トマの日記~ドミニク・その1
15歳の少年から大人への旅の記録
ドミニクは小さなシアターで一人芝居を毎週やっている。
演劇を勉強している学生たちが集まる、食事もできるシアターだ。
バーがある建物の螺旋階段を下りていくと暗がりにスポットライトをあてただけの
狭い舞台がある。つくりは簡単だけど、熱気は大劇場にまけてない、と僕は思う。
そんな舞台でドミニクは妙なメガネと真っ赤なマフラーを巻きつけて、自作のコントを
演じてた。
やんやと仲間のひやかしがほとんどだけど、時々、本物の笑いをさそってた。
ママは僕の耳元でささやいた。
「ちょっといいでしょ。」
ママがいいという点は、多分、パフォーマンスではなく、ドミニク自身の事だ。
新しいママの恋人登場。確かにチャーミングだよ。
目がママ好みに丸くて、笑顔がとにかくいい。
出番を終えて、仲間たちに肩をたたかれながらママの所にやってきた。
熱い抱擁とキスがしばらく続いてから僕は紹介された。いつものダンドリ。
ドミニクは可愛い目をパチクリさせて、僕の両頬にキスをしてくれた。
いささか、戸惑っている。そりゃそうだろう、といつも思う。
二人は、いや、僕もいれて三人は食事をしてから我が家へ。
ようやく二人の時間がきたよ、ドミニク。と僕は思いながら自分の部屋に入った。
そして、ぼくは日記にかく。食事中にママとドミニクが話していたことを。
事細かに。仔細もらさずに。ドミニクの巻の始まりだ。




