俺の元にくれることも条件に加算だな。まあ、数日間、楽しませてくれる程度にはやってくれるだろう。まぁ、その程度だけどな。
「そうですね。兄貴に歯向かったことを幼い身体に味合わせてやりましょう」
「グヘヘヘヘ」
ゲスが。死ね。
お前たちだけは殺す。殺す。
こんな奴ら、冒険者から消す。
容赦は本当に殺さないだけだ。
「エリク、賭け金追加だ。まず、1対3でいい。それで、そいつとその仲間をを冒険者ギルドから追放する代わりに、俺が負けたらそいつの目の前で死んでやるよ」
「ちょっ、お前」
「いいぜ、成立だな。明日を楽しみにしてるぜ」
ゴラムは豪快に笑うと冒険者ギルドを去っていった。
「ところで、エリク、換金を頼む」
「おお、お前、なかなかすごいな」
面倒くさいことが早めに済んでよかった。
あいつらを早く消せるんだからな。
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作者のモチベが上がります。
昨日はリアルが忙しく過ぎた。
楽しみにしてくださっていた方、すみませんでした。




