短編詩集「栄養のとりかた」
都会育ちなんですがちょっとした自然て覚えてて
不思議です。
「ある小さな公園にて」
風が吹いて、大雨のあとに池が出来て、なんとも美しい絵のようでした。
しかし、私はこのように
空も風景も絵のように
自分の目に映るのが
少々さびしい気がします
自然は自然で 舞台ではありません
そこには生き物の音がして
風がおどり
雨の匂いもあるのです
その匂いが草っぽいかほこりっぽいか
ほこりっぽい雨に
慣れているはずなのに
草の雨が懐かしいのはなぜでしょう
露草のつゆをわかるのはなぜでしょう
それはそれは みんなの宝箱におしまいの
大切な物なんですね
ゆっくりと時間をかけて
大切にされてゆくでしょう
ときにはお話しの中で
ときには歌の中で
その宝箱はゆっくりと
いまだに続いているのです
例え、草木のない未来絵を描こうとも
「月夜に」
わたしのほうからお月さまに近づくのは
とても無理なので
どうかその
望遠鏡とやらで
あのときの屋上のように
わたしをお月さまに
近づけてはくれませんか
「天の川」
天の川はもうここからは
見えなくなってしまいました
彦星と織姫が
会うところを見られたくないとばかりに
雲に隠してしまったのでしょうか
きっとあの
霞んだ空の向こうでは
きらきらと
静かな恋が
輝いていることでしよう
「墨染の桜」
秋より先の紅葉があった
桜に墨染で咲けと思うような
悲しいことがあったとしても
墨は水で流れて薄くなって
もとの花色に戻るものであると
思っていたい
「流」
水墨画の桜を眺めてきた
しかし今年ばかりは、墨はながれおちて
春色の桜を楽しむことができた
目を下げれば脈々と流れる水を感じ
今年は春の桜を迎えようと
流れていた自分の心を思い返す
月を眺め、花の舞に誘われて
海や山の心を持っていたことが
思わぬ春の桜の美しさを見ることに
なったのだろう
「栄養のとりかた」
言葉に頼るな
迷ったら砂地を走れ
木の声を聞け
大地の風を
川の流れを見ろ
全身で自然の木漏れ日を感じろ
自分の感受性を復活させろ
地平線は悲しくとも
ここでは見にくいが
水平線なら見えるところがある
あの砂地を走れ
風とともに
華やかな桜の木の幹はとても生命力があります。
はかなさと生命力を持ち合わせてると思います。