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レグルスの魔境


【レグルスの魔境】、それが泰斗たちが向かっているダンジョンの名前だ。

ダンジョンの名前はどのように付けられるか、というと第一発見者が付けることが決まりとなっている。

多分そのダンジョンの第一発見者はレグルスという名前の人物であったのだろう。

発見されたのは10年前らしい。


そして、まだ残っているということはダンジョンが踏破されていない、つまりまだフロアボスはいるということだ。

ダンジョンのフロアボスが倒されるとダンジョンは消滅する。

ダンジョンは下に進めば進むほど難易度が上がっていく。

最初の階層は初心者でもできるようになっているが、最下層になるに連れて上級者でも不可能になっていく。

そもそも、ダンジョンをクリアした者など人族ではあまりいない。

冒険者SSランクの者が数名集まってようやく踏破できるが、そんな大物達が集まることなどそうはない。

過去ダンジョンは大陸のもの全てを合わせると十個あった。

しかし、現在は六個しかない。

四個は王国、帝国、獣国、魔国が一つづつクリアし、それぞれがダンジョンコアを所有している。



泰斗とティオは【レグルスの魔境】に到着した。

「俺はダンジョンは初めてだ。ティオ、案内頼めるか?」

「はい、任せてください。といってもあんめり【森】と変わらないですよ。私は最初の階層とその下の階層は行ったことがありますのでそこまでの道なら分かりますよ」


【レグルスの魔境】は 35階層まであり、冒険者で到達したのは最大28層までだ。

泰斗とティオが到着した時も何人かの冒険者達が見られた。

ティオは慌てて自身に【変化魔法】を小声で唱える。


【我が姿をかえ真実を偽りたまえ】

ーーーーー変化魔法、完了ーーーーー


すると、ティオからウサ耳と尻尾がなくなり、普通の人間の姿となった。

【変化魔法】は【無属性魔法】の一種でその姿を変えることができる。

どうしたら見破れるかというと、幾つか方法がある。


1、魔法を掛けた術者よりもMPが高いこと

2、真実を見極める魔眼あるいはアイテムを持っていること

3、術者を正しく識別すること


3の正しく識別する事とは、姿を偽っていてもその人だと特定できる何かを認識すれば見破ることができる。


しかし、ティオのMPよりも高い者はそうはいないし、知り合いもいないので正しく認識されることはない。

強いて言えば、真実を見極める魔眼やアイテムだが、かなりの稀少価値なので心配ないだろう。



「そんな事も出来るのか?」

「…結構基本ですよ。泰斗さんは色々規格外ですね」

ティオに少し呆れられる。


ティオと二人でダンジョンの中へと進もうとするとチンピラのような冒険者二人に絡まれる。


「よぉ、にいちゃん。いい女連れとるやんけ」

「金と装備と女置いて消えな。そしたら命だけは助けてやるよ」


泰斗はテンプレだなぁ、と能天気に考えながら言い返す。


「あぁ、そこ邪魔なんでどいてもらえます?」

「おいおい、舐めてんのか?」

「いえいえ、あなた達のようなチンピラに構ってる暇ないので」

「ぜってぇ殺す、オラァァァァ」


チンピラ二人組の一人、スキンヘッドのいかつい男が泰斗に殴りかかる。

泰斗にとってスローモーションのようなスピードで放たれるパンチを避けて、手加減して蹴り飛ばす。


ドォォォォォォォーーーーン


泰斗に殴りかかったチンピラは近くの岩にめりこんでいた。

それを見ていたもう一人のチンピラは冷や汗をかいていた。


「わ、悪かった、にいちゃん。もう二度としねぇ。だから命だけは助けてくれ」

「もうしねぇんならいいよ。さっさとあの男の治療した方いいぜ。多分何本か骨が折れてるからよ」


そう言うとチンピラは仲間を背負って逃げていった。

その光景を見ていた周りの冒険者達は騒ぎ出す。


「すげぇな、にいちゃん。なんつーキック力だよ」

「清々したぜ。あいつら結構有名なチンピラでよ、助けにいけなくてすまんな」

「ざまぁみやがれ、チンピラ共」


どうやら先程のチンピラは結構嫌われているようだ。

泰斗は【技能奪取スキルハント】使えばよかった、と今更ながらに後悔する。

まぁいっか、と切り替えティオと共にダンジョン内へと向かった。






ダンジョン内では洞穴のようなところなのに、何故か夜でも明るい。

おかげで外の時間がわからないのだ。

しかし、泰斗には以前から持っていたソーラー式腕時計をもっているので関係ない。


ダンジョン最初の階層ででてくるのはゴブリンであった。

泰斗はゴブリンに近付くと【技能奪取スキルハント】を使った。

ゴブリンからスキルを奪い、ゴブリンを殺す。

ゴブリンは魔物の中でも人に似ているから嫌悪感がでる、と泰斗は思ったがそんなものはなかった。

そして、ステータスを見てみる。



名前:桐谷泰斗

種族:人族?

性別:男

年齢:17

職業:


Lv.5

HP: 816000/816000

MP: 192000/192000


STR:336000

V I T:288000

A G I:288000

I N T:192000

DEX:256000

LUK:300


《スキル》

技能奪取スキルハントLv.2【ユニークスキル】

・超鑑定

・超隠蔽

・異世界言語翻訳【ユニークスキル】

天翔スカイウォーク

斬爪スラッシュ

斬爪スラッシュ

・剣術Lv.1


《称号》

・異世界から来た者

・武神の加護



なんか見ないうちに、とんでもない成長をしていた。

全てのステータス値が倍々になっていっている。

剣術Lv.1が恐らくゴブリンのスキルだろう。


そして一番疑問なのは【武神の加護】だ。


【武神の加護】

武神ナックルの加護を受けた者。


武神ナックルって誰⁉︎と泰斗はティオに聞いてみる。


「ティオ、武神ナックルって知ってる?」

「はい、武神ナックル様はあらゆる闘いにおいて負けを知らないとされている神様ですよ」

なるほど、その神の加護を受けているということか。

うん、ワケ分からん。


「神様の加護ってなんか意味あるの?」

「はい、加護自体が誇りですが神様の加護を持つ者しか入れない聖域という場所があって、そこに入るには誰か神様の加護が必要ですが…まさか、武神ナックル様の加護でも?」

「ははは、そのまさかだよ」

泰斗は苦笑いしながらティオにステータスを『オープン』にして見せる。

ティオはそのステータス全てに驚くが、照れた顔で泰斗に話しかける。


「わ、私の旦那様は神様の加護を持っている上にこんな強い人だと思うと惚れ直した…といいますか 、そのもっと好きになりましたぁ」

ティオの突然の告白?に驚くも、愛おしいと思い、ティオの頭を撫でる。

ティオは目を閉じ気持ちよさそうに顔を緩める。


イチャイチャしながら二人はダンジョン奥へと進んでいった。



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