◇告知板◇ 6章 私の医療あり方論に <3-34> 病院寸話 《63. それぞれが持つ「与える力」》 を追加しました
<3-34> 病院寸話(月例朝礼・会議などでの寸話)
《その63 それぞれが持つ「与える力」》
昔、私が新病院の建設に関わっていたときのことです。
ともに働いた一人の知人が、あるとき私にこう語りました。
「知恵のある者は知恵を出し、お金のある者はお金を出し、力のある者は力を出す。」
彼はクリスチャンでした。その言葉には、彼の信仰に根ざした深い意味が込められていたのです。
私はそのとき、はっとさせられました。この簡潔な言葉の中に、社会を支える真理が込められていると気づいたからです。
人はそれぞれ、異なる才能や資源を持っています。ある人は知恵がある。ある人は体力がある。ある人は経済的な余裕がある。そして、それぞれが自分に与えられたものを、必要とされる場に差し出すことで、社会は支えられ、前へと進んでいくのです。
たとえば、重たい資材を運ぶことはできなくても、設計の工夫によって作業を楽にする知恵を持つ人がいます。資金を出せなくても、汗を流して現場で手を動かす力を持つ人がいます。そして、余裕のある者は、自分の持つ富を惜しみなく提供して場を支えます。
重要なのは、「自分には何もない」と思い込まないことです。誰にでも、知恵であれ、お金であれ、力であれ、与える力はあるのです。
社会とは、そうした多様な力の「協力」によって成り立っています。自分にできることをできる範囲で、誰もが少しずつ与えることができれば、やがてそれは、大きな成果へとつながっていくのです。
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〈つづく〉
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│いのうげんてん作品
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│①著作『神との対話』との対話
│《 あなたの人生を振り返る 》《 自分の真実を取り戻す 》
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│②ノンフィクション-いのちの砦
│《 ホスピスを造ろう 》
│
│③人生の意味論
│《 人生の意味について考えます 》
│
│④Summary of Conversations with God
│『神との対話』との対話 英訳版
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