第14話 能力
「おい、この魔力量どうなってんだ?」
賢者がナイダンの封印を緩めた瞬間子供とは思えない程の魔力が溢れた。
「魔力量なんかどうでもいい。今重要なのはあいつがこの魔力を制御出来るかどうかだ。」
俺は賢者にそう言われ気を引き締めた。今あいつが制御しきれずに暴走してしまい、緩めた封印が破れれば俺達でも対処出来なくなるかもしれない。他の奴らもそう思ったのだろう。いつしか俺達の近くに立っていた。俺は心の中で無事を祈ることしかできなかった。
僕は魔力を制御するために自分の中の奥底まで意識を潜らせていく。そうしていくつ経ったか分からない頃、僕は見た。鎖に縛られ、窮屈そうにしている僕の魔力。その塊を。それはあまりにも多く、僕は一目見ただけで今手を出してはいけないと理解した。そしてそのまま潜ろうとすると僕の魔力の塊の近くにも何かあるのが分かった。それは僕と同じ姿をしており、魔力の塊と同じく鎖で縛られていてその姿が昔の僕を思い出させた。村の皆に縛られていて自由も権利も何もなかった昔の僕に。僕はそれを見て、助けないといけないと思った。僕は僕の姿をした何かに近づき手を伸ばすと、鎖は壊れ流れる魔力がある一点へと集まっていくのが分かった。僕はその機を逃さず魔力を制御し、現実へと帰っていく。
俺はそれを一目見た瞬間分かった。それは俺が魔法を使う上で最も必要な『能力』だったからだ。俺が封印していたわけではない。恐らくは何か条件があり、ナイダンがその条件を満たしたのだ。だが、それは喜べる内容ではない。何せ『始祖返り』の能力は決まって『始祖』と同じ能力を持つ。ナイダンの場合は竜神様だ。つまり世界最強だった力の一部を発現させた。今暴走すれば俺だけでは対処出来なくなる。だからこそ、俺は空間を圧縮し、勇者達と俺を空間から強制的に出し、ナイダンだけを封印した。突然のことで困惑していたが、勇者だけは想定していたように動揺していない。空間を圧縮、維持しながらも俺は心の中でナイダンの無事を祈った。
僕は解放された力を理解し、魔力を完全に制御してから現実へと戻ると、空間内には誰もおらずとんでもない広さだった空間は今や僕が一人いるだけで狭いと感じる程狭くなっていた。僕はそれを見て直感ですぐさま脱出しなければならないと理解した。僕は魔力を完全に制御したからか具現と凝固だけでなく、他の三つの技術も使えるようになった。だから感知で空間の弱くなっていた部分を見つけ出し、新しい力でそこをこじ開ける。
『能力∶強制干渉』
「空間の強制干渉をし、破壊。」
僕が空間に干渉し、破り、外へと出ると驚いた顔をしたお師匠様達が立っていた。




