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ただの学生だったけど、空間魔法で銀河の命運背負ってます  作者: 空花 ハルル
自然に溢れた王政の国『エヴァーレスト』
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任務開始−2

ふぅ、やっと一息つける。

こういう海外風のカフェって、行ったことなし、新鮮だ〜!

でも、これで、海外旅行をする必要性も無くなったね。

「どうしたの?ボーッとしちゃって」

キラナが心配そうに顔を覗き込んできた

「わっ!」

どうやら、考え事に夢中になっていたようだ。

キラナが戻ってくるのにも気付けないほどに。

「分からないから、アイスコーヒーとショートケーキを頼んできたよ」

おお!美味しそうって・・酒は頼まなかったんだ。

「私、酒は苦手だもん」

私も酒豪って、わけではないけど。ある程度は飲めるし、好きではある。

「まぁ〜、苦いもんね」

最初は、私も苦かったし、飲み始めはそんなものだろう。

「それで、どうする?聞き込み・・をするわけにはいかないしね」

どうするべきかな?

貴私達は、この人たちからしてみたら、ただの異星人。特定の貴族の個人名を知っているのは、あまりにも怪しすぎる。 

「じゃあ、私の力を使う?心を読んで、手がかりを」

それはありかもしれない

「でも、この空間だけにしたら。それで、対象を絞り込んで・・」

「それなら、私にも負担は殆どかからないし。手がかりをつかめる可能性はあるかもね。じゃあ、やってみる」

ニコッと笑い、いい案だと同意してくれた。

キラナが辺りを見渡し始めた。

「ん〜。いないかな?名前すら出てこない」

そう上手くはいかないよね。

それもそうだ。相手は貴族。関係者ですら、こんな一般平民がいるようなところに来るはずがないだろう。

「どうする?」

「一旦、私がマリアナさんに連絡してみるね」

キラナがそう言うと、スマホを取り出した。

多分、スマホだろう。形状も同じだし。

えっ?持ってるの?

「うん、マリアナさんもヴァイスも持ってるよ。後で連絡先交換しよ!」

「う、うん」

宇宙にもスマホが出回っているとは。いや、こんな風に人がいるから、当たり前か。

本当にこの宇宙は未知だらけだ。


キラナが電話をしだした。

小さくプルルと聞こえる。

「どうした?キラナ」

「えっと、今酒場にいるんだけど。手がかりは得られそうにないよ」

「そうか。私達の方でも今ネットワークを使い、手当り次第調べている。手がかりを見つけたら、また連絡する」

電話を切ると、キラナが首を横に振りだした。

「やっぱり、まだ進捗はないみたい」

はぁ〜、とため息を付いている。

進捗がなくて、落ち込んでいるのだろうか。

「いや、落ち込んではないよ。ただ、何もなかったのが少しだけ残念だなって、思っただけ」

それに関しては私もそう思う。

やっぱり、アニメや小説みたいに酒場なんてベタな場所はハズレだったのかな。

「じゃあ、これ飲んだら、また観光ついでに歩こ!」

顔に元気が戻ったみたいだ。いや、元から元気はあるみたいだけど。


「どこに行く?」

キラナには、まだまだ走り回れそうな元気な声でそう言っている。

私にも体力はまだ有り余っているけど。

「情報、情報・・」

そう下を向き、考えていたときだった。

ゴツっという音と共に、頭に痛みが走った。

「痛い!」

「痛てっ!おい!」

やばい、誰かにぶつかってしまったようだ。

「す、すみません」

「すみません?だと。」

やばい、かなりガラの悪い人だ。あまり面倒事をおこしてはいけないし。

「ごめんなさい。お兄さん」

キラナも謝ってくれている。

「ちっ!まぁ、いい!気をつけろよ」

舌打ちをし、そう言うと、去って行った。

危うく、剣を抜きかけるところだった、危ない危ない。

もし抜いてたら、即お縄に着くところだった。


「行ったよね?ねぇ、コスモスさん」

「んっ?」

「さっきの男だけど、マークしておいたほうがいいかも」

「なんで?」

「心を読んでいたんだけど、彼、貴族とつながりがあるみたい。どの貴族かは分からないけど」

手がかり・・とまでは言えないけど。

どうするべきか、とっ捕まえる?

「とりあえず、跡を付ける?」

私がそう聞いた瞬間、キラナは再び電話をかけだした。

「マリアナさん!怪しい人物はいたよ!カインとはつながっているかは分からないけど。少なくとも貴族とはつながりはあるみたい」

キラナの表情から焦っているのが分かる。

マリアナの返事は、「大丈夫だ。今、トライアが上にいる」とのこと。

んっ、上?

上を見てみたら、本当にトライアが屋根の上に立っていた。

「ねぇ、尾行なら、ヴァイスの方が適任なんじゃ」


ー宇宙船内部ー

「コスモス様の次に強いヴァイスは言ってしまえば、私達の秘密兵器みたいなものだ。今、前線に出てもらっては目立つのが目に見える」

「そうかもだけど」

スピーカー状態の電話の奥から、キラナの声が聞こえる。

「キラナ、俺のトライアを甘く見てもらっては困るよ」

翔が落ち着いた声でそう言う。

「トライアはちゃんと強いから、安心していい」

マリアナも念を押してくれた。

「それなら、いいけどね」

そう言い、キラナは電話を切った。

「それで、俺は何をすればいいんだ?トライアは出陣したのに」

翔も、観光や戦闘をしたくてたまらないようだ。

「今は我慢だ、翔様」

「はいはい」


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