反乱
ワープした先は、一番城に近い大きな屋敷の屋根の上だった。
そう言えば、 ヴァイスが出発してから、5分も立たない内に連絡が来たなぁ。
って、言ってる暇ないか〜。
もう門の前に、何十人ものの兵士が集まって来ていた。
「コスモス様。私は早速、キラナと共に警備隊の討伐に向かう」
「えっ、うん。前線は任され・・」
そう言い、頷こうとした時だった。
城門の方から、ドゴッという轟音と共に炎が燃え上がっているのが見える。
「もうヴァイスはやってるの・・私も行くか」
屋根を飛び降りて、急ぎ足でヴァイスの元へと向かった。
最初は目立つようにやらないと、カインにも気づいてもらえないだろうし。私も少しくらいなら、大技・・使ってもいいよね。
「やっと来たか、コスモス。もう10人以上は倒したぞ・・はぁ、安心しろ、殺してはない。」
ヴァイスが魔法弾を、真っ黒な盾?で防ぎながら、私の方に振り向く。
確かに・・よく見ると、後ろに何人かが横たわっている。
私から見ても、致命傷になりそうな心臓付近や頭部などには傷はない・・それでも。かなりの傷は負っている。
「『レーザー』(足を狙うように・・)」
空間を開き、その中から熱線が1本発射される。
その直後・・
あ、熱い!、そして、痛い!!と叫びながら、倒れ込む兵士が5名。
これにより、魔法兵達の集中砲火がヴァイスから、私の方に向いたようだ。かなり鋭く殺気が籠もった視線が、複数感じられる。
ごめん、やり過ぎた。流石に、これは・・
目の前に飛んでくる様々な属性の魔法弾を、空間バリアで全て無効化しながら、思考を巡らす。
「う〜ん。やっぱり私の能力的に手加減は難しいな。・・あっ、そうだ!」
自己空間、その中から、ヴァイスが元所有者であった炎の剣を取り出す。
「その剣なかなかいいだろう!」
「まぁね。威力は高いけど、空間魔法を使うよりかは手加減はしやすそうだし」
「そうかもな。・・チッ『ハイドオブシャドウ』」
ヴァイスが、魔法弾を避けるため影に潜り、近くの兵士の後ろへと移動した。
「フンッ、遅い!」
そう言うと、敵が振り向く前に、背中にスッと剣を振り下ろすのが見えた。
「よし、私も!」
一方で、キラナと翔は・・
城に援護へ向かおうとしている警備隊の数を減らしている最中だった。
「『ライトニング』」
電撃の宿った矢を3本、空に放ち。そして、その矢は雷のように落下し、警備隊数名を気絶させた。
「ねぇ、翔。そういえば・・警備隊にも隊長クラスがいるって、情報を見たんだけど。まだいないのかな?」
キラナが、剣や魔法弾を軽々と避けながら、話をしだす。
「隊長・・どのくらい、強いか分からないけど。まぁ、かなり強いなら、普通に城の兵士になっているはずだし。そんなに強くはないんじゃないか?」
『そうとは限らないみたいだ。本部に出動していない部隊が、まだ2つ待機中のようだ。翔様、キラナ、油断はするな』
偵察中のマリアナから2人へ、そうメッセージが発信される。
「『フロストショット』!・・・ちなみにだが、キラナは近接戦闘はできるのか?」
翔は魔法陣を出現させ、尖った氷塊を発射し続けながら、会話を続けた。
「得意ではないけど、ある程度ならできるよ!って、なんでそんな事聞いたの?」
「もし敵にリヴィアみたいな、近接戦闘に長けすぎた奴がいたとしたらマズイと思ってな」
「そうなったら、近づかれる前に総攻撃かな〜。殺さないことが前提だけど、そうなったら仕方がないもんね〜」




