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ただの学生だったけど、空間魔法で銀河の命運背負ってます  作者: 空花 ハルル
自然に溢れた王政の国『エヴァーレスト』
9/41

任務中

「それじゃあ、私達はまた探索開始!」

キラナがるんるんとはしゃいでいる。

「キラナは行きたい場所ある?」

「う〜ん。一旦、スマホで調べてみるね」

調べる?

「そうだよ。私達が持っているスマホは宇宙全体の発見されている星の全ての情報やサイトを見ることができるんだよ」

「でも、かなりの容量が必要なんじゃないの?」

「地球のスマホと比べるとね。宇宙では、これが一般的だよ。そうだ!コスモスさんもその腕輪で調べられるよ。能力が付与されているだけじゃなくて、時計型のパソコンのように扱うこともできるんだよ」

腕輪で?

地球で言うところの時計型の携帯機みたいな使い方でいいのかな?

じっくりと腕輪を眺めてみる。

確かにボタンが3つ、そして、灰色の薄い板が付いている。

まず、一番右のボタンを押してみる。

すると、ピーと音がして、一枚のバーチャルモニターが表示された。

「かっこいいでしょ!」

「うん、かっこいい」

地球にも、似たような電子機器はあるけど、かなり高いから買えない。

この板でスワイプするのかな?

「そうそう。真中のボタンと左のボタンは、マウスの左右のクリックの役割を果たしているよ。それに、文字を打ち込むときは、第二のモニターに表示されるから、切り替えて・・って、説明してもややこしいよね。また、後でじっくり教えてあげる」

見かけによらず、かなりややこしい仕組みだ。

「また後でお願いね」

「オッケー、それじゃあ、ここに行こう!教えてる間に調べていたんだ!見て!」

キラナがスマホの画面を向けてきた。

何々?

「歴史館?」

「そう!私、こういう博物館みたいな場所好きなんだよね。見たことがないようなもの、物珍しいもの。そして、なにより、新しい事が色々学べるし。今まで、私が行ってきた場所で例えるとね・・」

生き生きと早口でキラナが喋っている。

やっぱり、こういう歳の女の子にはハマるものがあるんだなと再確認できる。

私にだってある・・アニメや漫画、小説、ゲームとかだけど。

「・・っていう物も見たんだよ。」

「す、凄いね」

ヤバい・・半分くらい聞いてなかった。でも、私も良い趣味だと思う。

「大丈夫だよ。半分でも聞いてくれてただけでも、嬉しいよ。だれも、理解者はいても、共感者はいないもん。だから、誰とも一緒に行ったことはないんだよね」

ため息を付きながら、そう言っている。

「大丈夫、私も行ってみたいし、キラナの趣味はかなりいいと思う!」

「うん、ありがとう!じゃあ、行こう!」

元気よく返事をして、こっちに手を差し出している。

それも、可愛い笑顔で。

「うん」

私は、その手を取り、繋ぎながら、その場所に向かって歩き出した。


ー歴史館前ー

これが歴史館か。

世界史の教科書で読んだ博物館にそっくりだ。

白っぽい柱が立ち並んでいて、白い壁でできた外見をしている。

「入ろう!」

また、キラナが手を引っ張ってくる。

もう、ちゃんとついて行くのに、焦っちゃって

受付まで移動する。

窓口は2つ。

片方は1組のカップルが入館料を支払っている最中のようだ。

今日は休日なのだろうか、人が少ない。

もう片方には列はできていない。

んっ?窓口の横の看板に、『子供300、大人600、赤ちゃん入館お断り。すみません』と書かれてある。

妥当な値段でいいのかな?地球視点で見たら、かなり安い。

いや、私達の世界が高いだけど。昔はまだ、安かったらしい。

「カードでお願いします」

「すみません。ただいま、カードスキャナーが壊れておりまして、現金のみでお願いしております」

受付の人は、深々と礼をしている。

私もキラナもこの星のお金なんて持ってないけど。

「いつ直るのですか?」

「少なくとも明日には・・申し訳ないです」

やっぱり、無理そうだ。

「キラナ、今日は諦めて、明日また・・」

「あの、お二方。私で良ければ、払いますよ。私も中に入りたいので」

後ろから、おしとやかで可愛らしい声が聞こえてきた。

誰?

振り返ると、可愛らしい18歳くらいの少女がいた。

綺麗なドレスなどの服装から考えて、貴族だろう。

「いいの?」

「はい」

少女は、軽く頷いた。

「じゃあ、せっかくなら一緒に回ろう!」

「えっ!私なんかが一緒になんて・・分かりました。喜んで、ご一緒させていただきます」

少女は軽い微笑みを浮かべた。

「そういえば、名前は?」

キラナの貴族にまで、ためらいなく声をかけることができる精神には感心できる。

「私はノエルです」

スカートを摘み、お辞儀をして、そう言った。

本で読んだ知識によれば、カーテシーってやつだと思う。

「よろしく、ノエルさん!」

「よろしくお願いします。あと、ありがとうございます」

「礼は良いですよ。人を助けるのは当たり前のことですから」

ノエルは再び微笑みを浮かべた。

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