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魔剣使いと技の代償

今日はこの話だけです。



ベスタートル。Eランクの魔物で黄土色の硬い甲羅を持っているのが特徴。行動もゆっくりで、攻撃手段も体当たりぐらいなので危険性は少ないのだけど、硬い甲羅のせいで攻撃が通らないことが下級冒険者の間では常識になっている。新入りでわざわざこのモンスターを倒すようなことはしない。


「ベスタートルなら俺が怪我することは多分ないからアズガレナの試し切りにはぴったりかな」


「うむ、もう少し強そうなやつでも良いのじゃがなぁ、妾の強さを見せつけるには、こやつではちょっと不釣り合いなきも‥‥‥まぁ、いいのじゃ」


そういうと、アズガレナが光り、真紅の魔剣となる。

俺は魔剣を持つとベスタートルに向かって駆け出す。


「うわぁ、速!!」


聖剣を使っていたよりも断然速い移動速度、そして、体のキレに体がうまくついていかない。

華麗にベスタートルの横を通過して、少し離れた大木に思いっきりぶつかる。


「痛ってぇ!!」


『クックックックッ』


アズガレナから嘲笑が聞こえてくる。


『アズガレナ、もしかしてわざとやった。俺に身体能力が上がるって教えなかったけど。まだ、あの笑ったこと怒ってるの』


『なんの(クックッ)ことじゃ。妾、(クックッ)は何も仕組、(クックッ)おらんぞ(クックッ)』


大爆笑じゃないか。

仕組んだな、これ。


『それはそうと来ておるぞ』


「わかってる」


体当たりしてきたベスタートルを回避。


『さてと、まず戦闘面でお主の役に立つ効果は1つ目は念話じゃな。聖剣を使っていたお主なら知っていると思うが、この状態の妾と実際に喋らなくても会話ができる。2つ目は今もお主が体感しているように素早さなどが上がる。まぁ、これはお主の身体が変化した影響もあるから、妾を使ってなくても少し違和感は出てしまうかもしれないのじゃから注意しておくのじゃ』


『わかった』


ベスタートルに狙いを定める。

俺は何度も相手に当てることで、モンスターの弱点を探す。

また、俺に体当たりしてくるベスタートルの攻撃を右に避けて交わし、側面を魔剣で斬る。

スパッと切れて、ベスタートルは絶命した。


「だから、いったじゃろ。不釣り合いじゃって。あのぐらいの硬さだったら、妾じゃったら、何事なく切れるわい」


いつのまにか、人間の姿に戻っていた、アズガレナがさも当然のようにいう。


「凄いな、ベスタートルなんてかなり時間がかかるモンスターなのに一撃で」


「妾は特別じゃからな。ただ、戦闘面でも欠点はある。お主、水魔法を打ってみるのじゃ」


「〈ウォーターボム〉」


俺が唱えた魔法は全く起こらない。


「そうなのじゃ。妾と契約すると普通の魔法というのが使えなくなる。まぁ、お主は魔力も少ないし、使える魔法も少ないようじゃから、あまり欠点にはならなそうじゃが」


「あまり、コンプレックスを抉ってこないでくれるかな」


「その代わり、妾だけが使える強力な魔法があるのじゃ」


「それっていま使っても大丈夫なもの?」


「辞めるべきじゃな。妾の魔法はお主の血を媒介にする。今のお主なら妾の1番弱い魔法を打ったら8回で、中くらいの魔法だと1回で空になるぞ」


「なるほど、だから俺の血が青色になったのか」


「そうじゃ。血を増やす方法は死んだ相手から奪うか、お主が生きている人間から吸うの

どちらかじゃな」


「‥‥‥‥‥‥うん?」


俺、何か聞いてはいけないことを聞いたような。


「ちなみにおすすめは後者じゃな。その方が1度に補給できる量は段違いに多いいぞ」


「いやいやいやいやいや、無理だって!!」


これって、誰かに血を吸わせてくださいって頼んで、俺がその子に噛み付いて血を吸うってことだろ。うん、無理。


「ちなみにじゃが、妾の前の使い手は毎日十五人の女性から血を吸っておったぞ」


「そんな男と一緒にするな!!」


なんだよ、その男。

なんで、十五人から血を吸えてるんだよ!

そいつ、俺とは次元が違うぞ、絶対。


「あっ、男でもいいのじゃぞ」


「絶対に嫌だ!!」


男のどこかを噛む。

うっ、想像しただけで吐き気が。


「だがのう、血は何も使わなくても減っていくから、増やさないと死ぬぞ。お主はあと百日じゃな」


「うわぁ、聞きたくない情報」


俺が生き残るためにはどこかで血を補給しないとダメ。

うーん、出来る限り前者で頑張ろう。

昨日、声優の茅野愛衣さんのYouTubeを発見し、リフレッシュのために聞いたら、2時間、執筆活動が止まりました。いやー、本当に良かった。

これからも頑張りますよ。


評価の☆、ブックマーク、感想お待ちしてます。


さーて、今日の茅野さんのラジオを、聞くぞ!!

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