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カルテに書けない よもやま話  作者: いのうげんてん
3章 病気だらけの医者
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<11> うす毛 その2

 発毛に効果があったといっても、ニュースキンの育毛剤「ニュートリオール」には、不満が3点私にはあります。(←(^ω^)生えたのに、不満とはぜいたくな話しだね)


 第1に手間がかかるのです。


 普通の育毛剤は、100㏄くらいの大きな瓶に入っていて、キャップをはずして塗布します。1本で1~2カ月は持ちます。


 ところがこの製品は、容器が直径1.5㎝長さ4㎝と小さめで、週に2~3本使うのです。


 容器を新しくするたびに、内部に装着された溶液と育毛剤を混ぜなければなりません。


 さらに、塗布するたびに、容器の先端のふたをはずして、専用のキャップをかぶせて使うという、やや面倒なものなのです。(←(^ω^)私は自他ともに認める面倒臭がり屋なのだ)


 第2に香りが泥臭いのです。


 育毛剤といえば、普通、香りが無いか、さわやかな香りがするものです。ところがニュートリオールは、原料が海藻だけに、独特の臭いがするのです。


 週2回しか洗髪しない私には、加齢臭が増したようで不愉快千万です。(←(^ω^)自分が無精のくせして、よく言うね)


 第3に高価なのです。1カ月分が1万円超するのです。いくら育毛剤は数多くあるといっても、これだけ高価なものはそうはありません。(←(^ω^)値段のストレスで、はげてしまっては元も子もないよね)


 数年使って割合効果が出てきて、うす毛が目立たなくなったころ、仕事で私は単身赴任することになりました。独身生活となって、身支度などが面倒になったのを機に、止めてしまいました。


 またうす毛が気になりだしたのは、単身赴任を終えて1年ほどしてからのことです。


 私は女房に髪を刈ってもらっていますから、いやが応にも脳天をまじまじと見られます。理髪のたびに、うす毛の再来を声高に叫ばれるのです。


 そこでまたもや育毛剤に手をつけたのです。


 今度は他の製品を試してみました。


 記憶しているものだけでも上げてみます。


 女房愛用の美容院店長お薦めのもの、リアップ(リアップファイブではありません⇒豆知識)、TVで今もよく宣伝している柑橘類から作られたもの、ある製薬会社の漢方薬のもの等々、どれも半年から1年使いましたが、残念ながらこれといった効果はありませんでした。


「やはり、もう手遅れか」


 畑がダメになったようです。


 専門家に言わせると、頭髪は、畑と苗の関係と同じだそうです。畑は頭皮の毛根周囲組織、苗は毛髪に当たるのです。


 血行が悪くなって頭皮(畑)がやせると、毛(苗)は育たないのです。(←(^ω^)これからすると、輝くばかりにツルツルの人は、完全な手遅れだよね。はっきり言ってごめんなさい)


 あきらめかけた2009年の夏、TVで宣伝している、「リアップファイブ(RiUPX5)」が目にとまりました。


 リアップは前にも使ってみましたが、さしたる効果はありませんでした。しかし今回のは、名前の通りその5倍の濃度がうたい文句なので、もう1度トライしてみることにしたのです。


 7月にスタートして2カ月ぐらいで、産毛が生えてきました。10月には何と!それが2cmにもなったのです。


「おお、すごい!」


 久々の育毛剤の手応えに万歳三唱。


 値段は1カ月分が7000円ほどですが、それで生えたのですから、喜びもひとしおです。


 ところがところが、うまいことはそう長くは続かないものです。(←(^ω^)人生と同じだよね)


 副作用が出てしまったのです。


 11月になって、アレルギーが出てしまいました。開始して4カ月もたってアレルギ-とは、医者の端くれ(と思っている私)としては納得できません。


 無視してそのまま使っていますと、どんどんひどくなってきて、脳天を見た女房がこれまた叫びます。


「あなた!何、これ!」


 頭皮が真赤になりじくじくして、所々、かさぶたができているのです。


 製薬会社に問い合わせると、遅延型のアレルギー(⇒豆知識)と思われるので、すぐ中止してほしい、とのツレナイ返事でした。


 症状に気付いてから1カ月粘りましたが、ついにアレルギーだと観念して、泣く泣く中断したのです。リンデロンVG軟膏を塗布して、2週間ほどで皮膚炎は治りました。


 治ってみると、もう1度つけたくなるのが人情というものです。


 ないしょでこっそりと付けてみると、やはりアレルギーが出るのです。頭皮が赤く腫れ、瞼や耳たぶまでが赤くなるのです。やはりリアップファイブによる皮膚炎だと、今度こそあきらめました。


 せっかく生えた産毛も、だんだん細くなり消滅していきます。その寂しさたるや、見るに忍びないものでした。(←(^ω^)そうとう昔、“髪は長い友達”というテレビコマーシャルがありました。今だと、その気持ちがよく分かりますね)


 これからが、またまた面白いのです。


つづく


* 豆知識(参照:Wikipedia)


①リアップ


 「リアップ」は、1999年、大正製薬が脱毛症の治療用として発売した、「ミノキシジルMinoxidil」成分1%を含有する外用溶液です。


 2009年にはミノキシジルを5%配合した「リアップX5」が発売されました。


 リアップ発売前から現在まで、リアップよりも主成分が濃厚で廉価なため、「ロゲインRogaine」の個人輸入も多く行われています。


 ミノキシジルは、1960年代にアップジョン社(現ファイザー)が創製し、高血圧の経口薬として用いられていたもので、後に髪を育成し脱毛症を回復させる効果が発見されました。


 最も一般的な副作用は、頭皮の痒みです。不整脈、動悸などの循環器系の症状も時に見られます。


②遅延型アレルギー


 身体に侵入した異物(抗原)に対して、身体がそれに対抗する抗体(IgE抗体)を作り出して反応する生体防御現象を、抗原抗体反応と呼びます。


 アレルギーは、この抗原抗体反応が過剰あるいは異常となって、生体に害をもたらす場合をいいます。


 アレルギーには、Ⅰ型からⅣ型まで4つの型があります。


 Ⅳ型(遅延型)アレルギーは、Ⅰ型アレルギーがIgE抗体(免疫グロブリン)によるアレルギーなのに対し、Tリンパ球がおこすアレルギーです。


 即時型のⅠ型アレルギーに対し、Ⅳ型は遅延型で、抗原アレルゲンを体内に取り込んで半日から数日たって反応がおこります。


 Ⅳ型アレルギーの代表的なものは、接触性皮膚炎です。俗に「化粧品かぶれ」、「うるしかぶれ」などといわれているもので、最近では、金属、ゴム、洗剤などに反応する人も非常に増えています。


追記)


 私のうす毛ビフォア、アフターの脳天写真を掲載したいのですが、どこに掲載したらいいのか思案しています。Facebook(“inougenten”で今年参加しました)に、ハゲ頭の妙な写真を載せたら、ひんしゅくを買って、ますます変なおじさんになってしまい、友達なんかできませんよね。さて、どうしたもんかな……。



┌───────────────

│いのうげんてん作品      

│               

│①カルテに書けない よもやま話

│ 

│②著作『神との対話』との対話

│ 《 あなたの人生を振り返る 》

│ 

│③ノンフィクション-いのちの砦  

│ 《 ホスピスを造ろう 》

└───────────────


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