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2日間の準備期間

目的地まで、のこり2日。

「一つ説明しておくが。この宇宙船には、ワープの座標が固定されてある。腕輪さえあれば、この場所と地球のコスモス様たちの部屋は自由に行き来できる。何なら、マーキングさえ設置すれば、どこへでもワープできるはずだ」

マリアナが淡々と腕輪のサブ機能みたいなものの説明を終える。

「いつ、設置したの?」

「コスモス様と翔様を転移させてたときに、学会室とかいう場所に自動設置が完了した。あのレコーダーがその役目を果たしている」

なるほどね。

いつでも、行き来できるのはありがたい。

このまま帰れなかったら、マズイし。

「まぁ、でも。一旦、戻らなくてもいいかな。この能力の練習もしたいし」

「やっぱり、コスモス様は努力家だな」

「そうかな?でも、褒めてくれてありがとう」


闘技場に移動し、早速、練習!

「さーて。今から攻撃するから、剣を使わずに、防御してみて。もちろん、避けるのも禁止!」

いきなりそんな事言われても。

「もうちょっと、何かヒントを」

「言えるとするなら、自身の周りに空気で壁を作るイメージをすることかな。魔法は、イメージの具現化、少し練習すれば、その能力を自由自在に使いこなせるはずだよ」

なるほど、イメージね。

どこかの本でも、魔法はイメージが大事って書いてあった気がするし

「オッケー!」

「じゃあ、いくよ!」

キラナがそう言った瞬間、風切音が立ち、目の前から姿が消えた。

後ろ?

いや、そんなことは考えなくていい。

目を閉じ、空気の盾をイメージ・・イメージ・・


そう考えた始めた直後、パキンと何かが折れる音がした。

目をゆっくり開けると、すぐ目の前にいるキラナと目があった。

流石に、速すぎる!気配すら、しなかった。

「あ、あれ・・」

でも、どこも怪我してないし、痛くもない。

「見てみて、私の練習用の剣が折れちゃった。流石!一発で成功させちゃうなんて」

よし!この調子で、どんどん能力身につけていこう!

「いやいや、たまたまかな。ハハッ」

「じゃあ、もう一回やってみる?」

あっ、少し謙虚になったせいで、もう一回か。まぁ、反復練習は大事だよね。


その後、数十分、練習を続け・・。

「はっ!」

空間移動をし、敵の背後に1秒もかからずに移動する。

この短距離だけど、瞬間移動もものにできた!

「うわっ!負けちゃった」

今までの模擬試合でわかった事がある・・。

キラナの弱点は、相手を視認できない限り、心は読めないことかな?

「そうなんだよね。なんとか、できないかな?」

「う〜ん」

それから、2人で少し考えてみたけど、結論は出せなかった。


数時間後、宇宙船の翔の部屋。

「翔は何してるの?」

「窓の外眺めてる。こんなに近くで星が見える機会ないからな。コスモスも見る?」

「う、うん」

何回かは見たけど、見飽きることはない。それくらい、この景色は美しすぎる。

宇宙の漆黒をかき消す勢いの色取り取りの星々。

赤緑色の色彩が滲むように混じり合った星雲。

こんな壮大で美しい世界が危険に脅かされるなんて、到底想像もできない。でも、この世界を渡れると考えると、胸の高まりが抑えきれない。

「綺麗だな!」

翔がそうボソッと呟く。

「だよね・・あっ!」

「どうしたんだ?」

「今、地球では何時だろう?一旦、戻ったほうがいいかな」

あの時、マリアナには戻るのはいいかな、って言ったけど。

「ああ!それなら、大丈夫だろ。明日から、ちょうど3連休だったはずだ」

そういえば、そうだったっけ。

なら、大丈夫かな。

「でも、到着まで、時間があるから、荷物を取りに戻ろうかな」

「オッケー!俺はまだここにいるから」


コスモスが一時去って、3分後・・

「翔様〜!」

トライアが勢いよく、翔の部屋に飛び込んできた。

「えっ!トライア!うわっ」

「翔様〜」

トライアが翔の膝下に寝転がり、スリスリし始めた。

「ちょっ!くすぐったい!」

「少しだけお願いします。こうやって、話せるようになったんですし。甘えさせてください!(翔様の膝、あったか~い!)」

そう言いながら、膝に顔をこすり続ける。

「まぁ、いいけど」とそう言いながら、翔はトライアの頭に手を伸ばした。

「ヒャッ!いきなり撫でられたら、びっくりしちゃいますよ」

トライアは顔を赤らめながら、耳をピクピクさせ、尻尾も激しく振り始めた。

「普通、こんなに可愛い猫を見たら、撫でたくなるものだろ」

翔はトライアから、目線を逸らすも、頭は撫で続けた。

「ニャ〜・・(翔様の手もあったか〜い。もっと、撫でて〜」


残り一日。

「あ、あの、翔様。僕の鍛錬に付き合ってくれますか?」

「いいけど。俺よりも、マリアナに教えてもらった方がいいんじゃ。 

同じ猫族?同士、鍛え方も翔よりも詳しくしてくれる可能性は高い・・と翔は考える。

「いえ、翔様に教えてもらいたいです!翔様の好きに鍛えてくれて、構いません。剣でも、魔法でも。翔様のお得意の弓でも、何でも構いません」

トライアの必死な眼差し。

翔からしてみたら、なるべくトライアには戦って欲しくはない。

でも、それは、トライア自身の意思。

翔には、無理にでも止めようとは、思えないようだ。

数秒の間が空き、翔は答えを出した。

「オッケー、分かった!魔法と弓なら、教えられる」

「ありがとうございます!やったー!」


場所が移り、練習場・・。

パァン!と大きな音が闘技場内に響き渡る。

「はっ!・・どうですか?翔様」

トライアの放った弓が的の中心付近に当たった。

「上手いよ、トライア。もう少し練習すれば、ど真ん中に当てられそうだ」

「ありがとうございます。このまま、練習に励みます」

その横で。

「よっ!」

トライアよりも大きな的中音が響いた。

「ヴァイスって、弓も扱えたのか?」

「そうだ。めんどくさいけど、練習はしといたほうがいいからな」

今のヴァイスは、気だるそうな声と態度だ。

「(俺と同レベルの弓術力・・)やるな、ヴァイスも」

「見ていたけど。ショウも中々だな」

めんどくさそうだけど、ほめてくれたことに、翔は内心嬉しそうだ。

「ちょっと、翔様は弓術においては・・いや、何事においても、絶対に、ヴァイスさんに劣ったりしませんよ」

「そうかもな」


そして、到着日。

「到着した。これからは、前の会議の通り、コスモス様とキラナに行動を起こしてもらう。まずは、情報収集だ。何か収集に適した場所はないか?」

う〜ん?

でも大体、情報収集ができそうなのって、酒場だよね。

本を読みまくってた経験が役に立つときがまた来た。

「酒場はどうかな?大体、都市には飲み場はあると思う」

「流石、コスモス様だ。あとは、敵の関係者、または怪しい奴を見つけたら、確保して連れ帰ってきてくれ。では、再び解散」

今回の会議は短かった。

でも、別の星の世界を見て回りたかったから、よかった。

「じゃあ、行こっ!コスモスさん」

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