用済み
思考を巡らせ、反乱当時のことを必死に思い出し続ける。
前線でカインが戦っていた時。マドレーヌは仲間の回復に勤しんでいたが。
カインのいる方面から、何度も爆発音が響き渡っていたのをよく覚えている。当時それは、ただの敵の爆発魔法かと思っていた。
だが、今違うことに気づく。
「私もおそらくですが、誰か分かった気がします。王ですよね」
「多分な。だが、なぜだ?」
現時点でまだ、王にはカインを殺す理由がない。実際に、王は反乱への対抗戦力として、カインを頼りに来た。
その矛盾点に、3人は違和感を感じずにはいられなかった。
「とりあえず、屋敷へ戻ろ・・んっ!」
カインは突然青ざめた表情をし、2人の方へ振り返る。
「どうかしましたか?カイン様」
「杞憂であってほしいんだが。僕らが狙われたということは、他のメイドとノエルが危ないかもしれない。急いで戻るぞ」
「はい!」「は、はいニャ」
3人は急ぎ足で屋敷の正面まで戻った。
だが、外見も含めて、争った形跡は確認はできない。
「やはり杞憂か・・」
そう落ち着きながら、門のロックを解除した瞬間・・。
ドンッという破壊音とともに、屋敷の1階部分が突き破られ、ミーナが投げ飛ばされるのが見えた。
「ミーナ!これで、『グラビティ』」
引力の方の力を使い、空中のミーナを丁寧に手元まで引き寄せた。
「うっ。カ、カイン様」
「すまない、僕が出かけてしまったために、こうなってしまった。だが、もう大丈夫だ」
胸の傷を押さえ苦しそうにしているミーナを地面にゆっくり降ろす。
崩壊した壁には、フードを被った長身の男が立っていた。
「さて。今度は誰だ!って聞く必要もないか。王に言われて、僕を殺しに来たんだろう?」
カインはいつもの何倍にも低く力強い声でそう言い、睨みつける。
「大方、当たりかな〜。自分は、使い走りみたいなものだし」
「だったら、僕以外を狙う理由は何だ?!」
カインがそう尋ねると。
とぼけた顔で、のらりくらりとした感じで話し始めた。
「う〜ん、自分は詳しくは知らないからな〜。カイン以外にも警戒をしておけって言われただけだし。それが、誰かわからない以上は・・」
「『リフレクト』」
カインが手をかざし、空気の波動を打ち込む。
「まだ話している最中だよ。それに、今本気でやる気はないし。ただ伝言を伝えに」
「こんな破壊行動をしておいてか?」
「いなかったから。まぁ、そんなことは置いといて〜。王が君は裏切る可能性が高いと判断した。よって、用済みだって・・」
半分笑いながら、そう告げた。
「それで、殺しに来たんじゃないのか?」
「う〜ん、殺すのはそうだけど。さっき殺そうとしたけど、失敗しちゃったし。今も、予想よりも早く君が戻ってきちゃったから、こっちも失敗。でも、もうすぐ反乱が再び起こるらしいんだ。殺しはその時に・・って感じのプランBを実行するみたい」
「そうか」
カインも『反乱のどさくさに紛れて殺しても、怪しまれることは無いに等しい』という思考になる事くらいは理解できるし、予想もある程度までは出来ていた。
だからこそ、作戦を練るために、目の前の敵を倒したい気持ちを抑える。
「あれ、殴ってこないの?まぁ、自分も帰るところだし、ありがたいかな。それじゃあ、反乱のときにね〜」
軽く手を振りながら、背を向ける。そして、屋根を飛び超えながら、去っていった。
カイン達は、負傷したメイドをベッドまで運び入れ。無事なメイドたちと共に、壊された壁の応急処置を済ませたりし、3時間が経過した。
「ノエルの様子はどうだ?」
「はい、ノエル様は、目立つ外傷は有りませんでした。ですが、今は部屋に籠もりきりです」
それを聞いたカインは、すぐにノエルの部屋の前まで向かうことに。そして、扉を軽く、コンコンとノックをする。
「ノエル、入ってもいいか?いるなら返事をしてくれ」
「はい、お兄様」
部屋の中から、か細い声でそう返ってきた。
「入るぞ」
ゆっくりと扉を開けると。
ノエルは、窓の外をボーッと眺めていた。
「ねぇ、お兄様。これから、どうするの?」
カインからは、ノエルの顔は見えないものの、声から暗い顔をしていることは分かる。
「・・まだ、決まっていない。このあと、皆と話し合いをする予定だ。ノエルも聞くだけでも良いから、来てくれ」
「うん、始めるときに呼んで。すぐに行くから」
「ああ、誰かを呼びに行かせる」
カインパートが多くて、飽きてきましたか?それとも、もっと見たいですか?
まぁ、意見を聞く気はありませんがね笑!
安心してください、もう少ししたら、またコスモスと翔の活躍が見れる・・かも?!




