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現役最強の魔法少女VS伝説の魔法少女

 ウルータ将軍は叩き上げの軍人だ。研鑽を積んだ猛将だ。だが今回は相手が悪かった。

「さすがは生え抜きの勇士だ。武名を轟かせているだけのことはある。なかなか楽しかったぞ。ウルータ」

「ハァ…ハァ…」

 疲弊しきったウルータは気力をふりしぼって斬り込もうとする。だが握っていた剣をグリルノートの大剣に打ち落とされてしまった。

「!?」

「さらばだ」

 グリルノートは大剣を振り下ろして、ウルータを屠ろうとする。ウルータが死を覚悟したその時…

「そうはさせねえ!」

 駆けつけたナックスが強化した腕で大剣を止めた。

「!?おぬしは…」

 軽んじていた者に助命されたので、ウルータは感無量になる。

「ナックス…!」

 目当ての敵が参じたので、グリルノートは胸が弾む。

「ここからは俺が相手だ!」

「決闘に相応の場所を見つけてある。ついてこい」

 珍しく笑みを見せると、グリルノートは目的地に向かって歩き出す。

「え?お、おう…」

 戸惑ったが、とりあえず彼についていくナックスだった。



 街中では夏希と紗季が激戦を繰り広げている。

「『エアツイスト』!」

 紗季が夏希に手を向けると、ねじれた空気が夏希を襲う。

「おっと!」

 夏希は洗練された動きでそれをかわした。

「『ねじれ』の能力か。性根がねじれてるアンタにピッタリの能力ね」

『ねじれ』の能力は触れたものを何でもねじれさせる。殺傷力が高くて、えげつない能力だ。


「ほらほらぁ!どんどんいきますよぉ!」

 ねじれた空気が襲いまくるが、夏希は華麗によける。

「荒削りだけどセンスがいいわね。頭角を現してるだけのことはある」

「他人の批評なんてしてる場合ですかぁ!?」

 襲ってくるねじれた空気をよけながら、夏希は反撃する。

「『プラズマジャベリン』!」

 飛んでくる電気の槍をよけながら紗季は攻撃する。

「『エアツイスト』!」

 夏希がねじれた空気をよけると、紗季は錠剤を取り出して飲みこむ。

「?」

 夏希がその行為を不思議がっていると、紗季は説明する。

「あーこれ?数日前に魔法少女組合が開発した魔力を回復する薬です。うらやましいでしょ」

 この薬品は技術の粋を結集して開発した代物だ。夏希は興味深そうにニヤリと笑う。

「へえ、いいもの持ってるじゃない」

「あげませんよー」


 またねじれた空気で攻撃してきたので、夏希は軽やかによける。すると紗季は手の平を地面に密着させる。

「『ソイルツイスト』」

「!?」

 今度はねじれた地面が夏希を襲う。意表を突かれた彼女はギリギリでかわす。

「『エアツイスト』!」

「うっ!?」

 体勢を崩したところで、ねじれた空気が命中した夏希は勢いよく吹き飛んだ。

「何が伝説。もうアンタの時代は終ったんや。くたばれ夏希!」

 紗季は倒れた夏希に決定打を与えようとする。だがそれは無理だ。

「!?」

 突如、夏希の姿が消えた。

「どこに行った!?」

「ここよ」

 いつの間にか夏希は紗季の背後に立っていた。

「このっ!」

 紗季がキックを放った時にはもう夏希はいなくなっていた。

「瞬間移動?いや、超スピードか!」

 紗季が対応に困っていると、夏希は彼女の背中を蹴飛ばす。

「うっ!?」

「ご明察ね。これがアタシの奥の手『電瞬駆(でんしゅんく)』よ。疲れる技だから、あまり使いたくなかったけど」

 これは電気を通して手足に指令を送り高速移動する技だ。この技は天賦の才が必須なので、会得している雷使いはごくわずかだ。夏希はまた紗季を蹴飛ばす。

「うっ!?」

 倒れた紗季は立ち上がるが、速すぎる夏希にまた蹴飛ばされる。

「うっ!?」

 立ち上がった紗季は超スピードに翻弄されてまた蹴飛ばされる。

「あうっ!?」

 とんでもない高速移動を前に紗季は為す術がない。

「なんて速力や。速すぎるやろ…!」

「格の違いが理解できて?現役最強の魔法少女さん」

 夏希は紗季の顔面を鷲掴みして後頭部を地面に衝突させる。

「んあっ!?」

「アンタは才能にあぐらをかいてる半人前よ。基礎訓練からやり直しな」

(これが白鳥夏希…これが伝説の魔法少女…!)

 厳しい現実を痛感した紗季は失意しながら気絶した。


「悪いけど失敬するから」

 夏希は紗季の服から魔力回復の薬を拝借する。そして、それを飲んだ。

「これで魔力が回復するはず」

「紗季に勝ったんですね!さすがです夏希さん!」

 ボロボロになった春奈が感激しながら駆け寄る。

「アンタも勝ったようね春奈。えらいわ」

 春奈は紗季の手下二人と対決して、辛勝したのだ。夏希は春奈の頭をなでながら賞した。

「えへへ~夏希さんにほめられるなんて多幸多福~」

 春奈が満面の笑みで喜んでいると、勝利を見届けたセラリスがやってくる。

「夏希さん、春奈ちゃん、お疲れさまです」

 一安心したセラリスは苦難を乗り越えた彼女達を労った。

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