追いかけました。
連れて帰られるかな?
いつ捕まえられるのか。捜索の旅はまだまだ続くのか。
「うーん、河童はどこに行ったのやら…おっ、いた!」
河童に近づいてみると、何か持って考えているようだが話かけてみた。
「見つけた。オレと一緒に戻ってもらおうか?て、何持っているんだ?」
「あ!あなたは…。すみません、ここで拾ったんですが、これなんだと思いますか?」
拾った物を渡す。渡された物を良く見てみるカラス天狗。
「これって本だろ?内容は…」
どこからか声が聞こえてくる。
「待てぇ!貴様か俺の大事な物を盗んだ奴は!」
「えっ?何?」
声のする方向を見ると熱血的な性格をしてそうな猫又が。猫又とは、猫の妖怪です。
「いや、オレじゃない。この河童が…いない!」
ほんの数秒前に戻る。カラス天狗に拾った物を渡したあと。
「(この落ちてた物を探している方がいるかも知れない。ちょっと回りを見てこよう)」
何も告げずに行ってしまう河童。そして今になる。
「オレは盗んだんじゃない。拾った…」
「問答無用!」
「あの河童どこに行ったんだ。それにしてもまた、この展開かよ~」
この猫又は体術が得意のようで蹴る殴るの攻撃をしてくる。
それをかわすカラス天狗。
「盗っ人が素直に捕まれ!猫の拳!」
「だから、盗んだんじゃないって。それにそっちは、捕まえるというよりは倒そうとしてるじゃないか」
「そうだ。倒して捕まえようとしてるんだ!」
「じゃあ、捕まれない」
必死に避けるカラス天狗。攻撃し続ける猫又。
そこに戻ってきた河童。
「うわっ!何が起きてるんですか?」
「すまない。そこの河童君、この盗っ人を捕まえるのを手伝って貰えないか?」
「あっ!河童戻ってきたのか。こいつに言ってくれよ」
「何?!この盗っ人の仲間か」
「うぎゃあ~!どうしよう~」
「ちょっと、河童。お前どけ。危ない!」
慌て回る河童に攻撃を避けていたカラス天狗がぶつかる。
「痛たたた。何で避けた先にいるかな」
「そんなこと言われても、そっちから来たんじゃないですか」
「やっと捕まえたようだな盗っ人共」
「かぁ!」
「あわわ!」
「盗みをするような性格が曲がった奴らは、俺が叩き治してやる」
「いいよ。オレは」
「私もお構いなく」
「じゃあ、まずは準備運動だな」
熱血系猫又の猛特訓中…。
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、しんどい」
「私は、もう無理です」
「どうだ。身体を動かすって気持ちいいだろう。盗みなんて辞めて、俺と一緒に修行の旅なんてどうだ」
「だから、オレ達は拾っただけで盗んでなんかいないって」
「そうです。私も西へ行く旅の途中ですが、毎日これはさすがに困ります。それにしても何で盗まれたと思うのですか?」
「えっ?!だっていつの間にかに無くなっていたから」
「それだけの理由で、こんなめに!」
「うん。そうだけど」
河童の質問に答える猫又、答えた結果にビックリするカラス天狗。
「それにしても、さっきから君達と会話していて思ったんだが。もしかして本当に拾ってくれてたの?」
「だから、最初っから拾ったって言ってるじゃないか」
「そうです。私が歩いてたら、たまたま気がついて拾ったんです」
「あぁ、そうだったんだ。ごめん!無くなった瞬間になんの疑うことなく盗まれた物だと思い込んで、そのまま探し続けていたので、本当にごめんなさい!」
「私はいいんです。では、旅があるので、これで」
「オレもいいや。誤解がとければ。じゃ、やることがあるので…あっ!待て河童!逃がしはしないぞ」
「逃げられませんでしたか…」
とやりとりをしていると、どこからか泣き声が。
「うぇ~ん!」
「泣き声が聞こえてきますね。行ってみましょう」
「あっ!待て河童」
さて、泣き声の方に行くとどうなるのか。次回へ。
泣き声が聞こえると気になりますよね。