表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カルテに書けない よもやま話  作者: いのうげんてん
2章 医者もいろいろ
43/329

<17-2> 良いお医者短編集-頭を下げて謝罪した医者

 このT医師は私の大先輩の外科の先生です。日本でも有名な、腕の立つ大学病院の医師でした。


 人柄もよく人望があり、患者にもスタッフにも人気のあるドクターでした。


 ある時、同じ外科仲間が手術した患者さんが、手術は成功したのに、術後突然亡くなってしまいました。


 病理解剖をしても原因は分かりませんでした。


 家族が裁判に訴えると騒ぎだし、弁護士3人といっしょに大挙して病院にやって来ました。


 主治医は困り果てて、T医師に相手してくれるようお願いに来たのです。


 T医師は、腕だけでなく弁舌もたつ、大学の仲間内でも評判のドクターだったのです。


 3人の弁護士をうしろに控え、今にも襲ってきそうな気迫で、家族はT医師に対峙しました。


 T医師は、にらみすえる家族の前に立つと、


「いくら注意していても、予想できないこういうことが、残念なことに、時には起こるのです。誠に申し訳ありませんでした」


 弁解がましいことをいっさいいわずに、深々と頭を下げたのです。


 弁解するものとばかり思っていた家族は、あっさりと謝罪され、拍子抜けしてしまいました。言い分けひとつしないその真摯な態度に、大変感銘を受けたのです。(←(^ω^)出鼻をくじかれたのかも)


「言い分けしようものなら、裁判に訴えるつもりでした。心から謝罪してもらい、それを取り下げます」


 家族はその場で、弁護士に取り下げを指示したのです。


 T医師の誠実な態度によって、間一髪、医療訴訟に発展するのをまぬがれたのでした。(←(^ω^)どこぞの大学病院とは大違いだ)


〈つづく〉


┌───────────────

│いのうげんてん作品      

│               

│①著作『神との対話』との対話

│ 《 あなたの人生を振り返る 》《 自分の真実を取り戻す 》

│②ノンフィクション-いのちの砦  

│ 《 ホスピスを造ろう 》

│③人生の意味論

│ 《 人生の意味について考えます 》

└───────────────

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ